アルティの手紙

千里さんに感想を送る

 家に帰ってきたら、凄いことになっていた。

 家中にばら撒かれた木の葉。
 まさか、風で入って来たわけではないだろう。

 これは故意に集められたものだ。

 自分の見解にうんうんと一人で頷き、その家の主人ダイゴは家に上がる。
 犯人はわかっている。

「ただいまー」
「プ、プラー!!」

 木の葉に埋もれながら走って来る、小さなプラスル♀。

 おそらく、犯人…

「アルティ。君がやったのかい?」
「プラ!」

 小さな犯人は顔を輝かせて頷く。

 はあ。
 明日は大掃除かな。
 ハルカちゃんにも手伝ってもらおう。

 そう思ったら、心が軽くなった。





 なんか人が通れるように片付けた後、アルティはとりわけ大きな葉っぱを持ってきた。

 そして眉間にしわを寄せ、何か念じると、火花を散らせた。
 散った火花はきれいな赤。
 葉っぱに焦げ目をつけていく。

 危なかったので止めようと思ったが、彼女があまりにも真剣なのでやめた。
 変わりに、メタングにバケツを用意させた。


 小一時間たった。

 アルティは満足そうに、そして大事そうに葉っぱを抱え、居間から出て行った。

 …あの子、何も食べずに行っちゃったな…。

 ダイゴはポケモンフーズを持って居間を出て行った。





 次の日―

 いつもと違うバンダナ、というか三角巾をしてきた少女が、ダイゴの家の前で、二度目のインターフォンを鳴らす。

 少女の名はハルカ。今日の大掃除の助っ人としてやって来た。

 その胸に抱かれるはマイナン♂。ハルカの一番のパートナーだ。

「ダイゴさん、まだかなー」
「マー」

 少し眠そうにマイナンが答えた。

  ガチャ

「プラー」
「おはよう、ハルカちゃん。さあ入って」

 一人と一匹が出迎えてくれた。


「あー…
 凄いことになっちゃいましたね」

 昨日、電話で聞いていたとおりだった。
 応急処置はしてあるものの、細かな草や小さな葉っぱが取られずに残っていた。

 うーん。掃除のし甲斐はありそうだね。

「あはは…」
「アルティがやったんですか?」
「そうだね、アルティ」

 一拍おいて

「プラ」

 恥ずかしげに答える。

 でも目線はハルカのマイナンだったりして。

 2匹の主人たちは、しょうがないなと目で言い合い、大掃除を開始した。




「プ、プラ…!」

 掃除が終わり、みんなが一息ついた。そんな時、

「マァ?」

 アルティはマイナンに、あのとりわけ大きな葉っぱを差し出した。

「マーイ」

 マイナンは、静かに受け取った。
 緊張して目をつむっていたアルティは、そっと片目だけ開け、葉っぱを受け取ってくれたことを知るや否や…卒倒した。

「プ、プーラー」/////
「マイ!?」





 後日談―

「でも、ロマンチストですねー。アルティちゃんは」
「葉っぱのラブレターとは驚いたなぁ。自分で考えたのかな?」
「いーなー、うらやましいなー」

「…ハルカちゃん?」

―終わり―

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