恋する白い羽
礫握 ゆっかさんに感想を送る
バタフリーが少年に恋するお話です。
詩っぽいです。
起承転結無視してます。。。
春は花の蜜がすき。
いっせいに歌いだす花びらたち。
春風は青空がすき。
はばたかせるこの羽を春に溶かしてしまいたい。
そして私はあなたがすき。
今日もこの場所にやってきた。
あなたに逢える場所。
色とりどりの花が咲き乱れる丘。
あなたがカメラにおさめる風景を携える場所。
そして私が住む場所。
朝日が私を覚ましてくれたとき、太陽に向かって感謝の舞をする。
そして自分の大きな足で軽く跳ね、この白い羽をはばたかせて飛び立つ。
ひとりで眠るアザミみたいな花の寝床から。
ひまわりが照りつける春の丘へ。
君のもとへ。
着いた丘は今日も晴天。
そして朝日はまだ東の空を低く飛んでいるというのに、彼は居る。
黒い瞳の中に、光を吸収させて銀色に輝かせてる男の子。
カメラを構え、静かに1輪のチューリップを見つめてる。
私の気配に気がついて、振り向いて、微笑む。
その笑顔がすき。
そしてまたカメラを構えなおす。
カシャ。
その音は私の羽ばたく音よりはるかに綺麗だと思うの。
私は静かにあなたの周りと飛び回るだけ。
見つめつづけるその花に、やきもちをやいてしまうけど。
私が風を起こして花を散らせば・・・・・・
だけど君が悲しむ。だからしない。
身勝手を羽に纏わせたいけれど。
あなたが望むこと、それがあなたの笑顔を作ってくれるなら。
我慢できる。
この羽に恋を纏わせて、どうかあなたのフィルターにおさまりたい。
あなたのレンズ越しの瞳に輝きを、私が輝きになれたらいい。
けどしない。
この身体は大きすぎるから。
あなたが見つめる花たちが私の身体で隠れてしまう。
だから静かにあなたの周りを飛び回るだけ。
いつも飛んでる蝶の春。
春の終わりが近づいたある日。
銀色の風。
そんな技をふと思いだした。
私の中の遺伝子が、いつか覚える運命を知らせるかのように。
新緑の風――それは君との別れを示す風――が吹くさわやかな月の夜。
羽を広げた。
静かに深呼吸すると、羽にきらきらした粉が生まれる。
まるで風を砕くようなはためきが出来た。
これが私の銀色の風。
覚えたての技は成長の証。
早く君にも見せてあげたい。
そして伝えよう。
君と出会えた時からこんな風な世界に変わったのだと。
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