第27話
              1の島

 オレンジは、シーギャロップにすれすれで乗り込んだ。
 あの後、全力疾走したところ、ギリギリ間に合ったのだが、オレンジはかなり息が切れていた。
 ボールの中で、全力疾走でかなりゆれたはずなのだが、ボールの中で草陰と龍静は眠っており、赤雷は先ほどの揺れにはしゃいでいる。どうやら、赤雷的にはかなり楽しかったらしい。

 そのとき、シーギャロップの船内放送が鳴った。きっと出港の合図だろう。

『まもなく、この1の島行きのシーギャロップハイスピード3は出港します。
 30秒程でつきますので、お待ちください。』

 そのとき、オレンジは完全に固まった。
 今、確かに1の島行きと言った。オレンジが行くべきなのは2の島。ということは……。

「あら?
 オレンジ。あんたも1の島に用事があるの?」

 後ろから誰か話しかけてきた。
 他でもない。アクアである。

「アクア。
 ちょっと時計見せてくれないか?」
「? 別にいいわよ。」

 アクアは自分の時計を差し出した。オレンジはポケギアだが、アクアは腕時計なのだ。
 オレンジはすぐに時間を確認する。案の定、オレンジのポケギアは10分遅れていた。
 なにぶんこのポケギアはレッドからもらったものだ。つまり、かなり古い。そのため、このように時間がずれることも少なくはない。

 ならばリュックに入れてある時計を見ればよかったのだが、漂流したときに海水に触れた所為か、壊れてしまっている。
 ポケギアも同時に壊れたのだが、何故か10分ほどで直った。どうやら、この空白の10分間は、カウントされていなかったらしい。

 それというのも、ポケギアは2,3年前まで太陽電池で、時計などは全てラジオ塔が管理していた。
 だが、太陽電池なのは変わらないのに、どういうわけかラジオ塔が時計の管理をやめたのだ。
 理由は、腕時計を身につけるトレーナーが多くなったことや、ラジオカードを持っている人物が少ないこと、そしてホウエンのデボンコーポレーションが開発したポケモンナビゲーター。略してポケナビのせいである。

 そんなことを説明しているうちに、1の島についてしまった。
 オレンジはアクアに腕時計を返し、ゆっくりと船内から出て行った。

 アクアはオレンジから腕時計を返してもらうと、船内から出て行き、ポケモンセンターに向かっていった。
 オレンジも他に行く当てがないので、ポケモンセンターに向かう。

 1の島。
 灯火山や宝の浜など、ナナシマでは大きい方に入る島。
 また、このあたりの海流は穏やかで、波乗りもできる。
 灯火山には、ルビーという石があったが、随分昔に発掘され、今は島のポケモンセンターにある装置に、サファイアと一緒に設置されている。

「はぁ、どうする?」

 モンスターボールのポケモンに語りかけるが、何も答えない。
 オレンジはもう一度ため息をつくと、ポケモンセンターへ向けてもう1度歩き出した。

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