第22話
謎の卵
オレンジは、ボロボロになって育てやの家に戻った。
中では、爺さんが心配そうにオレンジを見つめているが、婆さんはにやりと笑ってお茶を飲んでいる。
この2人、何がどうなって結婚したのだろうか。完璧すぎるほど、逆の性格である。
「大丈夫かい?」
「え、ええ。なんとか。」
とはいうものの、本当は骨が折れていたって不思議ではない。
それでも骨が折れなかったのは、やはり石のおかげだろうか。
「で、ポケモンを全部倒すことはできたのかい?」
「いいや。ただ、ケンタロスの群れを何とか……。」
オレンジがそういった瞬間、テレビを見ていた婆さんの顔がこちらに向いた。
爺さんも、驚きの目でオレンジを見ている。
「ケンタロスの群れ?」
「ああ、その後ポチエナとグラエナの群れにも襲われて、このざまだ。」
婆さんと爺さんは顔を見合わせた。
「おかしいのう。わしらはケンタロスの群れなんぞを扱ったことはないぞ。」
「それに、ポチエナとグラエナなんぞはホウエンで見かけただけじゃ。何でそんなポケモンがここにおるのかのぅ?」
婆さんと爺さんは共に頭を抱えて悩んでいる。
オレンジは近くにあった回復マシンで草陰と龍静を回復している。
と、近くにあった本が目に入った。
『歴代ポケモンリーグ優勝者 名鑑』
その本には、第1回から第15回までの全記録があった。
ちなみに言うと、ポケモンリーグは3年に一回行われている。
そして、レッドが出場したのは第9回だ。今はオレンジは11歳。そして第9回から第15回までで6回の大会が行われたわけだ。
3×6=18。18+11(レッド出場時の年齢)で29。
つまり、少なくとも今レッドは20代後半なのだ。それでもあれだけ若く見えるのは、持ち前の元気のよさからだろう。
そんなことを思いながらも、オレンジはページをめくる。
第1回ポケモンリーグにはオーキド博士の名があった。第9回にはレッドがたくさんの仲間と共に写っていた。
そして第10回。確か、そこは優勝者の居ない大会となっていたはずだ。
だが、そこには写真があった。優勝者とはかかれていないが、確かに写真がある。
前髪がはねている金色の目の持ち主で、周りにはマンタイン、ウソッキー、バクフーン、キマワリ、エイパム、ニョロトノが居る。
足元には、ピチューとトゲピーの姿があった。
「へぇ……。」
と、本を見ている間に回復が終わったようだ。
オレンジは本を閉じ、近くの椅子に座った。
見ると、どうやら話し合いは解決したみたいで、爺さんがなにやら持っている。爺さんは、そのままオレンジに近づいてきた。
「オレンジじゃったかな?
ゴールドという男を知っておるかの?」
「ゴールドって言えば、確か父さんの弟子……。」
そこまで言いかけたとき、婆さんが大声をあげた。
「なにぃ!?
ということは、レッドの息子か!?」
爺さんの方も持っているものを落とさないようにしながらも、取り乱している。
別に誰が誰の息子であってもいい気がするのだが。
そのうち、老夫婦は共に落ち着きを取り戻し、オレンジに何かを渡した。
何でも、ジョウトの育てやから送られてきたものらしい。しかし、そんなものを受け取っていいのだろうか。
「いいんじゃよ。もともとそれはお前さんに送られてきたものじゃ。橙色の髪に赤い眼の子供など、そうそう居るもんじゃないからの。」
それでも断ったオレンジだが、やはり婆さんのささやかな脅しと気迫に負け、上が黄色く、下が黒い真ん中あたりがギザギザな卵をもらった。
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