〜能力者への道7・今後〜




 「・・・・・・まぁ広いかな、さっきより」

 『「いー島」の4、5倍はある・・・ここに三日は居ようと思っている』

 
 昼前に『いー島』を出て、昼過ぎには『にー島』に到着したようだ
 特に何もない・・・砂浜と草むらしかないのだ、本当に何もない島・・・
 木も生えていないし、果物もない・・・ここまでくると清々しい程だ


 「とりあえず食事にしようぜ・・・腹減ったぁ〜」

 『うん、そうだね・・・後でゴールドにはやって欲しいことがあるんだ。
 イエローはうん、なるべく今やって欲しいんだけど・・・』

 「え・・・なんですか?」

 『「把握」』


 ガイドがイエローを海岸まで連れて行くのを眺めながら、レッド達は昼食の準備を始めた
 保存食料ももう無い・・・誰かさんが良く食べるから、この調子だと折角買えた1ヶ月分の食料が1週間でなくなりそうだった・・・


 ・・・ゴールドが素早く食事を終え、シショーの所へ小走りで行った
 シショーが言うのだからおそらく待ちに待った修行なのだろう、早く強くなりたいゴールドが喜ぶのも無理はない
 俺達は食事を兼ねて「自覚」について話し合うことにした


 「俺のトレーナー能力か・・・・・・なんだと思う?」

 「フム、そうだな・・・・・・今までは戦う者だったからな・・・」

 「シルバーは進化か交換に関する能力かしら・・・」

 「奴らが言うことは当てにならないと思う、1から考え直そうかと・・・」

 「私から捕獲を取ったら・・・何が残るのかしら・・・」


 ・・・改めて言われるとわからなくなるものだ、と皆が思った
 シルバーはともかく・・・レッド達は仮にも不合格と言われてしまったのだ
 今まで信じてきた自分の力を・・・完全に打ち砕かれた、奴らとのバトルで自信を失ったこともあるだろう


 そんななかシショーだけが戻ってきた、イエローとゴールドの姿はない


 『「最大2匹」・・・イエローの今の限度だ』

 「・・・何をやらせたの?」

 『なみのりで疲れているポケモンを回復してもらっただけ、連続回復はまだ2匹と半ばしか出来ないようだね。
 だけど、幾度も限度まで挑戦し続ければ、身体が自然にそれ以上の気力と体力を得ることが出来るハズだよ』

 成る程、向こうでイエローが幸せそうに眠っていた・・・そうやって「把握」や「昇華」させるのか


 「・・・・・・あの張り切っていた莫迦は?」


 シルバーが言うと、ガイドが海の方を指した、何の変哲のない海だが・・・
 クリスが目を凝らして見て・・・言った


 「・・・なんか沖の方で浮き沈みしてるモノ、ありませんか?」

 「・・・・・・ゴールドね、きっと」

 『彼の能力はタマゴが無いと「把握」や「昇華」が出来ないし、確かめられないからね。
 それで一番男性の中で力と体力が無いのを克服して貰うために・・・水泳をしてもらってるわけ。
 能力者との戦いではトレーナー能力もそうだが、まず何よりトレーナーの体力だ。
 ・・・相手と実力に差がない場合、長期戦になることが多いから・・・トレーナー自身の体力が無くちゃ始まらない』


 理屈はわかる・・・確かにゴールドは男性陣では一番非力で体力も劣るだろう
 だけど・・・・・・春先ですよ、まだ・・・ほぼ間違いなく寒中水泳ということになるけど・・・
 そして、多分気のせいだけど・・・・・・沖にいるゴールドを見て・・・シショーがにやりと笑った気がする


 『僕の見立てだとレッド、グリーン、シルバー、ゴールド、ブルー、クリス、イエローの順で体力と力があるんだ。
 イエローはさっき言ったようにああやって回復の練習をすれば気力、それに体力もおのずとついてくるだろうから。
 まぁ彼女は多分だけど、鍛えるために泳がなくても大丈夫だと思うよ。
 ・・・君達も「覚醒」したら「昇華」も兼ねて、ゴールドみたいに運動してもらうよ・・・嫌でもね』

 「「「「「・・・・・・はーい」」」」」

 『・・・それとも・・・「自覚」で行き詰まってるようだったら、気分転換に泳いでみるかい?』

 「さあっ!! 俺のトレーナー能力は何だろうなっ!!?」

 「そうねーっ、何かしらっ!!?」


 急に皆が元気になった、シショーはうんうんとうなずいた・・・
 そうかぁ・・・こういうヤツだったのかぁ・・・頑張ろうな、と皆が心の中で励まし合ったという





 ・・・ゴールドがガチガチになって帰ってきた頃、イエローも起き出して、遅い昼食を食べ始めた
 皆はまだ行き詰まっているようだ・・・本当に気分転換した方が良いのかもしれないが、寒中水泳はごめんだった
 イエローが5人の話し合いを聞いていると、おずおずと話に割り込んだ


 「・・・ええと、レッドさんとグリーンさんは『逆』なんじゃないでしょうか?」

 「? ・・・どういうことだ、イエロー」

 「えっとですね、レッドさんが戦う者だったのは、その・・・ポケモンを育てるのが巧かったから。
 グリーンさんも同じで育てるのが巧いならバトルも強い・・・準優勝者ですし。
 ・・・・・・つまり二人のトレーナー能力は実は逆だったんじゃないか、って・・・そう思ったんですけど」


 誰もが唖然としてイエローに注目した、それが恥ずかしいのか・・・スグに逃げるようにシショーの後ろに回った
 レッドとグリーンが顔を見合わす、こんな簡単なことに気がつかないなんて・・・

