夢と現実(後編)

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ジラーチは森の中にはいっていった。
森の中は複雑の上、思ったよりも暗かった。そして寒い。
それでも彼女を見つけだそうと、ジラーチは奥へと進んでいく。
ジラーチは歩く。聞こえるのは彼の足音と森の音だけ。後ろを見ても前を見ても景色は同じ。
それでも彼は戻らず歩いて先に進む。
時間が経つにつれ、ジラーチの歩くスピードがあがっていく。
心の中が少し痛い。今、彼女がそばにいないから、それだけで・・・。
ジラーチは同じ景色を見ながら先に進む。それでも景色は変わらない。


本当にこの道であっているのか?


そんな不安をかかえながらジラーチの足は動く。
そしたら急に辺りが明るくなってきた。
上を見上げるとポッカリとそこだけ穴が空いているみたいになっている。
そして先に進むと広いところにでた。その真ん中に何かがいた。

ジーラだ。

ジーラは顔を明るくしてジーラのところにいった。
「ジーラ。」
ジラーチが言うと、ジーラは顔をあげてジラーチの顔を見る。
「・・・どうしてここに?」
震えながら聞くジーラにジラーチは
「探しにきたんだよ。」
そう言うとジーラは急に泣き出して、ジラーチの身体に抱きついてきて


「怖かった・・・。」


と、小さな声で言う。
それを聞いたジラーチは「もう大丈夫だよ。」と言って、手をすっと伸ばし、ジーラの身体にあてる。
ジラーチは彼女が泣きやむまで、この状態でいた。
ジーラが泣きやむと、ジラーチはすっと手を離して
「食べて。お腹空いてるでしょ。」
と言って、家から持ってきた食料を差し出す。
「・・・ありがと。」
と、少し泣きながら食料を手にして、口の中にいれる。
ジーラが食べている間、ジラーチは聞いた。
「ねぇ、どうしてこんなところにきたの?」
そしたらジーラは口の中の物を飲み込んで
「・・・実はね、ここにきれいな緑色をした玉の実がなっているって聞いたから探してジラーチにあげようと・・・。」
そこでジラーチはやっと謎がとけた。どうしてあの時こう言ったのか。
そう、食料を取りに行く。というのは、その玉の実もついでにとりにいこうと思って僕にそう言ったのか。
そう思っていたらジーラが
「ごめんね。貴方にまで苦労させて・・・。」
「いいんだよ。君が無事で。僕は君の命と心が無事ならそれでいいんだ。」
そしたらジーラはニコッと笑顔を見せて
「ありがと。私のことをそんなに大切って思ってくれて。」
そう言って、二匹は笑った。その笑いは森の中で消えていき、静かになる。

ガサガサッ

どこかで草が揺れる音がした。風のせい?
ジラーチは振り向いて攻撃態勢にはいり、ジーラはジラーチの後ろに隠れてジラーチの身体を掴む。

ガサガサッ

音が大きくなった。風のせいじゃない。そう思った時、その草むらから何かが飛び出してきた。グラエナだ。
グラエナはジラーチを威嚇する。でもジラーチは一歩もひかなかった。
ジラーチの目つきは変わって、相手を睨む。
そしたらグラエナはジラーチの方へと飛びかかり、ジラーチの腕を噛みつく。
「ぐっ・・・。」
ジラーチは噛まれた腕をもう片方の手で傷口をおさえる。
それでもグラエナはジラーチの身体に噛みついていく。
ジーラはジラーチのそばから離れ、見守る。
「ぐぐっ・・・。」
ジラーチはヨロヨロになっているが倒れない。
彼の目は一点しか見ていない。そう、グラエナだけしか見ていない。
グラエナはまたジラーチに飛びかかって噛みつこうとした。その時ジラーチが
「うわぁぁぁ〜!!」
大声で叫び、凄まじい光を放ち、グラエナに当てる。
グラエナはそのまま大きな木の方へと飛ばされて当たり、倒れる。そして、この場から逃げていった。
いつも大きい者が勝つとは限らない。小さな者だって勝つときは勝つんだ。
そんな言葉はここで起きた。小さな者が大きい者に勝つ。たしかに起きた。
ジーラはすぐさま倒れているジラーチのもとに行って
「ジラーチ。」
と言った。でも返事はない。
「ジラーチ。」
少し大きな声で言った。少し身体が動いた。生きている。
「ジラーチ。」
さっきよりも大きな声でまた言った。そしたら
「・・・ジーラ。」
と、ジラーチが返事をしてくれる。
ジーラは急いでその場から離れて薬草を見つけ、それをちぎってジラーチの傷口に塗る。
「っ!」
ジラーチは痛がっているがジーラは「我慢して。」と言いながら塗り続ける。
冷たい風がジラーチの傷口にあたり、彼はまた痛がる。でも、彼は我慢した。
そして、
「はい、終わり。」
と、ジーラが薬草を捨てて言う。ジラーチは口を開いてジーラに
「・・・ありがとう。」
と言って、立ち上がろうとしたら
「だめよ。まだ傷口が開いてしまうから。」
と、ジーラが言う。ジラーチはジーラの言うことを聞いて、その場に倒れ込む。
こうした時間がずっと続き、ジラーチの傷はしだいに治っていった。
「・・・日が暮れてきたなぁ〜。」
ジラーチが言う。
「そうだね・・・。」
とジーラ。
「よっと。」
ジラーチは起きあがって、ジーラに
「帰ろう。」
と、言ったがジーラは
「どうやって?この森は複雑よ。」
と、言う。そしたらジラーチはこんなことを言い出した。

