第28話
              灯火山

 オレンジは今、灯火山にいる。
 というのも、先ほどのポケモンセンターでの出来事が原因だ。

「ニシキさん。ここ、むっちゃ暑いじゃないですか!」
「しょうがないじゃないか。ここには、あの伝説のファイヤーが居るって言われてるんだから。」

 オレンジの隣には、ニシキというなの青年が居る。
 実は、先ほど赤い石を眺めていた時、ニシキに見つかってしまったのだ。
 ニシキもどうやらこの石のことを知っているらしく、それでほとんど強引にここまでつれてこられた。

 ニシキのいうとおり、灯火山にはファイヤーという名のポケモンが居ると言われている。
 ファイヤーはカントーに居る伝説の鳥ポケモンの一種で、炎タイプのポケモンである。
 以前はチャンピオンロードに住んでいたが、一度ロケット団に悪用されたため、灯火山に移って来たといわれている。

「はぁ?
 そのファイヤーとこの石。いったいどんな関係があるっていうんだよ。
 大体、俺は伝説のポケモンに興味なんてないし。」
「まぁ、いいからついてきなよ。
 その石とファイヤーの関係が、大いにわかるからさ。」

 ニシキはオレンジの問いに対し、そこまでちゃんと答えなかった。
 ただ、オレンジの腕を引っ張り、どんどん山を登っていくだけである。

 途中、なにやら勝負を仕掛けられたが、そこはオレンジが倒しておいた。
 まぁ、元ポケモンリーグチャンピオンの息子というだけあるが、四天王の弟子なのだ。これぐらいはできて当然である。

「ニシキさん。
 まだつかないんですか?」
「まぁまぁ、そう焦らないで。」

 正直、オレンジはかなりいらだっていた。
 何せ、いきなりこんなところに連れていかれたうえ、頂上に上るまでのバトルは全てオレンジに任せているのだ。
 少しは自分で戦ってほしい物である。

 そんなことを考えていると、いつの間にか頂上に来ていた。

「さぁ、ここからは1人で行ってくれ。
 俺が行くと、戦闘になりかねないからね。」

 ニシキはそういうと、オレンジの背中をドンと押した。
 オレンジは押されたところに痛みを感じながらも、前に進んでいく。

 そして、一番前まで来た。
 が、そこには何もおらず、ただしたには溶岩がゴポゴポと音をたてている。

「ニシキさん。何も居ませんよ。」
「だったら、石を取り出して。」

 オレンジは仕方なしに赤い石を取り出した。
 そして、右手に持って何分か待ってみるが、何も起こらない。
 オレンジが呆れて帰ろうとしたとき、火柱が上がった。

「! なっ!」

 火柱はどんどん数を増やし、最終的には、大きな火柱になった。
 全ての火柱が合わさったのである。

 その火柱を眺めていると、突然中に鳥のようなシルエットが見えた。
 その瞬間、火柱は消え、中から炎に包まれた鳥が飛び出した。
 灯火山に住むといわれる伝説の鳥、ファイヤーである。

 オレンジが唖然としていると、ファイヤーはこちらをキッと睨んだ。
 オレンジの体はビクッと震え、全身に悪寒が走った。

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