【ポロック】
ポケモン専用のお菓子。
『きのみブレンダー』という専用の機械で、調合して作る。
混ぜる『きのみ』の種類で、いろいろな味のポロックが出来る。
濃い味の方がポケモンは喜びやすく、味の調合によっては薄くなってしまうことも。
栄養効果が高いのか、ポロックを与えたポケモンはけづやがとても良くなる。


PAGE22.カナシダトンネルのロミオとジュリエット


「・・・・・・・・・おかわりっ!!」
配膳(はいぜん)をしている ほたるポケモン、イルミーゼは黙って茶碗を渡すしかなかった。
受け取った茶碗につがれた銀色に光る米粒を 金色の瞳の少年は口の中へとかき込む。
「その辺にしとけば? いくらあんただって、胃袋が持たないでしょ。」
「分かってるよ、分かってるけど・・・・・・・・・」
6杯目の茶碗を机の上に置くと、コハクは立ち上がって真っ直ぐに見つめていた。
鼻息も荒くなると、ピッ、と指を突き出して スザクの方を指し示す。
「どーしてスザクがこっちに来ちゃってるわけ!!?」





「・・・もー、しつこいってば!!
 何度も言ってるでしょ? ミナモでのコンテストが終わったから、新しいポケモンをコンテストに出場させようと思って飛んできたのよ!!」
対抗するかのように 箸(はし)を突き出しながら(行儀が悪いのでやらないように)スザクも負けじと言い返す。
うるさいとでも言いたそうに、ルビーは耳をふさいで退場していった。
サファイアはといえば、2人のケンカを面白がって観戦中。
止められる人間もおらず、声と声の張り上げ合いは ますますヒートアップしていく。
「だいたいねぇ!! あんたたちがあたしのこと置いてきぼりにしてくから、こんなことになるんでしょ!?
 分かってんの、あたしがここに来るまで どれだけ苦労したか・・・!!!」
「来てほしいなんて1回も言ってないじゃんか!!
 てか、むしろ来てほしくなかったの!! でなきゃ、連絡なしで出発させたりしないよ!!!」
「どういうことよ、それ!! あたしが足手まといになるとでも言いたいの!?」
「・・・あんのぉ・・・・・・」
「うるさいっ!!」
「黙ってて!!」
怒鳴られ、サファイアは身をすくめる。
部屋に帰ろうにも、1人で歩けばまた迷子になるのが関の山。
大騒ぎしている2人に浴びせられる 冷たい視線、『肩身が狭い』の意味を サファイアは今日初めて知った。


――1時間後―――――――――

「ただいま〜、明日の予定決めよっか〜。」
半泣きになっているサファイアを引きずりながら コハクは宿泊している部屋へと戻ってきた。
まるで、何事もなかったかのようなその仕草に、ルビーは大きなため息が止まらない。
「・・・今日も明日も、予定なんて予定ないだろっが・・・・・・
 仕方ねえっちゃ仕方ねぇんだろうけど、トレーナーにとってこの町って、ちっと暇なんじゃないかい?」
「あら、コンテストには出ないの?」

隣に宿をとっていたスザクの登場により、サファイアは再び身を縮こまらせる(そこまで恐怖心が植え付けられたのか)。
持ってきたパンフレットを バサバサとルビーの前へと広げると、
どこから取り出してくるのか笑顔中の笑顔を浮かべ、他の連中を無視してルビーへと話しかける。
「暇ならちょうどいいじゃない?
 あたしね、明日の『かわいさコンテスト』のノーマルランクに出場しようと思ってるの。
 そうそうコンテストのランク付けは下から『ノーマル』『スーパー』『ハイパー』『マスター』って4つあってね、
 下のコンテストで好成績を残さないと、上のランクへは上がれない。」
「だから、なんであたいに説明を始めるんだよっ!?
 出るなんてひとっことも 言ってねぇだろ?」
クスクスと笑うと、スザクはルビーの鼻先に人差し指を突き出し、

