【???・?????】
今年度より大幅にパワーアップしたポケモンリーグには、イメージソングが設定されている。
この『魔法のコトバ』は開催半年前からテレビ、ラジオ等で何度も流され人気を集めているが、
歌っているグループはといえば、メンバーが5人ということ以外ほとんどが判っていない。
各種メディア、レコード会社等に問い合わせが殺到しているらしいのだが、
その詳細に関しては、未だ謎に包まれたままである。
PAGE83.Mission in…
「異次元からのポケモン?」
ラックの上から今日の新聞を1部引きずり出しながらグリーンは今聞いたことをオウム返しに聞き返した。
小1時間ほど話し込んでいる彼女は、車椅子に座りながら今なおパソコンと向かい合ってこちらを見ようとはしない。
「あくまで可能性の1つよ、決定的な証拠はないわ。
ただ・・・ここ1年間の異常気象、相次ぐトレーナー所有ポケモンの失踪、神眼を持つ子供たちの覚醒。
これらが仮に1つの原因から発生しているのだとしたら、そこしか考えられないのよ。」
キーボードを打ち鳴らしながらブルーは答える。
長い長い文章の作成を終え、それらを電子メールに添付すると本文に二言三言添えてブルーはそれを送信した。
手を組み合わせて上へと押し上げると車椅子を回し、グリーンの座るソファへと移動し、読み始めた新聞を下へとずらす。
少々ムッとした顔のグリーンを不思議な色を放つ銀色の瞳で見つめると、よく形の整った唇から次の言葉を発した。
「巨大なエネルギー反応が確認不能なほど上空から発せられているの。
今言ったポケモンの可能性も高いんだけど、海の向こうの離れ小島、『そらのはしら』の頂上くらいまで行かないと確認出来ないわ。」
「・・・・・・それで?」
眉をピクリと動かしつつ、グリーンはわざと神経を逆なでしやすい笑みを作ってみせる。
だが、慣れているブルーはそれに似たような笑みで応えて見せ、折り畳み式の小さなポケギアを彼の膝(ひざ)の上に置いた。
「・・・退屈、してるんでしょう?」
広おぉ〜い海に小島が1つ。
小さな街のある(らしい)その島には海岸というものがなく、切り立った崖の間から滝が1本流れているだけでした。
その滝のすぐ下にこれまた小さな、今にも沈みそうなほど小さな船が1艘(いっそう)。
「・・・だからっ、何で通りすがりのポケモントレーナーのダイゴさんが勝手に船に乗り込んでのん気に紅茶飲んでるんですかっ!?」
「ラジオをつけてもいいかな? 気に入っている番組がもうすぐ始まるんだ。」
「どうして船にいるのか聞いてるんです!」
「歌番組なんだが、いい年してミーハーと言われるかもしれないが、良い歌手が現れたんだ。
普段は顔を見せないんだが、唯一会えるチャンスがあったのを運悪く仕事で逃してしまってね・・・」
「き・い・て・る・んですけど?」
転覆しないよう注意を払って船の後方へと移動すると、ミツルはカップを取り上げてダイゴと名乗る人の話を聞かない男を睨み付けた。
小さな船には似つかわしくない、小奇麗な白いテーブル(どこから現れたのかは不明)に手をつくと、ようやくミツルの方に顔を向けた
紫スーツアクセサリー付きに緑に光る瞳を向けた。
猫の瞳のような緑眼と視線が合うと、ダイゴというトレーナーは初めて驚いたような顔をして反応する。
「緑眼・・・?」
「それが、何か?」
ごまかす必要もなさそう(事情を知らない人に説明していると日が暮れる)なので、ミツルは開き直って聞き返す。
海の上にはあまりいそうにない怪しい服装のトレーナー、
ダイゴは急に顔つきを変え、ミツルの顔をまじまじと見返してきた。
何だか気味が悪くなってきて少し体を動かすと、元々軽いボートはぐらりと揺れ動き今にも転覆しそうな勢いでかたむいてしまう。
