哲学
うりさんに感想を送る
「例えばさ、ボクは青いグミが好きだけど、
青いグミのために命をかけて戦おうなんて思わないし、
青いグミのために苦労して何かをしてあげようとも思わない。
つまり、そういうことだよ」
ヌマクローのシャンプーは、それだけ言うと満足気な顔をした。
ゴーリキーのジョブはというと、ぽかんとしながら、
パフェの上に乗っていたポッキーをくわえたままだった。
オープンカフェはいつもどおり静かに賑わいでいる。
ギャルソンがコーヒーのおかわりはどうかと尋ねてきた。
よろしく、とジョブは短く答えて、
それからオレンジジュースもね、とシャンプーが追加する。
ギャルソンが会釈して奥へ消えてから、
お向かいでおいしそうにいちごパフェを頬張る相方を、
ジョブはとりあえずポッキーを飲み込んでから問いただす。
「・・・どういうことだよ」
「話聞いてなかったの!」
「聞いてたよ」
シャンプーは、スプーンについた生クリームを綺麗にに舐めとった。
そして、仕切りなおし、という風に椅子に座りなおした。
マネネの装飾のついたお子様椅子である。
「好きと愛してるの違いについてだよ」
「前置きくらいしてくれ」
「わかってよ」
「そんなに回りくどいキャラだと思わなかった!」
「今日は哲学者さ」
シャンプーがにまりと笑った。
チョコついてる、とジョブが指摘すると、
するりとシャンプーの舌が伸びて口元のチョコをぬぐった。
「つまりね。「愛してる」っていうのは、それに命を賭けられるかってこと」
「ほう」
「で、「好き」っていうのは、ただ単に好きってことさ」
「・・・ほう」
「ボクね」
ギャルソンがコーヒーを持ってきたので、一旦中断した。
オレンジジュースをシャンプーの前に置き、また会釈して去っていった。
「ジョーのこと好きだよ」
ジョブは少し考えてから、
「俺には命を賭けてくれないんだな」
「賭けるもなにも、ジョーは自分で自分を守ってるじゃん」
「はは」
「信用してるんだよ」
「そりゃどうも」
温かいコーヒーを口に運んで、
目の前でにこにこしながらオレンジジュースを飲んでいる、
この素直でどうしようもないヌマクローを黙って見ていた。
「俺もだよ」
無意識に出た言葉に、自分もシャンプーも吃驚だった。
シャンプーは少し目を大きくして、そしてにいっと笑った。
「へへっ!照れるじゃん」
「はは」
"好き"ってさ、そんなんでいいと思うんだ。
"愛してる"まで行かなくても、友情でとどめて、
それを追求していくっていうのもアリだと思うんだ。
同性のときはなおさら、ね
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