〜能力者への道4・開始〜




 『・・・レッスン1・「自覚」』

 「なんだ、そりゃ・・・」


 皆が首を傾げる、能力者修行の記念すべき1日目
 シショーが説明を続ける


 『能力者へなるには5段階のレッスンをクリアーしなければならない。
 レッスン1・「自覚」。 レッスン2・「想像」。 レッスン3・「覚醒」。 レッスン4・「把握」。レッスン5・「昇華」と云うようにね』

 「どういう風に分けられるんだ?」

 『レッスン1・「自覚」では「自分が能力者であることを自覚して貰う」のが基本だ。
 どんな些細なことでも良い、ここが他の人と違うと云うことを探すんだ。
 能力者への一歩はそこからなんだ、またこの時点で能力者の目覚めの速度も変わってくる。
 これをやって貰うのはレッド、グリーン、ブルー、シルバー、クリスの五人。
 だがこれは一人でやるのは難しい、他人の方が自分のことを良く知っていると言うことはよくある話だからね。
 だからこの5人はチームとなって、これから色々とそのことについて話し合って貰う』


 ゴールドがまた首を傾げた、目覚めの速度って・・・?

 『目覚めの速度というのは「自分はここが違うんじゃないか」というのが本当にそれが能力かどうかということ。
 それが正しければ能力者になるのも早い、逆を言えばそこが違うと始めっからやり直しだ。
 レッスン1は能力者になる上でもっとも重要なことだ、大体ここで皆挫折するんだ』

 「へぇ・・・じゃ、俺とイエローさんは?」

 「急ぐな、順番があるだろ」


 シルバーになだめられ、ゴールドがぶつくさと文句を言う
 ・・・早く能力者として強くなりたいからであろう、その気持ちは皆同じだ


 『レッスン2は「想像」、自覚したことが能力ならばどんな能力かと・・・色々考えるわけだ。
 つまりは他人と違う部分をより具体的にイメージし、能力への発展、覚醒を早める。
 これは「自覚」さえしっかりとしていればそう難しくはないと思う』

 「となれば・・・レッスン3は「覚醒」、これで能力者になれるわけか」

 『そう、自覚と想像をクリアーした者、それでやっと能力者の一員だ。
 ただこれは本人が知らないウチに修得していることもある。
 イエローは生まれつき、ゴールドはその典型的な例だろうな』

 「・・・俺って凄く珍しかったんだ・・・さすがだ」


 なにがさすがなのかはおいておいて、シショーは説明を続けることにした


 『レッスン4は自らの能力の限界を知ることだ、何処まで能力を鍛えられるのか。
 それを示すのが『レヴェル』といわれるものだ。
 例えばイエローの能力「トキワの癒し」は「きぜつ」したポケモン以外なら回復が可能というもの。
 「きぜつ」したポケモンには能力は使えない、これが限界。
 だがそれ以外なら回復が可能、ならばバトル中でも可能かどうか、一度に何体までなら同時回復が可能か。
 この自らの能力の限度を知るのがレッスン4・「把握」の内容だ。
 これをやるのはイエローとゴールド、だがイエローはもう次の段階までいけるハズだ」

 「どうして?」

 『イエローの能力は代々伝わる能力のため、文献が数多く残っている。
 それらを照合すれば「把握」は簡単だからだ。 それにバトル中でも回復が可能は・・・イエローはもう知っているはずだしね』


 ブルーがちらりとイエローを見た、そうか・・・ワタル戦の時にワタル自身がやっていた気がする・・・
 ゴールドの能力の場合、文献などあるわけがないので、かなり難しいかもと言った


 『ゴールドの能力は「ポケモン孵化」、限界も知りようがないし・・・それらを想像するだけで大変だ。
 限度はどこまでか、♂♀産み分けることが出来るのかなどな、大変だよ・・・本当に。
 ・・・意志をすりこませる以外不明な点が多いから・・・次のレッスンは当分先だ』

 「・・・・・・レベルについてが『昇華』で良いのか?」

 グリーンの問いにガイドがコクリとうなずく、長い説明はまだ続くようだ


 『レッスン5は「把握」した能力を極限まで鍛え上げることだ。
 イエローの現在のレヴェルは1、「一般トレーナーのキズを回復出来る」というもの。
 これを鍛えていけば「能力者によるキズも回復が出来る」「いかなる状況下でも回復することが出来る」・・・などね。
 どこまで鍛えることが出来るかはイエロー自身にかかっているし、鍛え方も人それぞれだ。
 また「把握」や「昇華」していくと時たま能力に変化が起こるが・・・ややこしくなるのでそれはまた今度だ』


 イエローがこぶしをぎゅっと握った、鍛えれば・・・シショーさんの二の舞なんか起こさせない!
 レッドがシショーに今度は『特能技』について聞いた


 『トレーナー能力とポケモンの個性の融合、それが『特能技』だ。
 これは・・・何と言えばいいのか、案外自然と出来るもので、説明は難しい。
 ただ言えるのは従来の技を強力にしたものとは限らない、全く新しい効果を持った技も多く存在するらしい』

 「ま、ともかく・・・やらなきゃ始まらないってことだろ?」

 レッドの言葉にガイドがうなずく、最後に・・・とシショーが言った


 『トレーナー能力は個人が生まれ持った資質、環境、性格などが大きく影響する。
 まだ能力が目覚めていない5人も、目覚めている2人もそれを忘れないで欲しい』

 「わかったって・・・じゃ、始めるか。 ・・・修行をよ」

 『・・・といいたいのだが、移動だ。 また「なみのり」ね、今度はここより広い「にー島」を目指すよ』

 皆ががくっと肩を落とした、だが・・・狭すぎて嫌になっていたので、といそいそと準備を始めた
 テントをたたみ、道具をしまう・・・そんななかでクリスがあっと言った


 「どうした、クリス・・・なんかあったのか?」

 「大ありですよ、ジムリーダーは!!? ジョウトジムリーダーの人達はどうしているんでしょうか!!?」

 「「「「「!!!!!!!!!!」」」」」


 クリスの言葉にあ然とした、そんな大切なことを忘れていたなんて・・・
 忙しいのは理由にはならない、所在さえわかれば後々大きな戦力になるかもしれないからだ


 「確かに・・・今まで忘れてたけど、あの人達はスゲー実力者でしょ・・・どうしてるんだろ?」 

 「奴らに捕まったのか・・・殺されてはいないだろうが、かなり気になるな・・・」

 
 皆がう〜んと考えこむ、あれだけの実力者達は今・・・どうしているのだろうか?










 話はレッド達が修行の旅に出る前、ジョウト地方が攻められた時までさかのぼる





 「こっちはOKだ、扉はふさいだ!!」

 「奴らが来るぞ、守りを固めろ!!」

 「・・・あいつらがここにくるのも時間の問題だろうな」

 「あの人達・・・いったい何者なんでしょうか?」


 彼らジムリーダー全員は集結し、ポケモン教会ジョウト支部にたてこもったのだ
 灰色の服を着た団員にても足も出ず・・・まさに絶体絶命だった
 だが・・・・・・





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