第25話
             ディン

 赤い眼のピチューの雷。そして進化した龍静の10万ボルトでプテとドドすけを追い詰める。
 しかし、そこに突然現れた1匹のガラガラの所為で攻撃は不発に終わる。
 そのガラガラのトレーナーは、若い男性だった。

「あんた……なにもんだ?」
「俺?俺はロスト団3大幹部、『無効』のディン。簡単に言えば、君の両親であるこの2人の上司。」

 オレンジの顔が引きつった。
 レッドとイエローは、ディンの後ろで跪いている。

「で、君が噂のオレンジって言う子?
 この2人を追い詰めるってことは……噂どおり凄い子なんだろうね。」

 ディンはそういいながらも、楽しんでいる。
 普通の人間なら、ここでなんらかの反応を見せるのだが、ディンには感じられない。

 オレンジは、引きつっていた顔の表情を緩めた。
 そして、深呼吸すると龍静とピチューに指示を出す。

「ピチュー!甘えてから天使のキッス!
 龍静はその隙を狙って破壊光線!」

 先ほどは電気タイプの攻撃が封じられた。だったら、今度はノーマルタイプの攻撃で仕掛けようというわけだ。
 ピチューはガラガラに近づくと、甘え始めた。ガラガラはピチューに甘えられ、おどおどしている。
 その隙に、龍静は口に黄色い球状のエネルギーをため始めた。それをみたピチューが、天使のキッスをガラガラに放ち、オレンジの元へ戻る。
 それと入れ替わりに、破壊光線が発射され、ガラガラの元へ向かっていく。

「なかなかやるね。
 だけど……。」

 ディンは何か企んでいる。
 それはオレンジにも解った。口元に笑みを浮かべているからだ。
 しかし、そんなことを考えている間にガラガラに破壊光線が直撃した。

 それと同時に砂煙が巻き起こり、ガラガラの姿は見えなくなる。
 その代わり、ディンの声が聞こえた。

「ガラガラ!骨ブーメラン!」

 正直、オレンジはディンの気が狂ったのかと思った。
 ガラガラは混乱していて、しかも破壊光線をくらったのだ。無事でないことは確かである。
 そして、混乱の効果が発動すれば、この攻撃はガラガラの体力を削り取るのだ。

 しかし、無謀にも骨ブーメランは龍静とピチューの間を通り抜け、オレンジへと向かってきていた。
 オレンジがそれに気づいたのはまさに骨ブーメランが直撃する瞬間。しかもそれはオレンジの首を狙って飛んできている。

「くっ……。」

 オレンジは歯を食いしばった。
 だが、いつまでたっても痛みを感じない。うっすらと目を開けると、オレンジは炎に包まれていた。

「ど、どうなってんだ……。」
「! 退却せざるを得ないか。」

 オレンジを包んでいた炎が消えると共に、ディンたちの姿は見えなくなった。

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