第1話
写真
マサラタウンにある1軒の家。
そこは、かつてレッドとその家族が暮らしていた。
しかし、家には今、1人の少年がいるだけである。
名前はオレンジ。赤い瞳は父親譲りだが、髪の色は橙色。
父親をそっくりそのままうつしたような性格で、この町のやんちゃ坊主である。
だが、その少年は今日、町から居なくなる。
朝日が昇り、窓から光が入ってきた。
その光はどんどんオレンジの顔に近づいていく。
そのうち、真っ暗で見えなかった部屋の全貌が見えてきた。
綺麗に片付いているキッチン、黄色いソファにその前にはちいさなテーブルがある。そして、床にはピカチュウが描かれたじゅうたんがひかれてあり、オレンジは自分の部屋にも戻らずにソファの上で眠っている。
光がオレンジの顔を照らした。
オレンジは、光から逃げるように窓の反対側を向く。しかし、そこには目覚まし時計がおいてあり、オレンジが再び眠りについた10分後に大きな音をたてる。
「……あ゛〜もう、解ったよ!起きればいいんだろ、起きれば。」
オレンジは起きると目覚まし時計のスイッチを押した。
目覚まし時計は止まり、オレンジの家は再び沈黙する。
オレンジは起き上がると、キッチンに向かった。
そして、フライパン、卵、ハム、茶碗を取り出すと、フライパンに油をひいた。火をつけ、ハムを10秒ぐらい焼く。まだ完全に焼けてはいないというのに、オレンジは卵をハムの上にきれいに乗せた。
そして、そのまま白身に色がつくまで焼くと、蓋をする。そして、30秒ぐらいして蓋をどけ、火を止める。
作っているのはハムエッグみたいだが、なんとも適当な作り方である。オレンジはそのハムエッグを皿に置き、茶碗にご飯をついだ。
そしてコップに牛乳を注ぎ、テーブルまで運ぶ。
オレンジはテーブルに料理を置き、ソファに座った。
そして手を合わせる。
「いただきます。」
オレンジは言うが早いが料理を食べ始めた。
3分後、そこにあった料理は全てなくなっていた。
オレンジは食器を片付け、その食器を洗うと乾燥機に置いた。
その後、オレンジは2階にある自分の部屋へ向かった。
そこには、机やタンス以外何もなく、きれいにまとめられた荷物がリュックに詰められている。オレンジは下から持ってきた目覚ましをその中に入れた。
そして、机の上に飾ってある写真に眼を向けた。
そこには、オレンジと共に笑う、父親と母親の姿があった。
オレンジはその写真をとると静かに見つめた。
「父さん……母さん。
今、助けに行くから、待っててくれよ。」
オレンジはリュックの大切なものポケットに写真をしまった。
そして、リュックをからい、外に出ると扉の鍵を閉める。そして、今はマサキという名の研究者が臨時として研究者を束ねているオーキド研究所へと向かった。
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