くるくるくるくるくるくるくるくるくるくる・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「キミはコンテストに、出たくな〜る 出たくな〜る 出たくな〜る・・・」
・・・付き合っていられないとばかりに、男2人は寝る準備。
逃げ道を失ったルビーへの スザクのコンテスト講座は 深夜まで続いた。




――そして、翌日――――――

午前9時59分まで散々協議し合った結果、ひとまずは男チームと女チームに分かれて動くことになった。
と、いっても無理矢理コンテストに付き合わされるハメになったルビーを コハクが救い切れなかっただけの話なのだが。
「逃げるかんな、ぜってー逃げる!!」
「はいはい、ポロック作り手伝ってね。」
わざわざ「逃げる」と 宣告している辺りが可愛らしい。
なんだかんだ言って、ルビーはしっかりスザクの後にくっついてきている。
「それじゃ、始めるとしましょうかね、スーちゃんのポケモン講座2、ポケモンコンテスト編?」



一方、サファイアはコハクの案内で、ようやく工事中のトンネルへとたどりついていた。
とはいえ、『工事中』のトンネルである。 見所があるわけでもない、すぐに退屈するのがオチなわけであって。
「工事中やな・・・・・・」
「そうだね。」
首をかしげて 何かを考え込んでいるサファイアに、つぶやくような声でコハクが話しかける。
「・・・・・・『工事中記念・カナシダまんじゅう』、とか、出しても売れないと思うよ?」
「さいか・・・・・・・・・」
・・・どうやら、本気で売ろうと考えていたらしい。



「それじゃ、今日はあたしのコンテストを見てお勉強、そういうことでいいわね?」
カチン、とボタンが押されると、ブペー、と実に愉快な音が鳴った。
「帰りたい、って言っても、逃がす気なんてないんだろ?
 他にやることもないじゃないか。」
パンッ、とリズミカルにボタンが叩かれれば、ピンポーン、と音が鳴り、中央の針は景気よく回転を早める。

ピンポパンポピンポピンポチャキーン!ピンポ・・・・・・・・・ブペー・・・・・・ピンポピンポ・・・・・・

「・・・何で、経験者のアンタが足引っ張ってるんだよ・・・・・・」
「しょうがないじゃない、細かい仕事は苦手なのよ・・・
 それに、ホラ、ちゃんと出来たじゃない、おいしそうなポロック♪」
スザクはガムケースのような入れ物から 色とりどりの硬そうなつぶつぶを取り出してルビーへと見せた。
眉間の間にしわを寄せ、ルビーはそれを見つめている。
「おいしそうかねぇ? 色素でも塗ったくったみてえにみどりみどりした奴や、
 青い色したのまで・・・・・・食えるもんに見えねえんだけど?」
「う〜ん・・・ポケモンの食べるものだからねぇ・・・
 それはポケモンに聞いてみないと・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

一定の間を置くと、ルビーはモンスターボールを開き、プラスルのアクセントを呼び出した。
「なぁに?」とでも言いたそうなアクセントを ジーッと見つめると、自分で持っているポロックケースを2、3度振る。
「アクセント、とりあえず、この土色したやつ食ってみな。」
そう言うと、ポロックケースを振って 中から飛び出した茶色をしたポロックをアクセントに放ってよこす。
疑問の表情を浮かべたまま、それを口の中へと放り込んだアクセントは、途端、ものすごい表情になってポロックを吐き出した。
「・・・吐き出したよ。」
「そぉね〜・・・・・・・・・」
視線をそらし、スザクは何事もなかったかのような表情で会場へと歩き出した。
そんなのを許すようなルビーがいるわけもない、がっしりと肩を掴むと、今にも襲いかかりそうな表情でスザクを睨みつける。
「アクセントは吐き出しましたわよぉ?
 本当に食えるもんなんでしょおかね〜、スザクおねえさま〜・・・!?」
「食べられる物のはずよぉ? ポケモンジャーナルの1面記事で、ポケモンの美容にいいって書いてあったもの〜!!」
何だか2人の間でプラズマが走っているような気がしてならない。
ポロック作りの見物に来ていた人々が、まるで波のように引いていく。

