〜能力者への道30・巣穴〜




無事、レッド達と合流することが出来たイエローとシショー


 そして互いに、何があったのかを伝えることに・・・レッドは『発光』後、能力者になったことを言った


 しかし・・・シショーは発光のことについて、全く知らなかったようだ・・・では、一体何だったのだろうか?


 イエローの情報は、巣の在処と断片的な王オニドリルの思考だった


 巣の在処は助かるのだが・・・ゴールド誘拐の意図は、以前謎のままだった
 

 一通りの情報交換の後、皆は山頂付近にあるというオニドリル達の『隠れ巣』へと向かう


 ・・・・・・目の前に、山頂へ続く一本道をふさぐ大岩、この先に・・・何かが居るのだ


 しかし、今はその時じゃない・・・ゴールドを救出するべく、グリーン達が谷間へ降りようとすると・・・










 「ゴールドッ!!? あなた一体、どうしてここに!!?」

 「おう、そのことなんだけどよ・・・おお、我が相棒達よ!」


 ゴールドの手持ちポケモンが一斉に駆け寄ってくる、ゴールドは彼等を抱きしめた後ボールに戻した
 ・・・・・・見ればゴールドの姿はボロボロで、服も所々破けているが、それ以外に変わった所は無い
 疲れてはいるがいつもの笑顔で・・・変わった所と言えば、背中にしょっていたリュックを前にもってきていたぐらいだ


 ・・・・・・生きていたのは、確かに嬉しい・・・しかし、妙にムカつくは何故だろう?


 無言でゴールドに近づくグリーンとブルー、クリスも・・・笑顔でゴールドはそれを迎えるが・・・・・・
 ・・・ブルーはゴールドの頭を殴り、クリスは背中を蹴り、グリーンは胸ぐらを掴んで凄んだ


 「一体何があったのか、包み隠さず全て言え」

 「・・・・・・はぃ」


 相当に怒っているようだ、まぁ・・・・・・無理もないか






 「んーと、どこから話しましょうかねぇ」

 「全部だ」

 「・・・・・・まだ怒ってるんッスね、わかりました。 イエローさんが俺を見失ってから、その後から話しましょう」










 「・・・・・・うぷっ」


 ・・・イエローさんを振り落とすために、あの鳥ヤロウ・・・かなり無茶しましてね
 実際最悪でしたよ・・・・・・もうギリギリの状態でした
 最初は派手に抵抗していたんですけどね・・・その気も失せましたよ、今思いだすだけでも気分が・・・


 10分ぐらい経って、気分も大分良くなった頃・・・・・・に、ここら辺に来て、谷間へ降りてったんッス
 その時もまた・・・下から、ビュンビュン風が吹くわけでしょ、グラグラ身体が揺れるんッスね
 ・・・ええ、再発しましたよ・・・地獄見てきました・・・・・・ウッ、また気分が・・・・・・





 ・・・谷間をスゥーッと飛んでると、その・・・崖っていいますか、そんな所のど真ん中に『洞窟』みたいなのがあったんッスよ
 そこに鳥ヤロウと俺は入っていったんです・・・そこが多分、『隠れ巣』ですね
 だけどミョーな所でね、大体洞窟のでかさは・・・あの鳥ヤロウが楽々入れるぐらい、かなり大きかったッス


 そんでもって、洞窟に入ると当然の如く、風もなくなって・・・俺はドサッて放り出されたんッスよ・・・


 「ア、アタタタタタ・・・うぇっ、気分悪っ!」

 『グエーッ』

 「・・・・・・やい、お前・・・俺を何の目的で・・・うぇっ、ここに連れてきた・・・・・・ううう・・・」


 ・・・・・・いや、本当に情けなかったッスね。
 そんで、一応自由になったんで、帰ろうとしたんですけど・・・足腰が立たなくて・・・


 それなのに、お前の所為でフラフラになっている俺を、鳥ヤロウは・・・突っつくんですよ!

