どうして戦うのか

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どうして戦うのか。
どうして頑張るのか。
それは、研究所でモンスターボールを受け取ったときから考えていたことだった。

昔、僕はお姉ちゃんを殺された。
目の前にいる男に、殺された。
その男を倒し、男が統べる組織を潰すことは、お姉ちゃんの敵討ちだと信じて、今まで戦ってきた。
でも、ライバルであり幼馴染であるあいつに言われた。


どうして戦うんだ、と。


そう言われたら、なんだか考え込んでしまった。
どうして僕は戦うんだろう?
ポケモンたちを巻き込んでまで。傷付けてまで。辛い思いをさせてまで。
どうしてそこまでして、敵を討ちたいんだろう。
そうじゃなくて、何か僕は、別の目的で動いていたんじゃないか。
自分でも知らないうちに、何かに。

男と対峙したまま黙っていると、ズボン越しに足に何かが触れた。
視線を落とすと、足元に待機した僕の相棒が、自慢の尻尾で僕の足を叩いていた。
その目が、訴えてくる。
しっかりしろ、と。
同時にボールが動く。カタカタと、動く。
今まで仲間として戦ってきた、ポケモンたちが、訴える。
一緒に戦おう、と。

―――ああ、何で気が付かなかったんだろう。
理由なんか、最初から分かっていたんじゃないか。
この男の組織は、関係のない人たちを巻き込んでいて。
僕はそれに、憤りを感じていて。
だからただ、この組織から皆を守りたいと思ったんだ。
世界を守りたいと、思ったんだ。

僕は帽子を被りなおした。
そうやって、目頭が熱くなるのを悟られないようにした。
そして足元のピカチュウに、目で合図を送った。

OK.戦おう。

ピカチュウが頷く。
僕は目の前の敵に。ロケット団の首領・サカキに。

「ポケモントレーナーとして、お前を倒す!!」

宣戦布告をした。




ただ守りたいもののために。
失いたくないもののために。
未来へ今を、繋ぐために。

僕は、命の限り戦おう。

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