「・・・さて、と。」
0.5秒で表情を戻し、振り向きかえったスザクにギャラリーは身を震わせた。
「そろそろ時間よね。
 今度はちゃんと、遅れないように行かなくちゃ!!」





やることもなく、サファイアはトンネルとは名ばかりの洞くつの中へと足を踏み入れていた。
それほど深いわけでもなく、灯かりがなくてもゆうゆう進めるような場所なのだが、いかんせん足場が悪い。
つまずいては転び、立ち上がっては転がって、探検を始めてから10分も経たずにサファイアの顔はすり傷だらけとなっている。
心配そうにカサカサと動きながら、チャチャがサファイアの顔をのぞき込む。
「ヘーキや、ヘーキ!! ケガと汗臭さとわきの下の剛毛は男の勲章なんやでぇ!!
 今日は絶対迷わへんしな、知っとるか? こういう洞くつなら、かたっぽの腕をくっつけて歩けば、ちゃんと・・・」
そう言って、サファイアは手のひらを地面につけ、しゃがみながらずるずると歩く。
後をしぶしぶついて行くチャチャが かくはずのない汗をタラタラと流している、これぞポケモン七不思議。


「・・・・・・・・・・・・?」
完全に迷子になっていることにも気付かず、サファイアがカナシダアドベンチャー、ザ☆迷子を楽しんでいると、
ふいに視界の中に目に付くものを発見。
『地面に手をつく』のルールも忘れ、立ち上がって『それ』を観察しに てこてこと足を進める。

「手や。」
サファイアはつぶやいた。
彼の視線の先には、なるほど、人間の手としか思えないものが、ときおりピクピクと動きながら岩の壁の間からのぞいている。
何となく、握手。 すっかり冷え切っているその『手』が握り返してくるのが恐ろしい。
「あぁっミチルさん・・・・・・キミの手はとても暖かいんだね・・・
 すっかり冷え切った このボクの手に、パワーを与えてくれるかのようだ!!」
「生きとるっ!!?」
ずいぶんな言いぐさな気もするが、そこは目をつぶっておくこととしよう。
壁の向こうから聞こえた声に驚き、サファイアは振りほどくように 壁の間から見えている手を離した。
相手の男も、自分の勘違いに気付いたらしく、疑問の声をあげる。
「・・・ミチルさん・・・じゃない?
 誰なんだ、キミは? 言っちゃ悪いが こんな何もないところまで 一体何をしに来たんだ?」
「手が喋っとる・・・・・・!! 新種ポケモンか!!?
 チャ、チャチャチャッ、『ひっかく』攻撃・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「やめて!!」
真後ろから怒鳴られ、サファイアはルビーに殴られる寸前のごとく、肩を震わせた。
チャチャを止め、声のした方を振り向くと、顔じゅう体じゅう泥だらけの女の人が 食料を詰め込んだかごを抱え、
涙のいっぱい溜まった瞳でサファイアのことを睨んでいる。
「おぉっ、その鈴を転がしたような声は、我が恋人ミチルさん!!」
手が喋ると、かごを抱えた女の人は顔を赤くし、バキイッ!という音がするくらいに手を殴りつける。
「ぐおぉ・・・!」
「やだ〜、ダーリンってばvv 鈴を転がすような声だなんて・・・・・・誉め過ぎでミチル、死んじゃいそうっ!!」
くねくねと体を動かすと、ミチルと呼ばれる女の人は再びゴッ!と嫌な音のするくらいに手を殴りつけた。
痛みでもだえるような手の動きに、サファイアは背筋を凍らせる。

