ゆめたび。
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夢旅。
僕は、旅をする。
この世には、将来現実させたいという願いの、"夢"。
眠る時に見るという、"夢"。
それともう一つ――僕がみる、"ゆめ"、がある。
――僕は、"夢"のなかで旅をする。
旅をしていた。
小さな小さな旅。
世界は真っ暗で、黒く、どこまでも光がなくて。
歩いても終わらない道。続く、続け、進め。
小さいのだけれど、とても綺麗なミュウ。世界と同じく、真っ黒で。
鎖で繋がれている。動けないみたいだ。
――これは誰の"夢"?
――これは僕の"ゆめ"。
そうしたら、――目覚めたんだ。
白い世界。眩しい、ヒカリ。
焦点の合わない目で座っていると、冷たい空気が部屋の中へ舞い込んできた。
「さ、さぶっ……」
目覚めた。
僕はイーブイ。119番道路の森に住んでいる。まだまだ子供で育ち盛りだ。
なんでこんな所で寝てたんだったっけな。覚えてないや。
それより、今日は、誰の"夢"だったのかな。なにの、"ゆめ"……だったのかな。
暗い世界を歩いていた気がする。
夢とは、いつもそんなものだ。起きたら、少しずつ忘れてしまう。
だけど、僕の"ゆめ"は違う。
助けてあげたいけど、助けてあげられない、夢。
「どうしたの、汗びっしょりよ」
イーブイの、お母さんの声。お母さんは、玄関の戸をあけていた。
冷たい風が、少しずつ流れ込んでくる。
「ううん……なんでもない」
これは、嘘。
――だって、ヒトの"夢"を旅できるなんて、言えないじゃないか。
僕は、生まれつき不思議な力があった。
普通のイーブイなのに。
眠ると、ヒトが見ている"夢"を旅できるのだ。旅をする夢の内容は、毎日変わっている。毎日、違う"夢"。
毎日、主人公が変わるように。毎日、僕が旅する"夢"を見ている人が変わっているから。
どんな夢を見ても。どんな悪夢を見ても。"夢"の主を助ける事は出来ない。名も知らない、ヒトだから。
だから、僕は"夢"が見れない。ヒトの"夢"を旅する"ゆめ"を見るだけだ。
夢ってどんなのだろう。
楽しいのかな、悲しいのかな。
ヒトが見ている"夢"しか見れない僕は、自分の夢がないから。自分の将来の"夢"がないから。
小さな光り。今度は白い世界。
また、夜になって、眠って、僕は"ゆめ"を旅する。
真っ白で、暖かくて、こそばくて。
光り、響き、惹かれあう、輝き。
誰かが誰かと笑っている。昨日みた夢とは違う、誰か。誰だろう。
公園で、遊んでいて。ハリボテのような世界。まるく、ちっちゃな世界。
楽しそうに笑っている。おっきなヒトと、ちっちゃなポケモン。
ポケモントレーナーかな。わからないや、僕には。
――そして、僕は目覚めた。
いつも半端なところで終わる。
僕には"夢"がないから。
将来の、"夢"がないから。
だから僕は、たくさんのヒトの"夢"を旅して、"ゆめ"を作る。
たくさんのヒトの"夢"を見て、僕の将来の"夢"を見つける。
僕に、将来の"夢"、見つけさせて下さい。
次は、貴方の"夢"で旅をして、将来の"夢"を見つけれますように。
この世には、みっつの"夢"がある。
一つは、将来現実にさせたいという、夢。
一つは、ヒトが眠った時に見るという夢。
さいごの一つ。僕がみる、誰かが眠った時に見る"夢"のなかを旅することができる、"ゆめ"。
"将来の夢を見つけるため"に、かみさまが授けてくださった、夢を旅できる"ゆめ"の力。
ちいさなねがいを、ひとつだけ かなえてください。
おつぎは"夢"で、あいましょう。
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