ミツルがバランスを崩して尻もちをつくと、ダイゴは素早くテーブルセットをアイテムボールの中へと戻し反対側へと飛んだ。
大人と子供の体重差でボートは再び反対側へと大きく揺れ動き、安定したバランスを取り戻す。
周りを取り囲む空気が変わった気がして、ミツルは少しの間ダイゴと名乗るトレーナーをぽかんと見つめていた。
ふと、ダイゴという紫スーツのトレーナーは思わず身をすくませたくなるような笑みを見せ、ミツルへと視線を注いだ。
「探していたんだ。」
「ボクを・・・ですか?」
大きくうなずくと、ダイゴは胸ポケットから小さな金色のバッジを取り出しミツルに見せる。
あ、と小さく声を上げたそれは、金字で『TP』とあしらわれたトレーナーポリスバッジ。
「改めて自己紹介しよう。 トレーナーポリス、D.D調査チームリーダーのダイゴだ。
最近、各地で頻発している『神隠し』について調査している。
協力者を探していたんだ、その『神の眼』を持つ、君の力を借りたい。」
淡い緑色の瞳の少年は少し考えるようにすると、立ち上がってバランスを取りながらキルリアのあいを呼び寄せた。
いまだボートの反対側にいるジラーチを少し気にしながら、船の真ん中にいる男を見据える。
気迫負けしないよう、隣にいる自分のポケモンの手(前足)を、しっかりとつないで。
「・・・ボクの目的は、現在このホウエン地方で活動している組織『マグマ団』、『アクア団』がそれぞれ目覚めさせようとしている
『グラードン』と『カイオーガ』に、ボクと同じ『神眼』を持つ人を近づけさせないことです。
ある原因により神眼を持つ人たちが一斉に覚醒したため見分けはつきやすくなっていますが、一体何人の人が能力を持っているのか判りません。
ですが、少なくとも1人、伝えなくてはならない人がいるんです。 だから・・・せっかくの申し出ではありますけど、力にはなれそうにないです。」
失礼に当たらないよう、言葉を選びつつミツルは頭を下げた。
ダイゴは少し残念そうな顔をすると、軽く首を縦に振って顔をそむける。
「名前は?」
「ミツルです、緑野 ミツル。」
「その、探している人物の名前さ。」
一瞬黙り込むと、ミツルは顔を上げダイゴの方をしっかりと見据えながら口を動かす。
「・・・・・・『ゴールド』。
第4回ポケモンリーグチャンピオン、ゴールド・Y・リーブスその人です。」
少し驚いたような顔をするとダイゴは余裕のあるような笑いを見せ、三度大きくうなずいた。
「それならば、私と君の目的は同じということだ。
私も『神眼』の持ち主である、ゴールドという少年を探している。 同じ目的ならば一緒に行動しても問題はないだろう?」
「・・・・・・・・・」
質問の意図を理解し、ミツルは苦笑する。
名前を聞いてきた時点で、既に自分の名前と探している人物の情報の両方を入手するつもりだったに違いない。
だからこその、小さな芝居。 最初から『こうするつもり』だったというわけだ。
目の前の男の胸元から電子音が響く。
ポケットから銀色のポケギアを取り出し2つに開いて着信したメールを確認すると、ここぞとばかりに期待混じりの視線を送り付けてきた。
「ボクが、期待通りに働けるとは限りませんよ?」
「最初から全て上手くいくとは思っていないさ、ポケモンバトルだって同じことだろう?
相手が思いもよらない行動を取ったりするから、面白い。」
あいをそっと引き寄せながら警戒心を強めると、ダイゴは先ほどメールの送られてきたポケギアで今度はどこかへと電話をかける。
数回コールするような間の後、電話相手へと向かってやっぱりホストっぽい服のダイゴは一方的に話を始め出した。
「・・・あぁ、ゲンジか? 私だ、ダイゴだ。
作戦協力者が見つかったんだ、いや、彼ではなく別の少年なんだが・・・
1度トクサネで作戦を練り直したいと思っているんだ、他のメンバーにも連絡しておいてくれないか?