「うぬがっ!! ・・・・・・ミ、ミチルさん、そこの勘違いしている人に・・・説明を、お願いしたいのだが・・・」
「えぇ、ダーリンv
 あのねボウヤ、この手はね、この山の向こうのカナズミシティから地面の中を、暗く地道に汗臭く掘ってきた私のダーリンなのぉ。
 ここには、大きな音に反応して それ以上の騒音で騒ぎ立てる大迷惑なプリティポケモンがいてねぇ、
 そのポケモンたちを驚かさないよう、静かに掘るために、私のダーリンは素手1つとなって・・・・・・・・・」
「ミ、ミチルさん・・・オレは決して手だけの存在となったわけでは・・・・・・・・・・・・」
反論も聞き入れられず、ミチルの絶対に間違っている説明は続いていく。
「嗚呼(ああ)ダーリン・・・かわいそうに、この宇宙1の美貌の私に会うために、300年間も掘り続けて・・・
 あなたがロミ男なら、私はジュリエッ子、私達は必ずしや結ばれる運命なのよっ・・・!!」
「そうさ、オレたちは結ばれるのさ、この憎き(にくき)岩盤をつらぬいて!!」
既に、サファイアの入り込めない世界へと入っている2人に、ひたすら悩み続ける。
口をついて出た一言はといえば・・・・・・
「・・・ロミオとジュリエットやと、結ばれへんで終わってまうな・・・・・・」
だけ。



「・・・ほな、帰るか、チャチャ。」
「待って!!」
くるりと回れ右して歩き出そうとしたサファイアを ミチルが『ちからもち』なマリルリ並みのパワーで肩を掴む。
冷や汗をかきながら 恐る恐る背後を振り返ると、どう反応すればいいのか分からないほどに
涙で瞳を潤ませた(うるませた)ミチルが サファイアを脅迫するような表情で 見つめている。
「あなたはポケモントレーナーなんでしょう?
 だったら、この私たちの愛をふさごうとする岩盤を ポケモンの技で打ち砕いて欲しいの!!」
いや、いや、いや、とサファイアは首を横に振るが、ここまで暴走しきっているミチルに通じるわけもなし。
「お願いッ!! 化け猫みたいな顔をした愛のキューピットさんッ!!」
振りまわされるようにサファイアは『手』の突き出している岩の壁へと打ちつけられた。
岩の間から張り出している手にぶつかったおかげで ケガをすることは避けられたものの、代わりに「ぐえっ!」という嫌な声が聞こえてくる。

「ええ加減にしとくんないか!? ワシに何をせえっちゅーねん!?」
絶え切れず、サファイアは叫んだ。
すると、ミチルはにっこりと微笑んで 来る時に持っていた食料入りのかごから 2、3の小さな機械を持ち出してくる。
「岩を壊すのなら『いわくだき』、トレーナーさんはそうするんでしょう?
 私はポケモンをもっていないし使用ライセンスのキンセツバッジも持っていないから、せっかく秘伝マシンを奪ってきても使いようがないんだもの。
 あなたなら、ライセンス非所持で捕まっても、子供だからってことで見逃してもらえそうだし、さぁ、お願い!!」
そう言うとミチルは サファイアのチャチャを奪って無理矢理『秘伝マシン』と呼んだ その機械を押しつけた。
しかし、ぶえ〜っ、という何だか不快な音が鳴っただけで、チャチャ自身に変化が起こったようには見られない。


「・・・・・・・・・チャチャ、機械に嫌われおったで・・・」
サファイアがつぶやくと、何だかチャチャは肩を落としたように その場で小さくなった。
そのチャチャに あきらめ悪く機械を押しつけようとするミチルを サファイアはトレーナーの意識で静止する。
「止めとき、チャチャが嫌がっとる。」
「だけど、他に方法があるの?
 早くしないと、ダーリンがおなかを空かせてしまうわ。」
そう言って、ミチルは壁の穴に(手が出ているところ)かごの中の食料を突っ込んだ。
「ハッハッハ、ミチルさん、すきまが小さすぎてトマトがぐちゃぐちゃになってしまっているよ?」
「・・・ええ加減、コントも飽きてきたわ・・・・・・・・・
 その岩壊すん手伝うから、もう巻き込まんといてや・・・・・・・・・カナッ!!」

