〜能力者への道13・蒸発〜
・・・・・・ファイヤー捜索のためにともしび山を目指すレッド一行
だがその途中の『ほてりの道』で・・・奴が現れた、そいつの名はバルー
・・・人の話を聞かないバルーに強制的にダブルバトルを申し込まれる、レッド一行・・・断ろうとしたら・・・
そんな挑発(?)に誘われ・・・ゴールド自ら参戦、そして強制的にバトル参加をさせられたイエローが何故か挑むことに・・・
・・・バトルスタート、先制はイエロー・・・チュチュの10万ボルトが相手の青いポケモンにクリーンヒットするが・・・・・・
「莫迦な、相手は水ポケモンだろっ!!? なのにどうして・・・」
「莫迦はお前らの方さ、俺のラグラージは『水』『地面』タイプ!!
電撃は総て無効ってわけよ・・・終わったな、お前ら」
「・・・・・・読み違えた、まさか・・・そんな!!」
相手の圧倒的有利にひるむゴールド達、バルーが追撃を放つ
「オラオラ、喰らいやがれ!! ラグラージ、『だくりゅう』!! 目標はバクフーン!!」
「げっ!!? よ、避けろバクたろう!!」
紙一重で攻撃を避けたバクたろう、『お返しだ』と『かえんぐるま』を放つが全く効果がない
カイリューは動かず、イエローが奇襲を試みる
「(・・・もうこれしかない) チュチュ、『でんこうせっか』!!」
素早い足で相手を攪乱し・・・小さな体でラグラージに体当たり、しかしビクともしない
「無駄だっつーの、進化してねぇテメェのポケモンじゃ効きやしない!!」
「うう・・・やっぱりかぁ」
「イエローさん、どうします・・・俺のバクたろうの技はこれだけッス」
と図鑑をイエローに見せる、技の半分が炎タイプで・・・ラグラージ相手では効果が薄そうだ
・・・・・・となれば・・・イエローが小声で話す
「・・・カイリューに狙いを絞りましょう、タイプ相性ならば・・・まだこちらが有利ですから。
ラグラージは後回しです、それしか・・・できることはもう・・・」
「でも・・・悔しいッスよ、負けっぱなしじゃ・・・」
「お喋りはすんだか、ま、先は読めてる。
カイリュー『そらをとぶ』!! 上空で待機してろや」
カイリューはうなずくとあっという間に上空へ・・・チュチュが『10万ボルト』を放ったが遅すぎた
もう遥かに遠く・・・地上に残っているのはタイプ不利のラグラージのみ
・・・・・・勝機はもうないのか!!?
「・・・つまらない勝負だった、情けないな」
「くそ、諦めるかよ・・・『かえんぐるま』!!」
「ちょ、ゴールドさん・・・炎タイプの技はやめて下さい!!?」
ゴールドがきょとんとしている、イエローが言った
「・・・忘れたんですか!!? シショーの言ったことを・・・!!?