 「痛ェっ、何しやがんだ、コノヤロ・・・うう・・・」

 『グ、グェーッ!!』


 王オニドリルがゴールドの尻をお構いなしに突っつく、ゴールドは跳び上がった
 そして、奥へ奥へとおいやろうとする・・・・・・たまらず訊いた

 「な、なんだァ!? お前・・・俺を奥に連れていこうってのか!!?」

 『グェー』

 「じょ、冗談じゃねぇよ! 俺は帰るん・・・うげぇ」

 ゴールドの足がもつれる、そして洞窟の出入り口では王オニドリルが待ちかまえる・・・・・・負けた


 「・・・わ、わかったよ! 行きゃあイイんだろ、行きゃあ!」

 『グェー』


 王オニドリルも納得したのか、そのまま突っつかずに・・・ただ後をついてくる
 逃げないように見張るためだろう・・・しかし、ゴールドは体力が回復したらトンズラする気でいた
 機会をうかがいながら・・・ゴールドが渋々、その洞窟の奥へと進んでいった





 ・・・・・・不思議な、洞窟でしたね。 あちこちの壁に彫刻がしてあるんッスよ・・・見たことがあるような、無いような・・・ヤツでした
 その上、足元を見ればなんと・・・段差みたいな、階段っぽいのが・・・床にキチンと滑り止めみたいなのがあるんッスよ!
 本当に人工物・・・でも、随分と年季が入っていて・・・・・・超古代文明の遺跡っぽいって言ったら、笑いますよね?


 奥へ奥へと歩いていくと、何となく・・・どんどん惹かれていくんッスよ
 体力はもう回復していたし、逃げようと思えば逃げられたと思います・・・・・・え? あれが相手じゃ無理?
 ・・・・・・ともかく! 俺はなんでか離れられなかった、逃げる気がなくなっちまったんッスよ!


 ・・・しばらく行くと、オニドリル達の居住区域って言えばイイんッスかね? しかも明かりがある!
 いきなり・・・無駄に広々としているトコに出たんですよ、大体・・・高さ15m、幅60mぐらい?
 ドーム状になっていて、明らかに人工物な柱があって・・・そんでもって辺り一面、オニドリル達の巣でした


 「・・・オイオイ、まさか・・・俺を集団リンチしよぉってお話じゃ・・・」


 ゴールドの顔がさっと青くなった、しかし・・・違ったようだ
 王オニドリルはまたゴールドの尻を突っつきだした、『先に進め』と言いたいらしい


 「わぁった! わかったから、尻突っつかないで! 頼むから!」

 『グェー!』

 「(・・・ったく、人使いの荒いヤツだぜ。 この扱い・・・・・・あ、俺ってばポケモン以下?)」


 ・・・・・・幾分かショックを受けたようで、足が遅くなる
 それを見て、急かすように王オニドリルが突っつく・・・そしてまた、扱いに対して落ち込む
 ・・・正に悪循環。 こうしてゴールドはまた更に奥へと進んでいった





 オニドリル達の居住区域・・・を抜けても、その洞窟は狭くなることはなかった
 むしろ・・・どんどん明るくなっていくようだ、そういえばこの明かりは・・・どこからくるんだろう?
 ・・・まさか電気がきているわけでも無いし、何ていうか・・・洞窟自体が光ってる感じでしたね
 ひかりごけとか、発光塗料が塗ってあるわけでもない、もっと・・・柔らかくて、温かい光でした


 ・・・・・・そして、ようやく終点ですよ。 意外と長くて・・・山の向こう側に突き抜けちまうかと思いました


 


 「・・・あ゛あ゛? 行き止まりかぁ?」


 目の前は確かに壁があって、先へ進めそうにない・・・ゴールドは王オニドリルへ向かっていった

 「やいやい、どうなっているんだよ!!? ここで俺をどうしようって話なんだ!!?」


 そう言うと、王オニドリルは壁の一部を突っついた・・・そしてその場所はガクッと沈んだ
 ・・・・・・『隠し扉』、初めて実物ってヤツを見ました
 そして同時に、この先に何があるんだろうって・・・ワクワクしました


