「どうしてスナッチ団やめちゃったのよ?」
砂漠のスタンドにて休憩していると、ナギは突然、口を開き、こういった。ミカドは、特に何も言うでもなく、注文したジンジャーエールを飲み干す。
「なんでかな。」
「なんでよ!」
間髪入れず、ナギは突っ込む。
「なんでそうやっていつもいつもミカドは自分こと言わないの?何も解らないじゃない!」
「そう言われてもねぇ。」
その会話は、テレビから流れる臨時ニュースにかき消された。
「スナッチ団アジトが爆破された事件についてです。大型のスナッチマシンが爆破され、小型のスナッチマシンが盗まれた、との事ですが、行方は分かっておらず、犯人もわかっておりません。仲間割れとの見解も出ておりますが、定かではありません。では、引き続き、ドラマをお楽しみください。」
ミカドはにやりとした。そう、スナッチ団から抜け出し、アジトを爆破したのはミカド。まさか、かじっただけの知識で、あんな吹っ飛ぶ爆弾が作れるとは思わなかったが、大型スナッチマシンを破壊し、小型のスナッチマシン、そう、ミカドが身につけている機械を盗んだ。そして、いろいろあって、現在にいたるわけである。
「特に理由ないっていう顔じゃないわ。むしろ計画的にやったんじゃないの?」
「さあね。」
ミカドは立ち上がる。この砂漠に被われたオーレ地方のオアシスとも言える休憩所、砂漠のスタンドを出て、水が豊富な街、フェナスシティへと行くために。そこに、彼の友達と待ち合わせてしているのだ。
「ナギ!行くぞ!」
バイクにナギを乗せると、風を切って走り出した。

 ミカドとナギの出会いは、はっきりいって物凄い偶然である。
 ミカドが、アジトを爆破した後、休息の為に、フェナスシティに向かった。街に入ろうとすると、目の前で、男二人が、ナギを囲んで襲っている。
「お前がいるとこの計画の邪魔なんだな。」
「消えてもらおうか!」
と、威勢だけはよかったが、ミカドのエーフィ、名前はキザトラが、念力にて、男二人を吹き飛ばす。どすん、という音と共に、男二人は痛そうにしていた。
「おい!何する・・・。」
ひとりの男はそういった。
「あ、お前、もしかしてスナッチ団のミカドだろ!」
ミカドは何も言わず、構えた。自分を知っているのは、ただ者ではない。キザトラだけでなく、ブラッキーのバンダナもボールから出した。
「あの肩についてるの、あれがスナッチマシンだな!」
「ミカド倒して、あのスナッチマシンを奪えば、昇格間違いなし?行くぜヘボイ!」
「おうよトロイ!」
ヘボイはゴニョニョ、トロイはマクノシタを出した。これなら楽勝、とミカドが思ったとき、ナギが叫んだ。
「そのマクノシタ・・・変なオーラが出てる!」
「変なオーラ・・・?」
ミカドはマクノシタを見るが、全く普通のマクノシタである。何がおかしいのか解らなかったが、トロイが叫び出した。
「この女・・・余計なこといいやがって!」
「ミカドだっけ?相手のポケモンとれるんでしょ!?だったらそのマクノシタを捕まえて!」
よく解らなかったが、ナギの必死の叫びに、従うことにした。キザトラで邪魔なゴニョニョを排除、バンダナでマクノシタに秘密の力で攻撃。
「よし、バンダナ、挑発しろ!」
バンダナはマクノシタを挑発したはずだ。しかし、マクノシタの目はすわったまま、何一つ感情的なものは感じられない。なるほど、確かに普通のポケモンではないようだ。
「よし、そのままだ。動くなよ、バンダナ、キザトラ!」
ミカドは、スナッチマシンにボールをセットした。そして、勢いよくマクノシタに向けて発射。ボールはマクノシタを捕らえて離さず。そのままミカドの手元に戻ってきた。
「これで手持ちが一匹減ったな。さて、さっきまでの威勢を返して・・・。」
「ちきしょー!覚えてろ!」
ミカドがおどす前に、ヘボイとトロイは逃げ出した。
「助けてくれてありがとう。」
と、ナギはミカドの前に立つと、自己紹介をした。そして、次に話したのは変なオーラのこと。
「この先のパイラタウンで、そのポケモンのこといったら、あいつらに追い掛けられて、ここまで来たの。あのさ、人のポケモンとれるなら、そのポケモン、みんな取ってくれない?そうすれば、何か解るかもしれないし・・・。」
そういうナギの願いを、ミカドは受け入れた。なぜか、ナギには人を従わせるようなそんな感じを受けたからだ。

 そのフェナスシティのポケモンセンターで、二人は休んでいる。ここに来るはずなのだ。それに、ここにいれば、何か情報が入るはずだ。ナギが言うには真っ黒なオーラを出しているマクノシタをそのへんに歩かせて、人々の反応を見ている。
「みんな何も反応しねぇなあ。」
「真っ黒なオーラが出てるんだけどね。どこ歩いていても、気配で解る。」
ナギはそういうのだが、ミカドには全然解らない。どこが真っ黒なオーラなのか、見た目は普通のマクノシタ。しかし、そのマクノシタに他のポケモンは全く寄り付かない。やはり、ポケモンには何か見えているのだろう。
「とすると、ナギはポケモンか?」
という冗談に対する突っ込みをする暇もなく、ポケモンセンターに男が飛び込んできた。
「大変だ!フェナスシティが変な男達に囲まれてる!」
と。
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