狼と少女の旅路

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足の裏に伝わる地面の感触。観客の歓声で空気が震えてるようだ。
俺の後ろであいつが緊張してるのがわかる。
目の前の対戦相手、ライボルトを睨みつけて神経を研ぎ澄ます。
    
    『決勝戦。グラエナVSライボルト始め!!』
 
そして俺は駆け出した。 



      狼と少女の旅路



先ほどの大会で優勝をはたした俺は傷ついた体を癒す為に
ポケモンセンターに来ていた。大会後でセンター内は人で
埋め尽くされ、俺達は順番が回ってくるまで待ってるのだが

「いっやー!グラちゃん。優勝だぜ、優勝!これもグラちゃん
 と私のチームワークのなせる技だよねー。」
(こいつは少しでも静かにしてられないのか・・・。)

満足げに頷いてるこいつはさっきからグラちゃんグラちゃんと
恥ずかしい名前で呼んでくるが、俺は断じてこんな脳みそあたたかい
名前じゃない。ちゃんとグラッドと言う名前がある。
ちくしょう、嫌がらせかよ。

「でも、グラちゃんってば結構頑張ってたよね。ライボルト戦なんか  最後ヒヤッとしたけどなんなく切り抜けちゃったし」
「グルルル・・・・」

当たり前だと抗議しようとしたら
ひょい、とこちらに顔を向けてにへらと顔を崩して笑うから、
つい口をつぐんでしまった。

「私、グラッドと出会えてよかったよ。まぁ、これからも
 迷惑かけっぱなしだと思うけどさ。よろしくね」

なんか恥ずかしくて顔を背けてしまった。あいつはニヤニヤしながら
俺の顔を覗き込もうとするけど、ちょうど俺達の番になって
俺はいそいそとモンスターボールに戻った。ま、俺もあいつと
出会うまで生まれ育った森以外を知らなくて世界がこんなに
面白いもんだとは思わなかったし、しゃくだけど仕方ない。これからも面倒みてやるか。
ポケモンセンターから出ると知らないトレーナーが話しかけてきた。

「・・・あの、すいません。さっき優勝してた人ですよね?」
「ん?うん、そうだよ。何かな?」
「僕とバトルしてください!」

俺とあいつは顔を見合わせてニヤリと笑う。考えてる事は同じ。
やっぱそうこなくっちゃな。

「よーーっし!!かかってきなさい!」
「グルル!」




今日も天気は快晴で俺達は旅をしている。
ずっと終わらない旅を続けている。

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