 『うん、なかなかいい線いってると、僕は思うな』

 「そうだな・・・でも俺まだ違う気がする。 何て言ったらいいのかなぁ・・・えーっと。
 バトルと育てる・・・両方に関係する能力だと俺は・・・・・・うん、それを「自覚」にしてみようかな」

 「・・・・・・成る程、だが・・・俺は全然違う気がする。
 ともかく、イエローには礼を言わねばならないな」

 「いえ・・・お役に立てたのなら・・・」

 ゴールド大きなくしゃみを連発した、ブルーはう〜んと唸った

 「レッドは『自覚』終わりかぁ、いいな〜・・・アタシは何かしらね」

 「どう「自覚」をしたらいいのかがな・・・やはり難しいな」

 「いや、でも・・・『自覚』のあとは具体的な『想像』しなきゃいけないんだぜ?
 さっきの自覚だって正しいって決まってるワケじゃないしさ。
 あ〜〜〜、なんかこっちの方が難しかったりして・・・」

 『フフッ・・・考え中の所に悪いが、今から今後の僕たちの行動について説明したいんだけど・・・良いかな?』


 皆がぴくりと反応した、確かに・・・それについてまだ詳しくは聞いていなかった


 「ここに居るのは三日だけよね? ・・・それ以降のことってワケね」

 『うん、ここで三日間修行をする・・・その後「ナナシマ」がひとつ「1の島」に行く』

 「理由は?」

 『ひとつ目は「情報収集」、カントーがどうなったかなどの奴らについて、詳しい情報を得ること。
 ふたつ目は「連絡」、できるかわからないが・・・カントーのマサキに連絡を取りたい。
 ・・・みっつ目が・・・これが一番重要だ、ずばり「伝説のポケモンの確保」にある!!』


 全員が驚いた、伝説のポケモンの・・・要は捕獲ということか
 でも皆があれっとブルーとクリスの方を見た、あなた達捕獲したんじゃなかったっけ・・・


 「逃がしたのよ、一度・・・博士がやっぱりポケモンは自然のままが良いってね」

 「私もスイクン達は逃がしました、会えただけで・・・充分です」

 「・・・・・・聞きたかったんだけどよ、ブルーってなんでファイヤー達見つけられたんだよ?」

 「ああ、それね・・・アンタらはファイヤー達を生で見たから・・・会えないわけでしょ。
 ・・・アタシが見たのは『サ・ファイ・ザー』っていう化け物だったもの、だからよ」


 なんか納得いかないんですけど
 ・・・博士も博士だ、研究が終わったからって逃がすか、普通・・・
 シショーがまた話しだした


 『話の通り、伝説のポケモンは現在野生ポケモンとして飛び回っている。
 これからの戦いはトレーナー能力は当然だが・・・ポケモン自体のレベルや身体能力値も重要になってくる。
 幾ら強い能力に目覚めようとも、ポケモンがコイキング並の強さだったら無意味でしょう?
 その点彼らの持つ力は・・・皆が知っている通り、重要な戦力になるのはわかるだろう。
 そしてそのことは奴らもわかっているはずだ・・・充分にな』

 「今まで確認されているポケモンは・・・」


 カントー・・・サンダー・フリーザー・ファイヤー・ミュウツー・ミュウ

 ジョウト・・・ライコウ・エンテイ・スイクン・ルギア・ホウオウ・セレビイ


 『伝説の鳥ポケモンは「一度出会ったトレーナーには捕獲されない」という厄介な性質がある。
 その点・・・スイクンらは何度でも出会い、捕獲するチャンスがあるわけだ。
 ミュウツーやミュウ、セレビイ・・・そしてルギア、ホウオウは出会えるかわからない。
 だから・・・奴らと取り合うのは実質6体となる』

 「だがレッドやブルー、シルバーや俺はファイヤー達には既に出会ってしまっている。
 だから捕獲可能なのはイエロー、ゴールド、クリスの三人だけだったかな」

 『・・・とりあえず、スイクン達が捕まっていないか確かめてくれないか・・・ポケモン図鑑で』


 クリス達がそれぞれサーチしてみる、だから奴らは先にジョウトを襲撃したのか
 何度でも会え、捕獲可能な三体を・・・先に俺達に、『敵キャラ』に捕られないために

 「・・・ええと、スイクンは・・・・・・カントー地方に居ます!!
 今現在は『6の島』にいるそうです・・・奴らから逃げたようですね」

 「ライコウも同じッス、カントーにいるようで・・・現在『クチバシティ』ッス」

 『フム・・・良かった、シルバー・・・どうした!!?』

 
 ガイドの言葉に・・・シルバーが震えながら言った


 「エンテイは・・・先程まで反応があったようだ、だが・・・今消えた」

 「・・・捕獲されたってことか?」

 『・・・・・・なんていうことだ』

 「これであと5体・・・か」










 薄暗い室内・・・奴らのアジトだろうか


 「・・・ウツギ君を放したまえっ!!」

 オーキド博士だった、縄で縛られているようだ・・・
 目の前でウツギ博士が拷問にかけられている、その男が笑った

 「強情なのは博士ですよ、博士がウンと言えば解放しますよ・・・」

 「いや・・・お主の目は嘘をついている! もう一度言う、ウツギ君を放したまえ!!」

 その男が暗がりでため息をついた、ウツギを博士の所へ投げた・・・ひどいケガだ
 そして奴がボールに手をかけ、出てきたのは・・・

 「・・・・・・この技は使いたくなかったんですが、これ以上は無理です、待てません。
 おかげでシナリオの一部が遅れてしまった、スイクンとライコウを逃がすというね・・・」


 奴のポケモンがオーキドとウツギに迫った、これから何をされるのか・・・奴らの真意は・・・
 だが、それらを考える前に・・・・・・博士達の意識は途絶えてしまった





続きを読む

戻る