〜能力者への道12・双闘〜



 
 「な・・・ダブルバトルだと!!?」

 「そうだ、さぁお前らの内から・・・代表者を2人選べ!!」

 
 唐突に現れ唐突にバトルを申し込まれた、シルバーが叫んだ

 「待て、貴様の目的は一体何だ!!?」

 「ん? ルール説明か・・・いいだろう、良く聞いとけや。
 このバトルでは『あらゆるアイテムは使用禁止』と『代表者以外は一切の口出し、手出しは無用』だけだ。
 ・・・さっさとバトルだ!! ・・・なんなら俺が代表2人を選んでやろうか!!?」

 「人の話を聞いていないのはどっちだ、莫迦野郎!!」

 「おお、そうか・・・いや失礼だったな。
 いきなり現れてバトルを申し込むなど・・・いいだろう、無礼の詫びだ。
 ・・・先に見せてやろう、俺の出すポケモンはこれだ!!」


 バルーがボールに手をかけ、出したのは・・・『カイリュー』と見たことのないポケモンだった
 おそらくホウエンのポケモンか・・・いや、そんなことより・・・・・・人の話聞けよ!!

 戸惑う皆の中でグリーンとシショーだけが冷静に状況判断をしていた


 「(アイツの目的は一体なんだ・・・? 周りに仲間はいないようだが・・・。
 もしや何処かで昨夜の噴火の一件をかぎつけて、他の仲間が山頂へたどり着くまでの足止めが目的なのか!!?
 ・・・ここは無視した方が良さそうだ、山頂もそうだが・・・アイツに勝てる見込みは・・・無いに等しいからな)」

 『(彼の持つポケモンはカイリューと・・・『ラグラージ』か、レベルも高い、厄介な相手だ。
 ここはどうにかしてこの場を立ち去ろう、戦って勝てる相手かもわからないし、リスクが大きすぎるようだ。
 もしも接戦になったら命の危険も・・・この子らにはまだバトルは早すぎる!!)』

 「よっしゃ、俺が相手になってやる」

 グリーンとシショーが虚をつかれた、言った主は・・・ゴールドだった
 突然の発言にグリーンが口をぱくぱくしている、そして・・・・・・スグに青筋が額に浮かび上がったという
 
 
 「ほう、お前が相手か・・・よし、あと1人代表を選んで貰おうか」

 「そうッスね・・・えーと・・・」





 ・・・レッドさんはっと・・・・・・駄目だな、あれじゃ・・・可哀想にな、船酔いでフラフラだし・・・


 ・・・グリーンさんは、何か怒ってるみたいだけど・・・一応聞いてみようかな?





 「勝手にしろ、俺はやらんぞ・・・さっさと死んでこい!!」





 ・・・・・・スゲ、どうしたんだろーな、一体・・・後はブルーさん・・・って何逃げてんッスか〜!!?


 「オホホホ・・・アタシはパスね、能力者じゃないし・・・解説に回るわね」





 ・・・・・・しょうがねぇなぁ・・・クリスは捕獲モードだし、シショーは・・・戦力外かな?


 ・・・シルバーは論外、誰がアイツなんかと組むか!!


 「むろん、俺もお前とじゃ・・・一生ごめんだな」





 心の中読んでんじゃねーぞ、コノヤロウ・・・となると最後に残ってんのは?





 ゴールドが最後の1人をチラリと見た、本人は逃げだそうとしたがトロくて捕まってしまったようだ
 ・・・ゴールドに捕まりジタバタする最後の1人が半泣きになって言った
 

 「は、放してください・・・ボクは嫌ですよっ!!?」

 「へーきへーき、イエローさんも能力者じゃないッスか。
 ・・・一応俺らしかまともに戦えそうな人がいないんッスから」

 「・・・よし、じゃあ・・・その女子で良いのだな。
 では・・・パートナーとなるポケモンを選べ!!」

 「二人とも人の話を聞いて下さいよ〜っ!!」


 イエローは周りに助け、特にブルーとシショーに求めたが、ブルーは解説になり・・・交代は不可能
 シショーも『もう諦めた方が良いね、応援するから頑張って』と言われてしまった・・・無責任な保護者だこと・・・
 他の人達は配られたマスクをいつの間にか装着していた、先程のルールのためらしい・・・交代不可能


