この、歩み続ける遥かなる旅路の果てに
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シンシンと雪が降る。灰色の雲から降るそれは、雲間から漏れた光に照らされて丸で白い妖精が舞っている様だ。その空の下の山道を、一人の男がゆっくりと歩いている。腰には使い古されたモンスターボールが、6つ。
「雪か・・・此処まで積もっているのを見るのは久しぶり・・・だね。・・・そう言えば、旅立った日も・・・そうだったな。」
「彼」は立ち止まり、天を見上げた。冬の澄んだ空。白い妖精が降り来る場所と曇りで弱められた冷たく淡い光にまるで手が届くように思える。「彼」は天に手を伸ばす。だがその手が届くわけは、無い。届きそうで届かない。
今まで届きそうで届かなかったもの。「彼」は今までの旅路を思い浮かべた。
「彼」は、カントーより北の、ある町の出だった。10年掛けてカントー、ジョウト、ホウエンと旅をして、今までに多くの物を見、聞き、経験してきた。
初めてのポケモン、パートナーとの出会いと初めてのバトル。
ジムを巡り、時に戦い時に仲間として色々な人と出会い、別れてきた。ポケモンを愛する者、ポケモンを「物」としか見ない者、様々な人がいた。
旅の途中で挫折しかかった事もあった。「自分はトレーナー失格だ」と。その後励まされ、立ち直り、また別のトレーナーが思い悩むのを見て、励ました。
そして、ふと感じた「トレーナーとポケモンはどうあるべきか」と言う、問い。
今まで答えは出ていない。きっと、出るものでは無いのだろう。それはトレーナーとなった人が此処に持つべき『生き方』なんだろうから。
「だから・・・オレの旅も、まだまだ続くな。この・・・山の頂を越えた・・・まだ遥か先まで。」
「彼」はまた一歩、歩み始めた。自分の『生き方』をこの旅路の果てに求めるために。
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