甘々恋物語
るいるいさんに感想を送る
路地裏の小さな坂道。
そして、今日の主人公がリンゴを大きな袋に詰めて、フラフラと歩いている。
前が見えないようなので、あっちへふらふら。こっちへふらふら。
案の定。石に躓いて、細長い生き物は転び、そしてちょうど、歩いてきたこちらも細長い生き物を巻き込んで転がった。
リンゴはあっちこっちに飛んでいって、コロコロと転がっていった。
「大丈夫ですかっ!あぁぁぁっ!拾わなくちゃ!」
細長いポケモン…そう、オオタチは、急いで立ち上がり、もう一匹の細長いポケモン…マッスグマに一声かけ、急いで四方八方に飛び散ったリンゴを追いかけて拾い出した。
そして、最後の一個をとろうとすると、先にマッスグマの手が伸び、オオタチの前に差し出した。
それが、この二匹の運命的な…出会い。
になればよかったものの
「ゴメンなさい…このリンゴ譲ってくださ…い」
そういい残し、マッスグマはその場に崩れ落ちた。
「えぇぇぇぇぇぇぇ!?」
そう、それは平凡のようで、ある意味平凡じゃない。
全く正反対で、けれど少し近い、何か微妙ーな二匹の出会いだった。
「えっと…私はショコラといいます…えっと…あなたは?」
ショコラと名乗るオオタチは不安そうにマッスグマに尋ねる。
「あ、オレ?グーってんだ。よろしくなー」
が、そんなショコラの心配を知ってか知らずか、グーと名乗るマッスグマは笑いながら言う。
「えっとグーさん…。何でリンゴを…?」
「あ、ゴメンね、腹へってさぁー。というか、オレ今お金ないよ?割カンとか無理だけどいいの?」
そう、グーが倒れた時に、ショコは必死に引きずって、近くの喫茶店まで運んでいたのだ。
「大丈夫です。私全部払いますから。好きなだけ食べてくださいね。」
「まじで!?ありがとうなー♪」
グーは上機嫌で、あれこれと色んな食べ物を注文した。
そして…いつの間にか帰る時間になった。
「グーさんはお先に帰ってていいですよー。私はまだ此処に居るんで。」
「あ…本当にアリガトネー。今度できればオレがおごるからー!」
そういいながらグーは外へ走って行った。
しばらく走っていきなりピタリと止まった。そして自分の財布を逆さまにし、振る。
1ポケも落ちてくる気配はない。
「おごれねぇな…こりゃ…。」
グーは深い溜息をついた。
そのころ、ショコラは、すぐに会計に行き、グーに言った言葉とは全く違う行動をとった。
「お会計、157000ポケです!」
店員のマリルリはにっこりと怪しい笑いを浮かべ、グーがどれだけ食べたかわかる高額な値段を口にした。
しかし、ショコラはにっこりと微笑み、口を開く。
「わかりました。じゃあカードでお願いします。」
喫茶店を出て、ショコラは溜息をつく。
「あのグーって人…もう会えないのかなぁ…」
次の朝、ショコラは仕事のため、ある場所へと歩いて行った。
「あ!ショコ!ショコは今日からまた仕事だね!よろしくー♪」
今日の仕事メンバーを確認しながら、ラグラージがショコラにそう言った。
「はい。よろしく!ラージュ!」
ショコラはラージュににっこりと微笑んだ。
そう、ショコラの本業は、りるぅらずの救助隊隊員。
結成したすぐに仲間になったというので、リーダーや副リーダーと結構仲がよい
「けどゴメンねーショコラー。今日は救助じゃないのさー。」
一匹のバクフーンがショコラに向かってそう言う。
「え、フレイ…そうなのー?」
「うん。ショコは知らないかなー?アサシンズ"っていう僕らと結構仲がよい救助隊が居るんだよねー。」
「そのアサシンズから、ちょっとメンバーの調子見て欲しいって来たの。ショコも来てね。」
フレイが言うと、ラージュが続けた。
「はいーわかったよー。」
しばらくして、ラージュ、フレイ、ショコラはアサシンズの救助基地へ向かって行った。
「よ!ラージュ!。」
バクフーンが手を振ってきた。
「こんちゃー」
「フウさん元気だったぁー?」
ラージュとそれに続きフレイは、フウと言うバクフーンに軽く挨拶をした。
「おぅ、元気だったぜ。持て余すぐらいになっ」
「相変わらずだねぇーあ、そうそう、たぶん初めて見ると思うんだけど、この子りるぅらずのショコラちゃん」
ラージュはショコラの肩を掴んでフウに紹介した。
「ほー、よろしくなー。」
「はい!此方こそよろしくおねがいします!」
「で、フウさん、調子を見て欲しいんだよね?」
「おぅ。そうだな。皆こーい!」
フウのその言葉を聞いて、どんどん友達エリアの方からポケモン達が集まって来た。
「こいつらが二軍。こいつらが三軍。………」
「わー、皆いきいきしてるねぇー」
ラージュは笑顔で皆を見る。
「だろ?まぁちょっと今は二軍のリーダーが風邪で寝込んでるんだがな。まぁいつも依頼こないし居なくても平気だと思うけどなぁ。」