サファイアは岩にぶつかりそうになるのでモンスターボールの中へと入れていた ヌマクローのカナをボールから呼び出した。
あまり明かりもなく、薄暗い(目が慣れればそれなりに見えるが)空間をキョロキョロと見まわしているカナに
チャチャにぎゅうぎゅうと押しつけられてた機械を そっと押し当てる。
途端、ピーッ、という電子音が鳴り響き、LEDのような赤い光が点滅。
ピクッと体を震わせたかと思えば、カナは『手』の出ている岩盤へと飛びだし、思いきり前足で殴りつけた。
低く鈍い音を響かせ、サファイアたちの目の前にそびえたっていた(と言うには低いが)岩の壁は あっけなく崩れ去っていく。
「おお・・・自由だ・・・!! ミチルさん、自由になれたんだよオレたちは!!」
「うれしいわ、ダーリン!! これで幸せな生活をおくれるのね!!」
大騒ぎしている2人にため息をつくと、サファイアはカナとチャチャの方へと向き直った。
「はいはいはいはい、ごちそーさ〜んと。
 ほな、帰り道は・・・・・・棒でも倒して決めとこか・・・・・・?」
それは止めて、とでも言いたそうに、ポケモン2匹はサファイアの腕を掴んで首を横に振った。
ついでに刺さったチャチャの針のような口先が 腕を刺激する。



「いったぁ――――――――――――――――――――っ!!?」
「はい、いたっ!?」
程度の差はあれど、全く同じ言葉が洞くつの中に響いた。
その声に驚き、大騒ぎを始める予定サファイアがおとなしくなっている。
「・・・えっと、誰やったっけ・・・・・・確か・・・密輸(みつゆ)君やったかな・・・?」
「はい、密輸ではありませんミツルです、覚えてください、サファイアさん・・・
 ミチルお姉さん、またトンネルを掘っていたんですか!? 熱心なのはいいんですけど、体が持ちませんよ!!」
いい終わってから、先日会った少年ミツルは『洞くつ』が『トンネル』へと変わっていることに気がついたようだ。
目を丸くし、驚き切った表情で辺りを見まわしている。

「どうだ、驚いたかミツル君!!! カナシダトンネルはたった今! 開通したんだよ!!
 これこそ愛のパワー、無限の力なのだぁっ!!!」
「・・・・・・最後のカナのひと押しは、認めてくれへんねやな・・・」
「はい、驚きました・・・・・・
 完成まで50年かかると言われていたカナシダトンネルを、まさか人の力だけで貫通させてしまうなんて・・・・・・」
呆然としているミツルとテンションの低いサファイアをよそに、その他2人はお祭り騒ぎ。
どうやったらそこまで幸せでいられるのか、見習ってみたいものだ。
「あ、せや、ミスる君?」
「はい、ミスるではありません、ミツルですが、何か?」
「ワシ迷子やねん、出口まで案内したってんか?」





「・・・・・・・・・・・・」
ルビーは何も言わなかった。
人のいなくなった観客席から、ぽかんとした表情で 既にコンテストの終わったステージを見上げている。
「お疲れ〜♪」
ぽん、と肩を叩かれて、ルビーはようやくピクンと体を震わせる。

「あ・・・スザク・・・」
「どうだった、ルリリの『あられ』ちゃんのステージ?」
ずいぶんと時間を経てから、軽く下に顔を向けてからつぶやくようにルビーは答える。
「・・・すごかった。 まるで、ポケモンが光っているみたいだった。」
「・・・・・・実際光ってたんだけどね・・・『みずでっぽう』の反射で・・・・・・
 ね、口でぐだぐだ言うより、ずっと体で感じられたでしょ?」


サファイアが見たら150ヘルツで叫びそうな勢いで、ルビーは激しくうなずいた。
何だか 顔がつやつやしているのは気のせいか、ドキドキした表情がスザクへと向けられている。
「・・・やりたいっ、ポケモンコンテスト、出場してみたい!!」


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