能力者との戦いでの特典を・・・『引き算は足し算になる』可能性があることをっ!!?」
「無駄だ、ラグラージ『ハイドロポンプ』」
あくび混じりでバルーが指示した・・・『かえんぐるま』VS『ハイドロポンプ』・・・
炎威力65VS水威力120、タイプ相性で2倍効果・・・65VS240・・・
「呑み込め、炎を・・・弱い火を・・・引き算を足し算に変えろ」
喰らうダメージは本来240−65=175ダメージ・・・覚えているだろうか、最悪のルールを・・・
『能力者特典4・・・引き算が足し算になる時がある』・・・240+65=305・・・
・・・・・・その威力・・・・・・『だいばくはつ』をも上回る・・・恐怖の超水流と化す
かえんぐるまを呑み込み、威力を増した超水流がゴールドを襲う・・・防御は不可能
「う、うわああああああ・・・」
「・・・あっけない最期だったな、水を甘く見るな・・・その水圧はお前を必ず押し潰す」
バクたろうが最期の抵抗と『かえんぐるま』を連続で放つが・・・逆効果としか言いようがない
この水量・・・蒸発しきれない、勝てるはずがない・・・絶望したゴールドの前に・・・
「ゴールドさん、ここはボクに任せてください!!」
イエローが超水流の目の前に立つ、ゴールドはあっけにとられた・・・
激突する一瞬に我に返り、イエローに叫んだ
「な、なにを無茶な・・・そんな水流に敵うわけないじゃないッスかぁ〜!!」
「いえ・・・・・・ボクに秘策があります」
「・・・面白い、やってみろ!! その秘策を、この超水流の前で!!」
バルーが叫ぶ、イエローがチュチュに指示をした
「ありったけの『10万ボルト』をぶつけるんだ!!」
周りがポカンとした・・・・・・そして全員が心の中で『なんじゃそりゃぁ〜!!?』と叫んだ
そして、その後・・・何人かは気付いた・・・『もうそれしかない、もしかすれば逆転もあり得る』と・・・
チュチュが10万ボルトをぶつけた、電気のバリアーと化し・・・超水流が一時的に止まった
「う・・・わぁ、スゲ・・・で、でも無茶ッスよ、もうもたない!!」
「黙って見ていて下さい・・・勝てるかもしれませんよ、うまくいけば」
「・・・・・・へっ?」
・・・・・・そういえば、超水流の勢いが鈍った気がする・・・気のせいだろうか?
ブルーが体を乗り出して言った、『やっと出番ね』と言いながら
「これはすごい、一発逆転もあり得るわよ〜!!?
そもそもこれだけの水流を消すには一般的には『蒸発』が基本、でも・・・実はそれだけじゃない!!」
『そう、「電気分解」だ!!』
シショーの言葉にバルーがハッとなり、ゴールドはきょとんとしている
グリーンがマスクをはがして説明をした
「知らない人のためにだ、ルール違反じゃないぞ。
そもそも『水』とは『水素』と『酸素』の化合物である。
『電気分解』とは水をそれらの物質に分解するというものだ。
『酸素』は『モノを燃やす働き』があり、『水素』は『急激にモノを燃やし、水を形成する働き』がある。
皮肉なものさ、炎を消す水の基がモノを燃やす働きをもつものとはな・・・」
「・・・・・・ええと、つまり・・・」
「コラ、そこ!! ルール違反だ、人の話を聞け〜!!」
突然バクたろうの体の炎が急に強くなった、あまりの強さにバクたろう自身が炎を引っ込めたほどだ
それを見てイエローがにっこりと笑った
「さて、ゴールドさん。 今日は良い天気ですね、きっと『にほんばれ』と同じくらい効果がありますよ。
・・・ここら一帯は水素と酸素が多くなりました、さて・・・・・・この状態で炎タイプの技はどうなるでしょうか?」
イエローに言われ、ゴールドがポンッと手を叩いた、どうやら理解したらしい・・・
バルーが慌てて空へ向かって叫んだ
「ばっやめ・・・カイリュー、『あまごい』だ!! 曇らせろ、って・・・聞こえてないのか!!?」
「あ〜〜〜あんなとこまで上がりゃ無理ないッスよ」
ゴールドが上空を見て言った、そしてにやりと笑った
「・・・んじゃ、ま・・・やりますよ〜バクたろうの最強の技〜」
バクたろうの炎が赤々と燃え上がる、『スタンバイ』とゴールドがポーズを取って言った
その様子を見てグリーンが『皆、伏せろ!!』と叫んだ
「イエローさん、その水流・・・もう威力は100以下ッスよね?」
「ええ、多分・・・タイプ相性を越えてやって下さい。
・・・ついでに呑み込んでやって下さい」
「オッケ〜いきましょか・・・」
バルーは未だに叫び続けている、ゴールドの目がキラーンと光る
「お〜〜〜い、カイリュー・・・『あまごい』だってばぁぁぁ・・・聞こえないのかぁ〜〜〜!!?」
バルーは必死で叫ぶ、ゴールドがやっとその技を言った
「喰らいやがれ、バクたろうの・・・『オォォォォバアァァァッヒィィィットッ』!!」
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