第8話
            2の島

 ナナシマ、それはカントーに属していながらもカントー本土から離れた場所にある7つの島である。
 移動方法は主に船。また、それぞれの島には育てや、ゲームセンター、遺跡などの施設がある。

 シバの弟子となったオレンジは、そのうちの1つ、ゲームセンターやきわのみさきなどがある2の島に来ていた。
 シバからもらったレインボーパスでこの2の島に来たわけだが、どうにも様子がおかしい。ポケモンセンターは使えるものの、ショップに売ってある品物は値段が少し高いし、ゲームセンターは閉じてしまっている。

 オレンジは、とりあえずポケモンセンターの中に入った。シバとはそこで待ち合わせをしている。

 ポケモンセンターの中には、ジョーイさんのほかにトレーナーなどはいなかった。シバもまだ来ていないようである。
 オレンジは、腰につけたボールを見た。

「フシギダネ。どうする?」

 しかし、そのフシギダネはボールの中で眠っている。どうやら、仮眠を取っているらしいが、バトル中だったら絶望的状況だ。
 オレンジは呆れてボールから目を離すと、身近なイスに座った。そして、しばらくリュックの整理をしたり、図鑑で今までみたり、戦ったりしたポケモンの特徴や得意技などを調べたりした。どうやら、今後の対策らしい。

『リザードン 火炎ポケモン
 リザードの進化系。
 口からは、物凄い火炎を吐き、みるものをおびえさせる。
 また、リザードンが覚える技に、究極技と呼ばれる技がある。』

 今見ているのはリザードンの項目。
 グリーンはかなりの実力者であるが、リザードンは手持ちの中でも一番だ。ならば、せめてリザードンだけでも倒せれば戦力はかなりガタ落ちするはずである。

 オレンジは、次に手持ちのポケモンの強さを調べる画面を見た。
 手持ちは今、フシギダネだけである。そのため、他のポケモンを捕まえるまでフシギダネ1匹で戦い抜かなければいけないのだ。

『フシギダネ Lv8 ♂
 使える技 体当たり 鳴き声 宿木の種
 能力値
 攻撃 13
 防御 15
 特攻 12
 特防 15
 素早さ 13
 HP 27

 特性 深緑
 ピンチに草の威力が上がる。

 タイプ 草 毒

 主 オレンジ

 のんきな性格
 Lv5の時、マサラタウンで出会った。』

 この世界でレベルとはポケモンの強さを表している。つまり、このレベルが高ければ高いほど勝負は有利になってくるのだ。
 しかし、これはあくまで機械が測っている推測なので、実際のところどれくらいのレベルなのかはわからない。

 それはともかく、このままではかなり危険である。
 あの時は四天王がたまたまついたからよかったものの、もしいなかったら倒されていた。一刻も早く、ポケモンを補充しなければなるまい。

 そのとき、ポケモンセンターの扉が開いた。
 シバかと思ったが、入ってきたのは1人のお婆さんだった。
 お婆さんはオレンジの近くに来ると、オレンジの顔をまじまじと見つめる。そして、突然オレンジを指差した。

「お主がオレンジとかいう小僧か?」
「そうですけど……。」

 あまりに大きな声を出すもので、オレンジの耳がひりひりとした。しかし、用件は聞こえていたので一応答える。
 すると、おばあさんは突然オレンジの腕を引っ張り、ポケモンセンターの外へでた。そして、そこで待たせておいたバクフーンに乗ると『きわのみさき』まで向かった。

 きわのみさきには、小屋のような家のような建物が1つあった。
 お婆さんはオレンジを連れてその建物に入る。中には、シバがいた。

「師匠!」

 オレンジの声に、シバがゆっくり振り向いた。
 そして、立ち上がるとゆっくりと歩いてくる。

「婆さん、もうはなしてやれ。」

 すると、お婆さんはオレンジの腕をつかんでいた手を放した。
 お婆さんはそのまま近くのイスに腰掛け、いつの間にかすすいでいたお茶を飲んでいる。シバは、オレンジの前に依然として立っている。

「すまん。婆さんの事だ、きっと説明もなしに連れてきたんだろう。
 ここはあの婆さんの家。そして俺は婆さんの四男だ。」
「え、えええええええええっ!?」

 オレンジは驚愕のあまりしりもちをついた。
 つまり、シバはあのおばあさんの息子なのだ。明らかに歳が離れすぎてやいないだろうか。

 シバはフッと笑うとオレンジに手を差し伸べた。しかし、オレンジは自分で立ち上がる。
 シバは差し伸べていた手を戻した。

「オレンジ。お前は今何匹ポケモンを持っている?」
「1匹。」

 シバは左手の人差し指で顔をぽりぽりとかいた。
 そして少し考えると棚においてあったボールをとり、オレンジと共に外に出た。

「オレンジ。ポケモン1匹だけでも勝てることは勝てる。
 しかし、ポケモンには相性がある。いくらそのフシギダネを強くしたところでグリーンのリザードンなどが襲ってきたら勝てまい。
 だからこそ、最初に行うのはポケモンの捕獲だ。」

 シバは家の後ろに回り、釣竿をとってきた。
 ボロの釣竿、いい釣竿、凄い釣竿と3種類そろっている。

「この中から1つだけ釣竿を選べ。
 まずは炎タイプに対抗できる水タイプが必要だろう。」

 オレンジはどれにするか迷った。
 凄い釣竿はつれるポケモンのレベルが高いため、まず使ったところで意味はないだろう。
 対して、ボロの釣竿はコイキングやメノクラゲなどが釣れるが、こちらはあまりにも弱すぎである。となると、選ぶのは1つ。

 オレンジはいい釣竿を選んだ。

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