第5話
           トキワシティ

 オレンジの旅は早いもので、普通の人間なら1時間かかる道のりを30分で歩いた。
 というのも、マサラタウンから野性ポケモンをフシギダネの体当たりで倒し、傷薬などを与えながら進んだからなのだが、その上オレンジの靴がランニングシューズなのだ。それなら常人以上のスピードでも納得できる。

 そして今、オレンジがいるのはトキワシティ。
 今から訪ねるのはこの町のジム。と言ってもグリーンがいないので今は休業中だが、ナナミが留守を守っているのである。

 今日は、そこに泊まるつもりだ。……うるさい女も一緒だが。





 というわけでトキワジム。
 表からは入れないので、裏に回る。

 オレンジは、裏口にあるインターホンを押した。
 数十秒後、ナナミの足音が聞こえる。そして、扉が開いた。

「はい……って、あら?」

 ナナミが扉を開けても、そこには誰も居なかった。
 不思議に思って外に出る。すると、扉はひとりでに閉じた。
 そして、扉の横の壁にはオレンジが叩きつけられていた。おそらく、扉の近くにいすぎたのでナナミが扉を開けたときに押しつぶされたものと思われる。
 ナナミが振り返ると、案の定オレンジはふらふらの状態だった。

「オレンジくん!」

 ナナミはオレンジをジムの中に入れると、普段はグリーンが使っているベッドに寝かせた。そして、氷水を入れた袋で鼻を冷やし、鼻血を止める。

 鼻血も止まり、オレンジの意識が回復した頃には、夕方となっていた。ナナミは夕飯の用意をするためにキッチンで調理をしている。
 そのとき、インターホンがなった。

 ナナミが調理中のため、オレンジが出る。

「はー……い?」

 そこに居たのは、紛れもなくグリーンだった。

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