 「・・・・・・わかりましたよ、やりますよ・・・」

 「大丈夫ですって、イエローさん・・・もっと自信を持って!!」

 「そうとも、そうでなければ俺がここに来た意味がないからな!!」

 その言葉にグリーンがぴくりと反応した、少しだけ推理をしてみた


 「(『ここに来た意味がない』、ということはアイツは『指令』として来たワケじゃないってことか?
 となれば・・・ただのチャレンジャー、昨夜の噴火事件には関係なさそうだな・・・ひとまず安心か?
 ま、断定出来ないがな・・・手っ取り早いのはイエロー達がさっさとアイツを倒してくれれば良いんだがな)」

 
 グリーンの思案の間に、一応やる気を出しつつあるイエローが・・・相手のポケモンを観察しだした

 「(カイリューと体色の青いポケモン・・・かぁ。
 カントーやジョウトじゃ見かけないから多分・・・ホウエン地方のポケモンかな?
 あんまり詳しくないけど・・・体色からして、水ポケモンには間違いなさそう。
 ・・・となれば相手のタイプは『ドラゴン』『飛行』と『水』かな?
 じゃあ、こちらは相手に共通した弱点をつけられるポケモンで・・・)」

 イエローがボールに手をかけた、バルーとブルーがぴくりと反応した


 「ボクは『チュチュ』でいきます!!」

 イエローのポケモンを見た解説に回ったブルーの視点、思案・・・


 「(・・・ちょっとぉ〜イエロー、確かにラグラージは水ポケモンだけど・・・実体は『ヌオー』と同じでっ!!
 要するに『水』『地面』なのよ!!? ああ〜解説に回るべきじゃなかったわね、忠告しとけば良かった!!
 でもその代わりカイリュー戦は有利ね、となれば後はゴールドが『キマワリ』を出せばグンと勝率アップね!!
 頼むわよ〜ゴールド、たまには頭のいいとこでも見せなさ〜い!!)」


 一方・・・それを見たゴールドの視点、思案・・・

 「(おっ、イエローさんはピカチュウか・・・あの青色のポケモンは任せろってことだな。
 ま、あれはどうみたって水ポケモンだし、イエローさん1人で充分・・・『キマたろう』は出さなくて良いか。
 となりゃ・・・俺の相手はあのカイリューか、あの巨体を相手に出来るポケモンか・・・ここは相性抜きでいくか)」


 ゴールドもボールに手をかけ、選んだポケモンを出した


 「おっしゃあ、俺はやっぱり『バクたろう』でいくッスね!!」


 それらの結果を見た解説に回ったブルーの視点、思案・・・


 「(あの莫迦・・・よりによって・・・・・・終わったわね、このバトル)」


 バルーはイエロー達のポケモンを見てにやりと笑った、勝利を確信した顔つきだ


 「そのポケモンで異存はないな!!?」

 「おうっ、いつでもOKだぜ!!」

 「(あれぇ・・・ブルーさんの顔がなんか青いや?
 ・・・・・・よく見ると皆の顔も・・・かな、選んだポケモン間違えたかな?)」

 「そこの女子、返事は!!? キチンと返事は礼儀だぞ!!」

 「(・・・・・・この人に言われたくないなぁ) はい、いつでも大丈夫です!!」


 バルーがポケモンを連れてイエロー達の正面に来た、バトル準備完了!!


 「・・・それではダブルバトルを開始します、バトル・・・」

 ブルーがゴングをカァーンと鳴らした、同時に『スタァートッ!!』とやけくそ気味に叫んだ





 ・・・・・・ダブルバトルスタート!!・・・・・・


 バルー(カイリュー♂&ラグラージ♀) VS イエロー&ゴールド(チュチュ♀&バクたろう♂)





 「・・・先手は譲るぜ・・・」


 バルーがにやりと笑って言った、それと同時にイエローのチュチュがとびだした!!


 「言われなくても!! チュチュ、『10万ボルト』!!」


 チュチュの体から電気がほとばしり、相手のラグラージ目がけて放った
 避けることなく・・・・・・10万ボルトは相手に直撃した

 「うっし!! 青っぽいポケモンはこれで戦闘不能、早くも一匹・・・ざま〜みろ」

 「・・・そいつはどうかな?」


 ゴールドが『なにぃっ!!?』と言った、そして『信じられねぇ・・・!!』とまで言った





 何故なら・・・確かに青いポケモンに直撃したハズの電撃が・・・・・・まるで効いてないなんて!!?





 「当たり前だ、俺のラグラージのタイプは『水』『地面』!!
 ・・・当然のごとく電撃は無効、つまり・・・このバトル、俺はタイプ相性の法則に従えばいい!!
 わかるな? ・・・お前らのコンビはこのラグラージ1体で充分だってことだ!!」

 「!!? おいおい・・・・・・マジかよ」

 「・・・・・・絶対・・・絶命の、大ピンチですね」





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