・・・・・・あぁ、すまない、頼むよ。」
電話を切ると、ダイゴは再びミツルの方を見て口元をゆるませる。
先ほどから かなりほったらかしなジラーチが気になるのだが、気付かれるのもマズイのでミツルは別の質問でごまかすことにした。
「トクサネシティへ行くんですか?」
「あぁ、そうだよ。 こんなに広い海の上でいつまでも立ち話、というわけにもいかないだろう?
ここから少し離れているが、私のポケモンでこのボートを引いていけば半日もかからないはずさ。」
そう言ってダイゴはハイパーボールの中からよろいどりポケモン、エアームドを呼び出し、ボートを引かせるための準備を始める。
どうやらミツルに反論の余地を与えないつもりらしい。
警戒心を先ほどよりも少し強めると、ミツルはジラーチを水入りのペットボトルと一緒にスポーツバッグの中へと隠した。
かなり怪しい雰囲気がぷんぷんとただよってくるが、元々トクサネに行こうとして迷っていた矢先なので、
今の状況がありがたいことにはありがたい。
「・・・誰か来るよ、ラン。」
「マジ? 5ヶ月ぶりじゃん、楽しめそう、フウ?」
サイユウやキナギほどではないが、トクサネシティも海の上に浮かぶ1つの小さな島である。
ジムの設置されている街ではあるが、わざわざ海を越えないとやって来られないだけあり、ホウエン地方の中では2番目に挑戦者が少ない。
代わりに小さな島には緑が溢れ、静かな街は研究者たちが考え事をするにはうってつけの場所。
2人のジムリーダーはこの豊かな自然を誇りとしている。 ・・・というか、そうでもしないとやっていられなかった。
島のあちこちにある森林や綺麗な海も確かに好きなのだが、数ヶ月に1人2人の割合でしか挑戦者が来ないというのは、
正直、若いトレーナーには辛いものがある。
「強いよ。 島に入ったらすぐに戦いに来るみたいだ。」
「うっわ、それじゃ早いトコジムに戻らねーとヤバイじゃん!
あ、そうそう、フウ?」
「何?」
「負けるよ。」
自分たちの負けを宣言した少女からふいと目をそらすと、少年は木から降りてジムの方へと走り出した。
クスクスと笑ってから、彼の後を追って少女も走り出す。
木々の合間から見える青い海に 1本の白い筋を残す人間を横目に見て。
青い海のど真ん中に白い線がもう1本。
トクサネのジムリーダーたちが気付いたのとは反対側から、まっすぐにトクサネシティへと向かって伸びている。
「・・・・・・ひいいぃぃっ!!」
3回連続で船が海面をバウンドし、ミツルは悲鳴を上げた。
注意していないと舌を噛みそうな上に、空を飛ぶのと同じスピードで船を走らせるなんて聞いたことすらない。
むしろ平気な顔をして船首で進行方向を観察しているダイゴが信じられない。
「ラジオをつけてもいいかな、もう番組が始まってしまっているんだ。」
「勝手にして下さいっ!!」
はっきり言って、それどころではない。 船から片手でも離したらすぐにでも吹っ飛ばされてしまいそうだ。
足が磁石で吸い付いているんじゃないかとか思いたくなるような安定した動きでダイゴはラジオのスイッチを入れる。
チューニングは既に合っていたようで、すぐに女の人が歌う声が小さなスピーカーから流れ出した。
1度聞いたら耳につく、幾度となく聞いたその曲が。
――大空へ届けよう 魔法のコトバ 大きな力で嵐を起こす
心強くするの 魔法のコトバ 鋼のような強さをくれる――
止まらない時間感じて 運命のコイン投げよう――――♪
『―はぁい、トクサネシティのラジオネーム『鋼の貴公子』さんのリクエストで『魔法のコトバ』でした!
