夢雨(ユメサメ)
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ボクはヒトカゲ。まだ小さい。群れの中で一番小さい。
それより、ちょっと悲しいことがあったんだ。
ボクたちヒトカゲはしっぽの炎が消えると死んでしまう。
それで、ボクの友達が死んだ。ボクと同じくらいの。
昨日は雨が降っていたから、ボクは木の下でジッとしてた。
でもその友達は雨が好きだった。雨の音とか冷たさとか。
その友達は今までずっと、雨と遊ぶのをがまんしてきた。
でも昨日、その友達は親が見ていない間に飛び出していってしまった。
5分くらい経ってから親が気づいて、探しにいった。
すぐ近くの野原に倒れていたらしい。しっぽの火は消えていて
体も雨の粒と同じくらい冷たかった。
ボクは運ばれてきた友達が起きないのを泣いた。
でも、その友達の表情は安らかだった。遊べるのがうれしくて
しかたなかったんだろうと思う。
ボクは昨日から降り続いている雨をながめた。
音もなく、地面に水を溜めているその風景はとてもきれいだった。
…ボクは雨が怖い。ずっと一緒に遊んでいたら死んでしまうんだもの。
友達はどうだったんだろう。怖くなかったのかな。
雨の方もボクたちと遊びたかったんだろうか。
どっちにしろ、ヒトカゲが雨と遊ぶなんて事は悲しいことなんだ。
安全には遊べないかもしれないんだ。
せめて夢で……
夢で遊んでいられたら。
そう、夢の雨と……………。
雨はしばらく上がりそうになかった。
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