―――この夢 叶え―――

茜雪さんに感想を送る



私はいつも一匹

私に近づいてくる者はいない、いても傷をつけてくるだけ

私はこの世に存在している価値もないポケモン

そういつも思っていた。

あの日までは・・・・・・





今日も私は一匹
滝つぼの近くでボーっとしてた
今日も適当に食事をして時が経つ
いや、他のポケモンが襲ってくるかもしれない
まぁいつものことだけど
そんなことを考えていたら目の前に見たことのない物が現れた
なんだろう・・・食べ物みたいだな

・・・食べてみるか・・・

私は本能的に食べてしまった
意外とうまい・・・でも
針のようなものが引っかかってしまった
なんだこれは・・・最近は食べ物にまで嫌がらせをすることにしたのか?
考えていると一瞬にして地上にあげられた

そして私は眠ってしまい・・・






気が付けば人間のポケモンになっていた
なぜ私なんかを捕らえたのかは、まったくわからなかった

普通、人間は『強いポケモン』『珍しいポケモン』『個人的に興味のあるポケモン』を捕まえるらしい・・・
ならなぜ私を捕らえた? 手違いか?
私は醜く、最弱に近いヒンバスと呼ばれるポケモンだ
コイキングとなんら変わりもない
あるといえばこの醜い姿・・・

思い切って尋ねてみた

「どうして価値などない私を捕らえたのですか?」と

よい答えなどでるはずもない、きっと手違いだと思った

人間は答えた

『コンテストにでるためだよ』

・・・コンテスト?
あの華麗なポケモンや逞しいポケモンが争うという?
きっと醜い私を笑いものにするために出すんだな
ああ、この人間も滝つぼのポケモンと変わらないのだろうな

「冗談ですよね?」

聞きなおしてみた
答えは目に見えてる、もし本気でも私を笑いものにする気にきまってる

『本気だよ、一緒に美しさコンテストにでるからね』

・・・なにがいいたいんだ
遠まわしに言わずに、普通に言えばいいでしょ
こんな体のどこが美しい?ただの醜い魚じゃないの
誰も私なんかを美しいなんて思うはずもない

『君は自分が価値のないポケモンって思ってるの?』
「そうですよ、醜くて、弱弱しいポケモンですから」
『醜いとか、弱弱しいとか・・・そういうポケモンはいないよ、』
「・・・え?」
『どんなポケモンも、最初はみんな弱いんだよ?醜いのもあるかもしれない、けれどそれも個性だからね』

・・・個性ねぇ、自分が醜いのも個性っていわれてもさ
その個性がだめなんだよ、弱弱しくて醜くて
長所がない、短所だけのポケモンなんて価値ないよ
滝つぼのやつらも言ってた「お前はいる価値ないんだよ」って

「なぜ私が、いちいち捕らえてコンテストに出させる価値のあるポケモンって言うんですか?どうせ私は」
『あ、このお話知ってる?』

なぜか私の目の前に絵本というものを置いて話し出した
人の話の最中で止めるような話なのか・・・これ?

その絵本に書かれていた話とは、
とても醜い鳥がいて
私のように貶されていた
けれど、最後はとても美しい鳥となり空を飛んだ

『君もこの鳥のように、美しいポケモンになる!だからこれ食べて、コンテストにいこっ!』

人間は微笑んで私にポフィンというお菓子を持たせて言った。
・・・これは作り話なのだろう?
私がこの鳥のように美しくなれるはずがない

それなのに
私は、そのお菓子を食べた
今までに食べたことのないくらい、美味しくて、いつものより心が温かい
そんな気がした





―――そして私は夢を見た

見たことのない綺麗な場所で

私は見たことないぐらい華麗なポケモンで

綺麗な青のリボンをつけてもらってた

これは夢、夢なんだ・・・

けれど









私は初めて願った
心の底から願った

―――どうかこの夢が正夢になりますように―――   END

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