「風が吹いている道を歩こう。」

でも、ジーラは「風が吹いている道?そんなの分かるの?」と聞くが、ジラーチは
「うん。だから僕についてきて。」
「・・・分かった。」
ジーラはジラーチの手をぎゅっと握りしめて、「まかせたよ。」と言うと
「絶対にこの森からでてみせる。」
と言って、歩き始めた。
まず、彼らにあたえられた道は3つ、そして当たりは1つ。
そしたらジラーチは目を閉じて身体を休める。

ヒュゥゥゥ〜・・・。

「こっちだ。」
そう言うとまっすぐジラーチは走っていく。そしてまた道が・・・。
今度は4つ、5つ・・・。と枝別れしていく。
それでもジラーチはあわてずゆっくりと風を感じて道を決めていった。
そしてついに・・・森から出た。
外は暗くて寒い。ジラーチのそばにはちゃんとジーラがいる。
「やった・・・。」
ジラーチはそう言って、近くの岩の上に座り込む。
そのとなりにジーラが座る。ジーラはジラーチの顔を見て
「よく分かったね。どうして?」
「森の外で、風が吹いていたから。それが森の中へと入っていって、僕たちを案内してくれたんだ。」
と言っていると
「たのもしいね。ジラーチって。」
そう言うと、ジーラはジラーチのほほに「ありがとう。」と言って



キスをした。



目を閉じて優しく。
ジラーチとジーラは顔を赤くしてみつめあった。
二匹はお互いの顔をみつめて、夜空を見る。そして二匹で星を見て、寝た。

・・・まただ。僕はまた夢の世界にいる。
今度はなんだろう・・・。あれ?今度はなんだか柔らかい夢だ・・・。
ジーラと一緒に遊んでいる。楽しく笑いながら遊んでいる。
毎日こんなのだといいなぁ〜・・・。と思えるほどぐらい。

「・・・チ。」
・・・だれかが何か言っている。
「・・・ジラーチ。」
僕を呼んでいる。しかも、聞いたことのある声だ。
ジラーチは目を開ける。彼の目には逆さのジーラの顔が見えた。
「おはよう。ジラーチ。」
「お、おはよう・・・。」
「さっそくだけど、遊ぼうよ。天気もいいし、暖かいし。」
言われてみればそうだ。太陽がでていて、暖かい。遊ぶのにしては絶好日だ。
「・・・うん、遊ぼう。」
そう言って、ジラーチは起きあがり、ジーラと一緒に遊ぶ。
本当になった。夢の内容が本当になった。正夢だ。
いやな夢が終わり、楽しい夢に変わり、それが本当になる・・・。なんてうれしいことなんだろう。
あぁ、こんな日がずっと続いてほしい。
そう彼は願った。


夢と現実は、違ったりするかもしれないが、夢の内容が現実の世界で起きるかもしれない。

起きそうにない事を感じれるのを夢といい、
実際の世界で起きるのを現実。
でも夢の中の内容が、実際に起きることもある。これを正夢という。
彼は夢の中での出来事が現実の世界で起きた。
こんなことはめったにない。偶然だ。

夢と現実・・・。違うけどたまに一緒。
今度はどこで起きる?



正夢は・・・。



〜END〜


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