「あら…お気の毒。」
「へー、その人の名前は?」
「グーってんだけど知ってるか?」
「えっ!グーさんってアサシンズさんのメンバーなんですか!?」
ショコラは驚きを隠せないみたいだった。
「あぁ、グーのこと知ってんのか?」
「はい、昨日初めてあったんですけど…大丈夫かな…」
あまりにもショコラが慌てていたのを見て、フウとラージュは顔を見合わせてニタっと笑う。
「わかった、じゃあお見舞い行っておいでー♪」
「ほい、これグーの家の住所ー♪」
ラージュとフレイは勝手に話を進める。
「あ、ありがとうございます!…それじゃあ行って来ます!」
ショコラが高速で走っていくのを見て、ラージュとフウは口をそろえてこう言った。
「青春だねぇー」
「何か持って行かないと失礼…だよね?」
ショコラはそういいながらお店に入って行った。
昨日、初めてあったときの事を思い出し、リンゴを11個買って行った。
「えっと…此処らへんのはずなんだけど…」
フウがくれた、住所の紙を見ながら進んでいるのだが、なかなか見つけれない。
「あ…もしかして…」
ショコラは、すぐ近くにあった、小さな通路を進んで行った。
すると、本当に普通な家が建っていた。
「此処…なのかな?」
ショコラは勇気をだして、ベルを鳴らした。
「はーい」
そういって、ジグザグマがドアを開けた。
「…えっと、どちらさまですかー!」
「私はショコラって言います…えっと…グーさん居ますか?」
すると、奥からまたジグザグマが沢山出てきた。
「グー兄ちゃんは食料調達に行ってるよ!」
「おなか減ったよー!」
「我慢しなくちゃ駄目なんだぞ!」
「ひっくひっく…」
色んな声が同時に来るので、ショコラは頭がくらくらした。
「あ…えっと…よかったらこのリンゴ食べますか?」
ショコラはそういい、リンゴをジグザグマ達に渡した。
「わぁ!ありがとう!」
「いいのいいの…皆で仲良く分けてね…?」
そういい、ショコラは帰って行った。
グーの家では
「わーい!皆一個ずつ配るよー。」
「あれ?僕ら12人兄弟だけど…11個しかないよー」
「ただいまー」
グーに良く似た、マッスグマが帰って来た。
「あ!兄ちゃん!」
「どうしたんだ?そのリンゴ!」
「ショコラさんっていう人がくれたのー。」
「お兄ちゃん合わせて11人なのー」
「じゃあ皆で食べよー!」
「グー兄ちゃんのは?」
「いいよいいよ、兄ちゃんが貧乏なのが悪いんだもん!」
―数分後
「ただい…まぁ…」
グーはふらふらと倒れそうになりながら帰って来た。
「お帰りーグー兄ちゃん!」
「あのね、ショコラさんって人がね!リンゴくれたの!」
「え!?ショコラさんが!?えっオレの分もあるの!?」
「ないよー。」
「11個しかなかったから、僕らだけで食べちゃった!」
「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」グーの魂が抜けていった。
一方ショコラはひたすら考え込んでいた。
「あれ?確かグーさんって双子の弟が居たような…その人がマッスグマだったはずだから…さっき居たジグザグマの子達が10人で…あ…一個足りなかった…ね……どうしよ…う。」
次の朝
「あぁぁぁぁぁー…腹減った」
「僕ら昨日食べたからおなか減ってないー!」
「わーい!」
「お前らなんで兄ちゃんに残してくれねぇんだよ!」
「そーゆー役だからー」
「ヘタレだからー」
「グハッ…」
弟や妹達の言葉は、少しずつグーの心に突き刺さっていた。
ピンポーン
「はっ!はーい!」
グーは玄関のドアを開けた。
そこにはショコラが居た。
「あの…昨日多分足りなかったと思うので…今日12個持ってきましたっ…。」
「え!ありがとう!わざわざいいのに!」
グーは突然のことで、頭が混乱しているようだ。
そして、「もし今度ショコラに会ったら」と考えていたコトを実行することにした。
「なぁ、ちょっと来てくれないかな」
「どうしたんですか?」
歩きがピタりと止まったと思ったら、グーはいきなり振り返った。
「ずっと言いたかったことがあるんだけどさ…」
「は…い?」
初めて見たときから、ずっと好きでした"
ショコラは一瞬驚いた顔つきだったが、やがてにっこりと笑ってこう答えた
"これからは、ショコラって呼んでください"
言葉には出てないが、了解という言葉が入っているということは、グーにもわかった。
「…!ありがとう…オレのことはグーって呼んでな!」
そして、この二人は、今でもラブラブである。
「何か私達イイコトしたねー」
「なぁー」
ラージュとフウはこの二匹を見ながらそう言った。
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