いつか飛ぶ夢
深澤 仰さんに感想を送る
マスター
役立たずな私を、お許しください
いつか飛ぶ夢
私は、弱いです。
戦闘では、いつも負けてしまいます。
私が戦闘で負けてしまうと、マスターはため息をつかれます、
それを見るたびに、私の心は
ちくん、ちくんと傷むのです。
私は、もっと強くなりたい・・・
最近、キャタピーを捕まえた。
何事にも一生懸命で、とてもカワイイ。我がパーティーの癒し的存在だ。
俺的にもとても癒されている。
ちょっと真面目すぎるなところが難点だが、将来が楽しみなコだ。
今日、新しい姿になりました。
ちょっとは強くなったかな?って思ったけど、やっぱり負けてしまいました。
マスターは、一緒に頑張って強くなっていこう、と言ったけれども、この心に沈んだしこりは消えません。
強く、なりたいです。皆に迷惑かけないように、
皆を、マスターを守れるくらいに。負けないくらいに。
強く、強くなりたい・・・・
今日、キャタピーが進化した、トランセル。
幼虫から蛹に、成虫になるのはもうすぐ。もうすぐだから。
がんばれ、がんばれトランセル!
もう駄目です、疲れました。
今日も負けてしまいました、今まで何度負けたことでしょう。
負けて負けて負けて負けて負けて負けて負けて
どうしてこんなにも負けてしまうのでしょうか。
如何して、まだ、体当たりすることしか出来ないのでしょう?
皆のように、ハイドロポンプや、かみなり、かえんほうしゃといった技が、どうして使えないのですか?
如何して、私はこんなにも弱いままなのでしょう?
ゆっくりと、前が歪んで見えなくなって、それでも、あしおとを感じて振り向けば、マスターがいました。
「トランセル・・お前、泣いてるのか?」
・・泣いてる?私は、そうか。
私は泣いていたのですね。
「そんなに、そんなに強くなりたかったのか・・・?」
もちろんじゃないですか・・!私は首を縦に振りました。
勢いで涙がポロリ、とこぼれます。
「そっか・・・・じゃあ。」
マスターは私に手をさし伸ばすと、私がいつも背負っていた何かを取りました。
ソレはマスターからいただいた"強くなるお守り"だったハズ・・・
そして、私は、体が軽くなったことに気が付きました。
よく意識すると、今まで使ったことのない場所が動いている事が分かります。
それはゆっくりと上下するように動きました。
私の真下には、さっきまで私がいた体があります。
背中には大きな亀裂があり、まるで何かが抜け出たようでした。
マスターは私を見て言いました。
「おめでとう。バタフリー。」
バタフリー・・・そう呼ばれて始めて理解しました。
私は、進化したのです。
トランセルからバタフリーに。
蛹から、蝶に。
私は羽ばたきました。
得体の知れない力が自分の中に宿っているのを感じました。
それは、さわらずとも物を動かせるような、そういう力であることを、私は、どこかでわかっていました。
私の目から、先ほどとは違う涙が出てきたのを自覚しました。
やっと、私の夢がかなったのです。
これで、このチカラで彼方をお守りすることが出来ます。
有難うございます。マスター
(ひらひらと、舞うように蝶は踊った。自分の心を表すように、優雅に踊った。)
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