〜能力者への道26・赤覚〜



・・・難なくオニドリル軍団を蹴散らしたレッド達、司令塔無しでは相手にもならなかったようだ


 倒したその数は100を越え・・・手持ちのポケモンのレヴェルも上がった・・・この経験はいつかは力になる


 しかしながら・・・これだけの軍をあの大オニドリル1体が指揮していたとすれば、間違いなくバケモノだ・・・


 ・・・イエローとシショーの後を追うべく、捕獲したオニドリル軍団に巣まで案内してもらおうと思ったのだが・・・


 ・・・・・・様々な理由から失敗に終わる、興奮して手が付けられなかった・・・ただ一人を除いては


 レッド、彼1人だけあの凶暴なオニドリルに懐かれた・・・・・・そして、それが彼の『トレーナー能力』という可能性・・・


 ブルーに言われ、渋々『想像』を働き・・・・・・そして、目に見える程の変化が起こったのだった










 皆はただ唖然としていた、いや・・・本人が一番気の毒かもしれない
 ・・・レッドの身体はうっすらと赤く光って・・・一見綺麗に見えるが、本人は気が気じゃないようだ
 身体をばたばたと動かし、必死で光を払おうとする・・・周りは何だか手が出ない
 ・・・・・・そしてその甲斐あってか(?)、光は間もなく消えた・・・一番安心したのも本人に違いない


 レッドが光ったのに驚いて後ずさり、離れていた皆が様子を見に戻ってきた・・・・・・
 心配してはいたのか、そう思ったのだが・・・ブルーの開口一番は・・・


 「・・・・・・ねぇレッド、アンタなんか変なもの食べた?」

 「誰が食うか! 皆と同じものしか、食べてないっつーの!」

 「・・・それもそうよね、何か拾って食べた?」

 「何で食べ物の方に、話をそらすんだよ! 拾い食いする程、浅ましくないっての!
 それよかブルー、お前が変なことをそそのかすから、こうなったんじゃないのか!!?」

 「何、アタシの所為だって言うの!!?」


 ぎゃあぎゃあと口喧嘩が始まった、慌ててクリスが間に入る・・・残りの二人はただ傍観している
 ・・・・・・その様子に見かねたわけでは無さそうだが、その口喧嘩にグリーンも参戦した


 「おい、レッド・・・もう一度、クリスと『オニ』を交換してみろ」

 「何だよ、もう用もないし・・・あんまりやると、可哀想じゃんか」

 「いいから、やれ!」


 レッドは首を傾げながら、『オニ』の入ったボールをクリスに手渡そうとした
 クリスもとりあえず、そのボールを受け取ろうと・・・手を伸ばした










 ・・・そして二人の手が近づくと同時に、『オニ』のボールはそこから弾き飛ばされた






 「!!! ・・・・・・ッ・・・」

 「・・・・・・大丈夫か、クリス!?」

 「これで、決まりだな」


 そう言うと、グリーンが『オニ』のボールを拾おうとする・・・が、スグに衝撃と共に手を引っ込めた


 ・・・・・・まさか、ここまでとはな・・・


 そう、これは電撃にも近い衝撃・・・おそらくもう、このボールに触れるのはレッド本人だけだろう
 ・・・うずくまるクリス、レッドがクリスの手を無理矢理開いてみせた・・・

 「・・・・・・何でだよ」

 「私は平気です、見た目程痛くありませんし・・・」


 クリスの手の平は火傷のような跡が残っていた、本当に電撃を受けたように・・・
 ブルーが薬をさっと塗って、レッドのハンカチで患部をしばった


 ・・・・・・俺、どうしちまったんだ・・・


 レッドが先程まで『オニ』を持っていた手の平を見る、いつもと変わらないはずの俺の手・・・
 あの光の所為で超帯電体質になってしまったというのか・・・いや、それも違う・・・
 ・・・・・・手が震える、俺は一体・・・どうなったんだ! あの発光で!





