第21話
            育て屋の修行

 育てや。
 4の島にあるポケモンを育てる商売をしている場所。
 また、4の島だけではなくオーレ地方やジョウト、ホウエンにも同じものがある。
 それぞれやっている人物が違うが、ホウエン、ジョウト、4の島の育てやは時々交代することがある。

 育てや老夫婦は、4の島で育てやを運営している。

「……で、俺に何をしろと?」

 オレンジが連れて行かれた場所は、育て屋の庭だった。
 そこら中に戦いに飢えたポケモンたちが目を光らせ、オレンジを狙っている。

 元はといえば、渡したいものがあるといわれたから来たのだが、まさかこんなことになろうとは。

「小僧、そこに居るポケモンを全部倒してみい。
 倒せれば、この卵をやろう。」

 渡したい物とは卵のことだった。
 しかし、どうやらこのポケモンたちの相手をしなければならないらしい。

「何で俺が「いいからはようせい!」

 オレンジの言葉を、育てや婆さんが途中で遮る。
 オレンジはその気迫に押され、結局戦う羽目になった。





 30分後……。

 オレンジは約100体ほどのケンタロスの群れに追いかけられていた。
 そばには草陰と龍静も居て、一緒に逃げている。

「畜生!こんなに強いなんてきいてないっつーの!」

 そんなこといわれても困る。
 大体、このケンタロスに挑んだ……というか攻撃をあてたのはオレンジなのだ。
 近くに居たナゾノクサを龍静の龍の怒りで倒そうとしたところ、それが外れてケンタロスに当たったのだ。

 そのせいで、今現在追いかけられている。

「草陰!眠りごな!」

 草陰は振り向き、ケンタロスの群れに眠りごなを放つ。
 しかし、ケンタロスの群れは眠ることなく、オレンジを追いかけている。
 だが、オレンジはにやりと笑った。その瞬間、ケンタロスの群れは何か蔓のようなものに雁字搦めにされ、身動きが取れなくなった。

「へっ、どうだ。
 さっきの眠りごなの中に宿木の種を仕込ませたんだよ。」

 オレンジが自慢げに言うが、ポケモンにそんなこと言っても仕方ない。
 ケンタロスの群れは全員目を回している。草陰と龍静はホッとしていた。

 そのとき、オレンジは自分が何か踏んでいることに気がついた。
 恐る恐る後ろを向くと、ポチエナとグラエナの群れが、低い唸り声をあげてこちらを睨みつけている。足元を見ると、自分が1匹のポチエナの尻尾を踏みつけていた。

「逃げるぞ。」

 草陰と龍静は共に頷き、オレンジと共に走って逃げていった。
 だが、ポチエナとグラエナの群れは先ほどのケンタロスたちよりも早く、ずる賢かったので、半円を描くように、オレンジたちを追いかける。
 そして、その半円は立派な円になってオレンジたちを取り囲んでいた。

「おいおい、勘弁してくれよ;」

 その後、育てやの庭から悲鳴声があがったのはいうまでもない。

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