第36話
紅の悪魔
何が起こったのかわからなかった。突然オレンジと赤雷を炎が包み込んだかと思うと、次の瞬間には赤雷は消え、ヤナギのイノムーは倒れていたのだから。
しかも、その次には草むらが燃え始める。ヤナギはイノムーをボールに戻し、炎の届かないところへと避難する。そして、ウツギと共に燃え上がる草むらとその中にいるオレンジと赤雷をみる。
だが、オレンジと赤雷は熱がっている様子はない。それどころか、心配する赤雷に対し、オレンジはにやりと笑っていた。髪も瞳も、紅色に変化していた。
「ククク……ヒャーハハハ!」
オレンジは、突然狂ったように笑い始めた。赤雷はそれに驚き、ヤナギとウツギは眼を見開いた。
「燃えろ!燃えろぉ!その炎が!熱さが!俺の強さを高めてくれる!」
その声と共に、炎は勢いを増し、町に迫ってきた。町からは悲鳴が上がり、人々が逃げ始める。そして、炎はどんどん森に迫って行った。
「オレンジ君!どうしたんだね!?」
その声に、オレンジは振り向いた。そして、少し笑うと見下したような眼でヤナギを見た。
「オレンジィ?誰だぁ?そいつぁ。
俺の名前はなぁ……クリムゾン。別名、紅の悪魔だ!覚えときな!ジジィ!」
瞬間、大きな炎がヤナギとウツギに迫ってきていた。その時である。何処からかとんできた水流により、オレンジは倒れた。そして、それと同時に炎も消える。
水流のとんできたほうを見ると、そこには一人の少年が居た。
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