 「能力者になったんだよ、お前は」


 グリーンの言葉に、レッドはハッとなった・・・俺が、『能力者』にだって・・・
 無言でグリーンは『オニ』のボールを指した、「早く拾ってやれ」と言うように
 レッドはそれに従い、ボールを拾った・・・・・・触れる、俺だけが・・・


 「・・・グリーン、どういうことなの?」

 「・・・・・・覚えているか、シショーの言った『能力者』についてを」

 「えっと・・・『能力者特典』のことと・・・!!!」





 !!! そうだ・・・・・・『能力者のデメリット』について・・・だ


 「そう、能力者は『能力者同士、または一般トレーナーとの交換が出来なくなる』んだ!
 そしてレッドの発光の後、再度交換をさせたが・・・結果は知っての通りだ。
 レッドは『懐き度』についての『想像』により、能力として完全に『覚醒』したことに他ならない!」

 「・・・・・・俺が、能力者になったって・・・」

 「・・・シショーのヤツ、発光現象のことについて、何にも言ってないし!」

 「そうだな、その辺はまた詳しく訊かないとマズいな・・・」

 「そもそも、能力者修行には・・・」


 グリーンとブルーが当の本人を無視して、話しだしてしまった・・・
 レッドがおそるおそるその間に割り込んだ、二人の話では何故かモルガンが登場していた


 能力者の話題で、何故・・・『ド・モルガン』(数学者)の名前が・・・?


 「あのぅ・・・俺って『懐き度』に関する能力者になったんだよな?」

 「そうだろう、おまえがそうキチンと『想像』したようだしな」

 「それなんだけどさ・・・どういう風に役に立つと思う?」


 ・・・・・・そういえば・・・・・・そうだよねぇ、どういう風に役に立つんだろうか?


 「確かに、バトル面では『おんがえし』ぐらいしか思いつかんな」

 「育てなら・・・ゴルバットを『クロバット』、ラッキーを『ハピナス』にするとか?」

 「あと、『トゲチック』だとか・・・イーブイを『ブラッキー』、『エーフィ』にするのは有名ですし」

 「・・・・・・だよなぁ、俺も、そのぐらしか思いつかなくて・・・」


 レッドがため息をついた、この能力・・・応用がきかないんじゃ、大して役に立つとも思えない
 ・・・ちなみにシルバーは、一度も発言していないので、あしからず・・・・・・協調性のなさすぎ・・・


 「・・・ま、シショーと応相談だな」

 「はぁ・・・・・・あ、クリス、手ェ平気か!?」

 「え、大丈夫ですってば・・・そんなに心配しなくても」

 「あとで何か皆におごってあげなさいよ、年頃の女の子を傷ものにしたんだから」

 「なんで『皆』なんだよ!」


 レッドがブルーに文句を言っていると、グリーンの怒鳴った


 「いい加減にしろ! レッド、さっさとオニドリルを出して巣まで案内させろ。
 他の皆は各々の飛行ポケモンで先へ進む、非常事態だ、飛んで山頂を目指すぞ!」

 「おう、わかった・・・初仕事だ、『オニ』! 巣まで案内してくれな」

 『グェー』

 レッドが『オニ』に飛び乗った、グリーンもリザードンに乗り込んで・・・・・・
 ・・・いつの間にか、グリーンの後ろにちゃっかりとブルーが座っていた

 「降りろ」

 「い〜〜〜やっ、アタシ鳥ポケモンいないんだもん」

 「降りろ」

 「嫌」

 「・・・・・・勝手にしろ」

 「もう、してるけどね」


 クリスの手持ちには大型の鳥ポケモンはいないので、『なみのり』時と同じようにレッドと相乗りになった
 シルバーは既に『ヤミカラス』につかまっていた、これで飛行手段は整った・・・


 「行こう、山頂に!」





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