第6話
四天王
トキワジムの裏口前に立っていたのは紛れもなくグリーンだった。しかし、オレンジはグリーンの突然の登場に違和感を覚える。
(おかしい。グリーンさんは突然消えていったハズ。それにグリーンさんは出かける際は武者修行だろうとなんだろうと置手紙をしていくハズ。
それがなかったんだから、グリーンさんは何者かに連れ去られた筈だ。それが帰ってきたのはうれしいことだけど、少なくとも、その何者かの手から逃れてきたのなら服が少しぐらいボロボロになっていてもいい。それがここまできれいなのだから、もしかしたら……。)
「オレンジ、どうした?」
グリーンが沈黙して考え事をしているオレンジに話しかけた。
オレンジははっとすると、グリーンをまじまじと見つめる。グリーンがその様子をみても無表情なのを見ると、オレンジは唐突に言い放った。
「グリーンさん、久しぶりに会ったんですから、バトルしましょうよ。」
「? 別にかまわないが……。」
オレンジは先ほどグリーンを見つめたことで決定的なことに気がついた。グリーンの瞳、確かそれはアクアと同じ緑色でかなりきれいだったはず。
しかし、今のグリーンの瞳には輝きが感じられなかった。以前のグリーンには感じられたのに。
オレンジはわざとバトルする場所をトキワの森に指定した。
そして、2人は対峙する。
「いけっ!フシギダネ!」
「リザードン!」
オレンジのボールから緑色の生物が出てくるのと同時に、空から紅蓮の竜が舞い降りてきた。そして、2匹はトレーナーと同じように相手と対峙する。
(この森の中では多少なりとも草タイプのフシギダネが有利。
ここでなら……負けない!)
「……オレンジ。お前、わざとここでバトルするように指定したな?」
オレンジの体がビクッ、と震える。そして、思いっきりグリーンを睨みつけた。
グリーンは、その表情から全てを悟るとにやりと笑った。
「ククク、どうやらお前にはばれていたようだな。」
グリーンはそういうと服を剥ぎ取って投げ捨てた。
そして、今までそこにたっていたグリーンは群青色の服に身を包まれ、右肩には青い肩当がり、左肩の部分には赤い色で『L』と書かれていた。
「リザードン!森を焼き尽くせ、火炎放射!」
リザードンは森に火炎放射を放った。しかし、突然横から飛んできた水流により、炎は消される。
「誰だ!」
水が飛んできた場所を見ると、歴代の四天王が勢ぞろいしていた。
凍てつく氷の女、カンナ。
豪の奥義を極めし格闘家、シバ。
陰に潜み、相手の隙を狙う老婆、キクコ。
若き超能力者、イツキ。
初代忍者達人、伊賀忍者の子孫、キョウ。
月下に響く、悪の咆哮、カリン。
そして四天王を束ねる竜使い、ワタルである。
彼らは唯一捕まっておらず、何でも集団で行動しているらしい。
それにしても、気になるのはキクコの年齢であるが……今はそんなことは気にしていられない。
「チッ、邪魔が入ったな。」
グリーンはリザードンを戻し、フーディンのテレポートで消えていった。
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