第15話
           2つの奥義

 あの後、キワメは島のポケモンセンターに居た。
 といってもジョーイさんと一緒に眠っていたのだが。

 シバとトウキはカメちゃんの雨乞いのおかげで炎が消え、脱出することができた。
 オレンジとはその後会い、龍静と草陰を回復するためにポケモンセンターに入ったところ、キワメとジョーイさんが眠っていたのだ。

 キワメはトウキがいるのに驚き、シバから事情を聞いた後家に帰った。


 そして今に至る。

 今、きわのみさきではシバ対トウキのバトルが行われていた。
 両者使えるのは一匹、しかも格闘タイプだけだ。

 シバのそばにいるのはカイリキー。
 トウキのそばにはハリテヤマがいる。

 勝負はどちらも一歩もひかず、五分五分といったところか。
 そして今、シバが攻撃に出た。

「カイリキー!
 空手チョップ!」

 カイリキーの4本の腕のうち、1本がハリテヤマに刀のように襲い掛かる。
 ハリテヤマは、それを避けようとはしない。

 カイリキーの空手チョップがハリテヤマに当たる瞬間、ハリテヤマの右手がカイリキーの顔に突っ張りをくらわせた。
 しかし、チョップもくらっていたので、ハリテヤマにも多少のダメージはある。

 だが、明らかにカイリキーのダメージの方が多い。
 どうやら、あれはただの突っ張りではなく、カウンターだったらしい。

「ホゥ、カウンターか。
 ならば……」

 シバとカイリキーが同じ構えをとった。
 トウキもハリテヤマと共に身構える。

「カイリキー!
 クロスチョップ!」
「ハリテヤマ!カウンター!」

 カイリキーが突っ込んでくる。
 それに合わせて、ハリテヤマはカウンターの構えをとった。

「カイリキー!捨て身タックル!」

 なんと、カイリキーは体制を変え、捨て身になった。そして、先程よりも早い攻撃に出た。
 ハリテヤマはそれでも身構えている。

 そして、カイリキーの攻撃が当たった瞬間、ハリテヤマはカウンターを放った。
 しかし、どちらも吹っ飛ばされる様子はなく、力と力のぶつかり合いが続く。
 そして、カイリキーが力を増し、ハリテヤマを吹っ飛ばした。
 ハリテヤマは大きな岩に大きく吹っ飛ばされ、近くにあった大きな岩に叩きつけられた。
 当然のことながらハリテヤマは戦闘不能である。しかし、同時にカイリキーも気絶した。

 どうやら、こちらの攻撃が強かった代わりに、あちらの攻撃もかなりの強さだったらしい。
 この勝負は、結局ドローである。

「すげぇ……。」

 オレンジは今まで声すらでなかった。
 2人の勝負の凄さに見とれていたのである。ジムリーダーと四天王、かなり実力差はあるはずなのに、どちらも互角の勝負だったからだ。

「シバ、お前、技に磨きをかけたな。」
「お前こそ。」

 オレンジは握手しながら話をする2人に近づいていった。
 そして、シバにたずねる。

「師匠、技って、ポケモンの技ですか?」
「いや、違う。
 技と言うのは、俺たちが使う格闘の奥義のことだ。
 奥義には2つあり、俺が使うのは豪の奥義と言って力で相手を攻める奥義だ。対して、トウキのは柔の奥義といってあいての力を利用して攻撃をする奥義。
 これが、さっき言ってた技の正体だ。」

 シバはなるべく簡潔に話した。
 オレンジはどこから取り出したのか、メモ帳にそれをメモしている。

 シバもトウキもポケモンに元気の塊を与え、ボールに戻した。
 そして、夕方まで語り合うと、家に入り、その日を終えた。

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