たった一つのほんの小さな物語
黒月さんに感想を送る
ジリリリリリリリリリ!!!
警戒サイレンが鳴った。
急いで外に飛び出す。
「ドロボウよ!早く捕まえて!!!」
次々と声が飛んでくる。
警察もかけつけた。
「ギャロップ!!」
ボン!
私はギャロップの瞬(シュン)を出した。
まぁニックネームでは人前で呼ばないけどね。
瞬は名前の通り早く走る。
もしかしたらその瞬に普通に乗っている私が一番すごかったりして。
途中でゴミ捨て場にサングラスとカツラを捨てた。
私の名は炎(エン)。
ドロボウしててんてんとシンオウ地方を移動しながら生きている15歳。
え?家族はいないのかって?
んなもんいない。
私は両親に捨てられ、他の人間からも非難され続けながら生きてきた。
私の家族はただ一人(一匹?)、ギャロップの瞬だけだ。
さて自己紹介は置いて、そろそろ移動しなくては。
ガーディ、つまり警察犬がすぐ来るだろうしね。
「さ、ギャロップ、行くよ!」
どれくらいたっただろうか。
周りの景色はもう闇に包まれていた。
小さな森に着いた。
森に入っていくとすぐ、っていっても10`くらいかも。
に小さな家があった。
瞬をしまい、ドアをたたく。
コンコン。
コンコンコン。
ドンドンドンドン!!!!
ベキ。
「あ。」
ドアに穴が開いた。ヤバイ。
「あら。」
後で声がした。
「うわああああああああああ!!!!!!」
思わずひっくり返りそうになった。
後ろを見ると、私くらいの女がいた。
横にはライボルトがいる。
どうやらライボルトは色違いのようだ。
「ドア、壊れちゃったか。強い風でも来たのかな。あ、まさかキミ、叩いた?ごめんなさいね、これ、モロいから。」
「は・・・?」
私は家に入れてもらった。
「初めまして。うちは雷(ライ)ここで一人で暮らしてるの。キミは?観光で来たの?」
「は、初めまして。私は・・・、えっと、み、尊(ミコト)っていいます。か、観光しにきま、した。」
「へぇ、いい名前ね。それでこの子は電(デン)っていうの。」
「は、はぁ・・・。えっと、こいつの名前は、えっと、誠(マコト)です。」
つい嘘を言ってしまった。まぁいいか。
「そんなに固くならなくていいわよ。コーヒー飲む?ブラックしかないけど。」
「あ、はい。」
雷は優しくしてくれた。
布団も食事も用意してくれた。
『ずっとここにいてもいいよな。』
瞬が言った。
あ、言うのを忘れてた。
私は実は炎タイプのポケモンのしゃべってることがわかるのだ。
ま、自慢・・・じゃなくないけどね。
次の日。
「もう行くの?雷に遅らせようか?誠くん、疲れてるでしょう?」
「いえ、いいです。こいつは大丈夫です。不死身です。」
瞬が横目でチロッと見た。
「えっと、じゃあ、さよなら。」
「お元気で。さようなら。」
それからだいぶたった。
私と瞬はあの森の近くの町にいた。
『本当に良かったのか?雷がいればドロボウなんてしなくていいんだぞ。』
「いいんだよ。べつに。」
そのとき、
ウウウ〜〜〜〜〜ン
ウ〜〜〜〜ン
「なんだなんだ?」
周りの人が騒ぎ始めた。
「もしかして、火事じゃない?」
「あ、本当だ。森が燃えてる。」
なんだって?!
見ると、本当に森が燃えていた。
「瞬!」
思わずニックネームで呼んでしまった。
『合点だ!』
私たちは森へつっぱしった。
雷・・・。
私たちが森へつく前に、消防士たちの活躍で火は消し止められた。
「らっ、雷、雷はどうなったんですか!?」
消防士に聞いた。
「雷?誰だ?いいかい、お譲ちゃん、おじちゃん、そんなこと言われてもわかんないよ。早くおうちに戻りなさい。って、あ!」
自分で確かめてやる。
「雷ーーーーー!!!!雷ーーーーーーーーー!!!!!」
「み・・・・、尊・・・・・・・・?」
弱々しい声が返ってきた。
雷はうつぶせになって焼けた木の下に倒れていた。
額からは血が出ている。
足の骨も折っているようだ。
近くにおろおろとした電がいた。
雷はなんとか命を取り留めた。
その後私は雷に全て話した。
ドロボウをしていることも、軽いウソをついていたことも。
1カ月後、私は旅立った。雷と一緒に。
行こう・・・・・・・。
新たな冒険へと。
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