いつもリクエストありがとぉっ!
ポケモンリーグもパワーアップして、今年は地方大会も開催されることになりましたねぇ。
本リーグでもあるセキエイリーグ本部では、一般受け付けの1週間前なのに応募が殺到して大変らしいです。
みなさぁ〜んっ! 応募ハガキは期間内に出しましょうねー!』
時折きゃあきゃあと騒ぐ女の子の可愛らしい声が聞こえてくるが、ぶっちゃけ、それどころではない。
バンバン船が波の上に打ち付けられて舌噛みそうだし、船酔いしたのか気分が悪くなってきたし。
脇のあいに至っては既にスピードについていけず、目を回してダウンしているのだが、それを気遣う余裕すら取り出せない。
「君は、自分の力のことをよく知っているようだね?」
「なっ・・・ですっ・・・・・・かっ!?」
衝撃で鼓膜すら割れるんじゃないかという大きな波しぶきが上がり、思わずミツルは目をつぶった。
さすがに音のことには気付いたらしく、ダイゴは船尾へと振り返ると大きな声でもう1度言い直す。
「その『神眼』のことを、一体どこで知ったんだい?」
「あのっ・・・自分で調べました! 古い文献を沢山扱っている場所があって、そこで調べたんです!!」
空を飛んでると錯覚しそうになるほど、小さな船は高く飛んだ。
船のすぐ前方を飛ぶ銀色の鳥がくるりと旋回してブレーキをかけると、猛烈な横Gと一緒に船は停止する。
意識が完全に吹っ飛んだらしく、ミツルとあいは甲板の上に突っ伏した。
くるくるくるくると回る緑色の目の前に、指輪のはまった大きな手が差し出される。
「思った以上にエアームドが頑張ってくれたようだね、3時間で到着できてしまったよ。
とはいえ、昼過ぎになってしまったから、一旦昼食でも取りに行くかい? いい店を知っているんだ。」
「・・・食欲ないです・・・・・・」
ぐったりとしながらミツルは絞り出すように声を上げた。
隣であいも心配になるほど動かなくなっている。
船から降りると、ズボンが汚れるのも気にせず波打ち際に座り込む。
波が足元をさらう感覚でゆっくりと酔いを覚ます。
数分時間を置いて自分自身を落ち付けてから、ミツルは立ち上がって船の上のスポーツバッグを肩にかけた。
たくましくも海の上に生えている大きな木に船をロープでくくりつけると、まだ酔いの覚めないあい(船の上に乗っていたせいだろう)に肩を貸し、
ゆっくりと島の中央へと向かって歩き出した。
先を進むダイゴが、どうやら待っていたらしい色黒の女へと向かって手を上げた。
黒いポケモンを横に従えたトレーナーらしき女の人はこちらへと向かって手を振り返すと、腰を振りながら歩み寄ってきてミツルの顔を覗き込む。
「この子? 『協力者』って。」
深い蒼(あお)の2つの瞳がミツルを映す。 間違いなく『蒼眼』の持ち主、ミツルは確信して息を呑んだ。
思いきり子供扱いされ、蒼眼の女の人に頭をてんてんと叩かれるとミツルは2人にポケモンセンターへと連れて行かれる。
ナースにポケモンを預け、ふかふかのソファにミツルを座らせると色黒の髪の短い女の人は胸に手を置いてにこりと可愛らしく笑った。
「ホント助かっちゃったぁ、本当は『ゴールド』に頼もうと思ってたんだけど、連絡もつかないし消息も不明だったしね。
あ、あたしはフヨウ、このダイゴと同じトレーナーポリスD.D調査チームメンバーなんだよ。
そういえば、あなたの名前は?」
「あ、はい、ミツルです。 あの、1つ聞きたい・・・というか、確認したいんですけど、お2人は『ゴールド』そのものにではなく、
あの人の持つ『緑眼』の能力に用があった、ということなのではないでしょうか?
