第37話
          未来からの来訪者

「たくよぉ、俺の故郷を燃やそうなんて百万年はやいってぇの!」

 そこに居た少年は、一匹のラプラスを従えていた。額には斜めの縞模様がはいった額当てのようなものをつけており、黒いランニングシャツに黄緑色の半ズボンをはいている。
 そして、特徴的なのは金色の瞳と茶色がかった髪という少年である。ヤナギは、この少年に見覚えがあった。

「と、トパーズ君……?」
「んぁ? ヤナギのじっちゃんか。
 そ、俺はトパーズだよ。ちなみに言うと……」

 そういうと、トパーズはラプラスを戻した。そして、手持ちのキューを器用に使ってポーチの中から何かを取り出す。
 その何かは、金色の石のようだった。

「時をつかさどりし者、『時空』だ」

 そして、ニヤリと笑って見せた。そして、倒れているオレンジを抱え、赤雷についてくるように促す。
 その後、ウツギたちと共に研究所に入った。

 オレンジをベッドに寝かせ、その横に赤雷を看病役として立たせると、ウツギたちのいる部屋へと向かう。
 そこには、ウツギとヤナギが居た。そして、余っている椅子がもう1つ。

「トパーズ君、1つ聞かせてくれないか?」
「ん?何だ?」
「私の知っているトパーズ君はまだ9歳のはずなのだが……」

 それを聞くと、トパーズはニシシ、と笑う。そして、言った。

「俺とじっちゃんの言ってるトパーズは同一人物だ。ただ、俺は石の力を借りてこの時間帯に来ているわけだから今現在この世界には『2人』のトパーズが存在していることになるんだ。
 俺は今から3年後のトパーズ、つまりは12歳なんだよ。んで、このラプラスは……」
「5歳のときの誕生日に、私からもらったウォーラスだな?」
「あたり」

 そういうと、ウツギとヤナギの顔を見る。2人は、少し何かを言い合うと、トパーズに言った。

「トパーズ君、君は、どうやってこの時間帯であんなことが起きたと解ったんだい?」
「ん?それぁ口止めされてるから言えねぇよ。とりあえず、俺だってまだ時空として完全覚醒したわけじゃあねぇから時間制限があるんだ。そろそろかえらねぇと、この時間帯に閉じ込められることになる」

 そういうと、トパーズは立ち上がって石と共に金色の瞳を持つエイパムを出した。その後、森へと入り石の力を発動する。

「……時渡り」

 そういった瞬間、トパーズは消えた。ヤナギとウツギは眼を見張る。

「どうやら、本当みたいですね」
「あぁ、まさか、あの子があの中の一人だとは思わなかった」

 そういうと、ヤナギは一旦口を閉じる。そして、震えながら言った。

「神話に伝えられる16人の騎士、そして、その魂が封印された石を操るもの、『16人の石使い』、別名『16の悪魔』の1人だったとは……」


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