一人と、一匹。
秋桜さんに感想を送る
風が、
通り抜ける。
冷たい、
冷たい、
風。
『辛いことや悲しいことがあったら、夢だと思えばいい』
彼はそう言った。
私を縛り上げ、不気味な銀色の機械にいれ、嘲笑っていた奴等はどこへいったのだろう。
ああ、憎い。
如何して奴等は自らの事しか頭に無いのだろうか。
ああ、憎い。
如何して奴等は相手の気持ちを分かろうとしないのだろうか。
ああ、憎い。
にくい。
ニクイ。
憎い。
如何して、
こうも、
ニンゲンというモノは。
涙が一筋、
流れて、
落ちた。
『もし危険な事があったら、祈ればいい。
早くこの夢から覚めますように、って』
彼は、
そう言った。
だから、祈った。
「早く、この夢から、覚めますように」
彼は、唐突に現れた。
「ミュウ、・・・助けに来たよ」
ほんとうに、悪夢から覚めたかのようだった。
彼は機械を壊して、私を抱きしめた。
「どんな夢を見たって、僕が起こしてあげるから」
彼は、そう言った。
私が、唯一信じることの出来るニンゲン、それが彼。
私が、唯一頼れることの出来るニンゲン、それが彼。
私が、唯一愛することの出来るニンゲン、それが彼。
私はミュウ。
彼はニンゲン。
どうか、この夢が覚めないように。
一人と一匹で、
お祈りしよう。
風が、
通り抜ける。
温かい、
温かい、
風。
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