だとすると、ボクは彼本人に用があるので目的が一致しないと思うんですけど・・・」
立ちっぱなしの大人2人を緑色の瞳で見上げて、ミツルは保留していた疑問を提出した。
スポーツバッグの中で身をよじらせたジラーチを相手に悟られないように抱え直すと、フヨウという女の人とダイゴはお互いの顔を見合わせている。
「・・・・・・・・・驚いたわ、『緑眼』の子が基本的に頭がいいっていうのは知ってたけど。
まだ何も説明してないんでしょ?」
ダイゴはうなずくと、少し時間をかけて考えてからミツルへと向き直る。
エリートトレーナー独特の穏やかなのに緊張させる空気をさらし、ミツルの情報の足りていない部分を説明し始めた。
「確かに、君の言う通りだ。 私たちは作戦を遂行するため、緑眼の持ち主を探していた。
私たちはこれから真実を知るため、『ある場所』へ行き『あるポケモン』と接触を取ろうとしている。
だが、ポケモンと人間ではよほどのことがない限り、初対面で話を通じ合わせることは難しい。
そこで、緑眼の力が必要になる。」
ミツルは気付かれないように、バッグを抱く力をほんの少しだけ強める。
「君も知っているかもしれないが、神眼には『紅眼』『蒼眼』そして『緑眼』と3種類ある。
それぞれが特徴的な能力を持っているが、ポケモンが思っていることを直接人間の言葉として伝えられるのは、緑眼の能力者だけだ。
私たちからしてみればその能力を持っていれば正直な話、誰でもいいわけなんだが、危険な役目だ。 強いに越したことはない。
だから、君という協力者が見つかった後も『ゴールド』の捜索は続く。 そういう訳だ、判ったかい?」
腕にスポーツバッグを抱いたまま、ミツルはうつむいて考え出した。
一体何をどうやって体を縮ませて(運悪く背が伸びなかったという考えも入れた上で)いたのかは知らないが、
真夜中にあいを渡しに来たときの表情を、全く見ていなかった訳じゃない。
先のことが、簡単に想像出来る。 結局のところ受けても断っても探している人物は危険にさらされるわけで。
唐突に途方もない不安に襲われ、2人に気付かれないようそっと、ポケットの中の図鑑に指を触れさせる。
『・・・・・・・・・ミツル?』
テレパシーを使って本当に小さな声で、ジラーチがミツルの頭の中へと直接呼びかける。
気分が悪くなったフリをして口元を手で押さえ、口パクで想いを伝え、ダイゴの顔を半分睨むように見上げた。
「あの、ボクは・・・その緑眼の能力者(持ち主)は、一体どこへ行って何をすればいいんですか?」
「海の上を戻る形になるが、もうすぐ来るトレーナーと共に、サイユウシティより更に南西の方角にある『そらのはしら』というところへ向かってもらう。
その頂上で、君は天空の覇者『レックウザ』を呼び出し、話をする際の通訳になってもらう。
原因不明だった一連の『神隠し』現象について、仮説を打ち出した人がいる。 真偽を確かめるためにはこれが一番早い方法なんだ。」
「はい、もうすぐ来るトレーナー・・・ですか?」
首をかしげつつ、ミツルは1つ増えた疑問を解消しようと少し身を乗り出した。
それと同じタイミングでポケモンセンターの扉が開き、長身の男がずかずかと入り込んでくる。
ダイゴはその人物を見ると、口元をゆるませ「こっちへ来い」と手招きする。 男はそれに従い進行方向を変えて3人のいるロビーへと足を進めると、
唐突に止まり、眉を潜めた。
「・・・・・・・・・・・・うわ。」
顔を見てミツルは思わず声を上げる。 茶髪のツンツン頭に妙な行楽ルック、ついでにアクセサリー付き。
どこからどう見ても、色眼鏡通そうが鏡に映そうが逆さまにしてみようがグリーン、間違いようがない。
グリーンとミツルはほぼ同時にため息をつく。
何だか、話がややこしくなってきた。
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