 扉が上がっていく・・・ゆっくりと、しかし確実に・・・・・・そして、完全に開ききった


 「うッ・・・ま、まぶしい!!」


 その中の部屋は今までで一番光り輝いていました、目ェ開けていらんねぇ程に・・・
 ・・・・・・そんでも、俺は手探りでも良いから、その先に進みたくなりました
 もの凄ぇ・・・惹かれていくっつーか、魔力みてぇな・・・そんな感じです


 好奇心とも違う・・・冒険心でもない、そうあれは・・・・・・





 ・・・・・・一種の『使命感』。 ・・・俺はここに来なきゃいけなかった、そんな気がしたんです


 最初の内は、まぶしすぎて何がなんだかわかんなかったけど、次第に目も慣れてきたんです
 そんでもって・・・なんだろう、部屋の中央に巣があったんッスよ
 王オニドリルもそこへ行くように、言っているらしいし・・・とりあえず中央へ行きました


 「・・・・・・『タマゴ』だ」


 その大きな巣には3つ、どれも莫迦でかいタマゴが置いてありました
 ・・・・・・そして、その大きさから・・・この鳥ヤロウのタマゴだとも、すぐに見当がつきました


 「・・・何か? くれんのか?」

 『グェー』


 王オニドリルがうなずき、そしてゴールドの目をじっと見ました
 そして・・・また理解できた、持っていっても良いのは『1つ』だけだ、と


 ・・・・・・俺は、適当に・・・真ん中のを選びました
 別に意味はなかったんッス、ただ一番でかそうなヤツ、選んだだけなんで・・・


 


 ・・・その後ッスか? ああ、その後は王オニドリルに・・・この辺まで送ってもらいました
 相変わらず、持ち運び方も何も・・・俺を無視したもんでしたけどね










 「・・・・・・つーわけで、俺がこの辺で降ろされ、そんでもって・・・皆を見つけたんッスよ」

 「・・・成る程な、一応筋は通っているな。 で? その肝心の・・・」

 「タマゴッスね? ホラ」


 ゴールドが前にもってきていたリュックサックから、その・・・莫迦でかいタマゴを取り出して見せた
 ・・・成る程、これで何故リュックサックが前にきているのかわかった
 王オニドリルから貰った大切なタマゴを護るため、こうしているわけだ・・・ゴールドにしては、よく考えている


 「わ〜、もっとよく見せてください!」

 『うん、王オニドリルのタマゴ、かなり興味があるよ! これでゴールドの「把握」も出来るね!』


 ゴールドが持っていたタマゴを皆が、わいわいと回して見ている
 いつもなら、それに加わるはずのゴールドが、グリーンに深刻そうな顔をして訊いた


 「・・・どうなんでしょう? あそこ・・・本当に超古代文明とか、そういうものだったんッスかね?」 

 「超古代文明か・・・・・・見なければ、わからないが、人工物としての可能性は大いにある。
 オニドリルのクチバシを以て、土木工事のようなことをさせるという話は、訊いたことがある。
 何らかの目的でそこを・・・洞窟を掘らせ、その後用済みになったオニドリル達をトレーナー達が逃がした。
 そして野生化・・・よくある話だな、もっともオニドリルはあの翼で海ぐらい簡単に渡れるがな。
 崖に掘られた洞窟・・・一体何に使われたのかは知らんが、使われなくなってしまったその洞窟を・・・オニドリル達は巣とした。
 ・・・・・・もしくは、オニドリル達が自らの意志で、その洞窟を掘ったのか、だな。
 だが、それにしたってわからないことだらけだ。 何の目的で、誰が掘ったのか? 
 何故岩壁が光るのか・・・彫刻、柱、隠し扉、その先の部屋。
 ・・・ひとつだけ、わかることがある。 ・・・・・・今の俺達ではわからない、だ」


 グリーンがふっとため息をついた、ゴールドが鼻をこすりながら言った

 「・・・そうッスね。 でも、一体・・・・・・俺が感じたのは、何だったんッスかね」

 「さぁな、さて・・・・・・俺もあのタマゴを見せて貰うとするか」

 「へへっ、どうぞどうぞ」


 そう言って、グリーンとゴールドも皆の輪へと加わっていった
 ・・・・・・完全に、8人は合流することに成功した


 後は・・・山頂へ行くだけである





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