第12話
ホウエン地方のジムリーダー
さて、オレンジが今いるのはきわのみさきより少し離れた場所にある海岸。
先ほどシバに「ここに行ってろ。」といわれ、ここに居るのだが、もうかれこれ30分は経つ。
ボールの中にいるフシギソウは眠たそうな顔をしているし、ミニリュウはあくびをかいている。先ほど図鑑で調べたのだが、このミニリュウ、どうやらおっとりな性格らしい。
先ほどから見えるのはサーフィンをしている1人の男のみ。オレンジ色に白い線が所々に入っている服を来ていてアウトドア風のズボンに似ていながらも短いズボンをはいた水色の髪である。
この世界の中で、サーフィンをするなど、誰も思いつくまい。というか思いついたとしてもまずしようとは思わないはずだ。
もう1つ、オレンジはあることを考えていた。
オレンジはポケモンを種族名で呼んでいるが、ニックネームをつけたほうがいいのではないかと思うことがある。それに、両親もポケモンにニックネームをつけているのだし自分がつけたっておかしくない。
ポケモンたちだって、自分の名前が欲しいはずである。
「うーん……。」
オレンジは頭を捻って考え出した。
しかし、なかなかいいニックネームが思いつかない。
のんきなフシギソウ。
おっとりなミニリュウ。
……考えること1時間。
オレンジは完全に時間を忘れて考えていた。しかし、案は出るものの、決定とまではいかない。
これまで出た案はフシギソウがリーフ、プラント、ギード、スラッシュなど……。
ミニリュウがドラン、ドルグ、ドラーク、シーロンなどである。
しかし、リーフはありがちだしプラントだってそうだ。ギードとスラッシュというのはどうにもフシギソウにはあいそうにない。ドラン、ドルグ、ドラーク、シーロンにおいてはおっとりな性格という項目に全く当てはまっていない。
そんなことを考えている時、声をかけられた。
「君、何をそんなに考えているんだい?」
オレンジが顔をあげると、そこにはサーフィンをしていた男性がいた。すぐ横にはハリテヤマとゴーリキーがいる。
「えっと、ポケモンのニックネームを考えていたんです。
あなたは……?」
「ああ、すまない。俺はトウキ。
ホウエンという地方のジムリーダーだ。」
「俺はオレンジ。トウキさん、これからよろしくお願いします。」
オレンジは無理に敬語を使っている。
流石にホウエン地方のジムリーダーとあっては自分よりも強いはずである。だったらここは第一印象が大切だ。
しかし、流石にそれはすぐにばれた。
「オレンジ君、無理に敬語を使わなくてもいいよ。
俺はそんなの気にしないし、大体いちいち気にしてたらジムリーダーなんてやってられないからな。」
オレンジはその心の広さに驚いた。
今までグリーン以外のジムリーダーにあったことがないためか、どうしてもジムリーダーとの会話というのに敬語を使ってしまう。
だが、このトウキというジムリーダーは違うようだ。ホウエンにはこんなジムリーダーがたくさんいるのだろうか。
「ところでオレンジ君、こんな人知らないか?」
トウキに写真を見せられた。
その写真には、シバが写っていた。
「知ってるよ。」
するとトウキは写真を自分のポケットに収めた。
そしてボールにポケモンを戻すと、オレンジに案内を頼む。
「解りました。ついてきてください。」
やはり自然と敬語になってしまう。
しかしオレンジはそれを気にせずに歩き出した。
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