貴女は何故闘うのでしょう

freedomさんに感想を送る

貴女は何故そんなに強いのでしょう
その真っ直ぐな瞳は揺らぐ事無く…曇る事無く…前を見つめていました
深い傷を負ってまで……
貴女は何故闘うのでしょう――

――貴女は何故闘うのでしょう――


その昔、人間達が心に邪悪を宿り、同じ生命(いのち)であるポケモン達を、自らの私利私欲の為に迫害し、利用した時期があった――。
その被害は、比較的人間に近い場所で生きるポケモンから、険しき山・深き海・高き空に生きるポケモン、そして、その強大な力ゆえに、既に伝説の域に生きるポケモン達にまで及んだ。
ポケモン達の間で語り継がれる、“暗黒時代”の話である。

そしてこの話は、人間を信じる事を失くした蒼きポケモンと、自らの宿命を貫いた白きポケモンの物語である。


永久氷壁……そう言うに相応しい氷の山に、一匹の伝説のポケモンが住んでいた。
蒼い羽根にその身を包み、同じ色の翼を持ち、澄んだ紅い瞳を持つそのポケモンは、氷を司る者、フリーザー。
その日は、雷を司る者サンダー、炎を司る者ファイヤー、深海の守護神ルギアがやってきていた。
その時かわした会話が、まだ耳元に焼き付いている。

サンダー『今…人間界は我々にとって住み良い世界ではない』
ファイヤー『人間達は、ポケモン達との絆を忘れつつある』
ルギア『別次元には、ポケモンだけが住まう世界が在ると言う……。この世界に見切りをつけ、その世界に行かぬか?』

フリーザー(以下F)「……そうすべきか…」
フリーザーはそう呟いた。
最近は、自らの悪事にポケモン達を酷使する人間達だけでなく、密猟者も増えている。
伝説のポケモンが一瞬でもその姿を見せれば、すぐさま襲い掛かってくるだろう。
フリーザーもまた、人間達に見切りを付けかけていた。
しかし、今まで住んでいた場所への愛着は捨てきれない。
F「……見納めといくか…」

幸い、その夜は新月だった。
闇が心無い人間達からフリーザーを隠してくれる。
夜闇にまぎれ、外界を見下ろす。
空から見下ろすその世界は……例えようも無く美しかった。
その時だった。
F「む……!?下がやけに騒がしいな……」
下から人間達の喧騒と、銃声が聞こえた。

戻る