〜ぷろろーぐV・フカシギ〜
「俺のカイリキーが奴のブラッキーの『サイコキネシス』でやられたのはわかるが・・・。
レッドのピカだけは納得できない、あり得ないんだ・・・」
「ディックって奴・・・魔法でも使ったのか?」
「・・・魔法と言えばアタシ達の相手だったリサって子もそうね。
あの子のバトルも・・・普通じゃ考えられない程にあり得ないんだから・・・」
「オホホホホ・・・楽しかったわね、イエロー」
「・・・・・・ええ、まぁ」
アタシ達はタマムシデパートでの買い物を楽しんだ後、7番道路で歩きながらお喋りをしてたのね
「なにさ・・・イエローは楽しくなかったの?」
「・・・・・・お願いですから、その・・・デパートの品物の値段を値切らないで下さい」
「別に良いじゃない、そ・れ・に・・・アタシに便乗してこんなに買ったのは誰でしょうね〜」
ブルーが大荷物を左手に集め、右手でイエローのおでこをつつきだした
そんな器用な真似が出来ないイエローは防御も出来ず、涙目になって耐えている
そんな風にしていた時、その女性は空から・・・フライゴンに乗って現れた
「・・・片手でポケギア持ってて、さっきまで通話してたみたいな感じだった・・・。
赤髪でポニーテールみたいな髪型してて、ちょっとワイルドなイメージだったわ。
それでいてなかなかの美人だったけど・・・アタシには及ばなかったわ」
辺りに微妙な空気がただよう・・・ブルーが周りをじろりとにらむ
「・・・・・・話、続けるわね」
突然名前を聞かれて、返事したら・・・いきなり「テスト開始♪」とか言った
「テスト・・・?」
「そう、要するに私とポケモンバトルして欲しいのよ、出てきて! 『バシャーモ』!!」
上空から飛び降りてきたのは『炎』『格闘』ポケモンのバシャーモだった
フライゴンといい、バシャーモといい・・・もしかしたら彼女は『ホウエン地方』の出身なのかもしれない
「い、いきなりですかっ!!?」
とまどうイエローにその女性はため息をついた・・・
「そうよ、時間がないからね、タイプ相性くらい知っているんでしょ?
早くポケモン出しなさいよ・・・」
「・・・イエロー、出しなさい、そうね・・・『どどすけ』が良いわ。
アタシは『カメちゃん』を出すから・・・荷物はこの辺に置きましょ」
「・・・・・・どうして戦うんですか?」
「戦わなきゃいけない気がするのよ、よくわかんないんだけど・・・」
イエローは『格闘』対策で『ノーマル』『飛行』タイプのドードリオを・・・
ブルーは『炎』対策で『水』タイプでお馴染みのカメックスをそれぞれ出した
・・・それらのポケモンを見て女性は満足げにうなずいたのだった
「セオリー通りって奴かしら? 奇策は無しみたいね」
「じゃあ、始めましょうか・・・イエローも準備はいい?」
「・・・はい」
ブルーとイエローが身構える、女性はにっこりと微笑んで言った
「先手はどうぞ、お先にね」
「・・・・・・何考えてんだ? そのリサって奴は」
「普通はこういう場合・・・先手を取りたがるものだが・・・」
「私達は今は聞く立場でしょ、静かに聞きましょ・・・次は私達が話すんだから」
「・・・じゃあお構いなく、カメちゃん! 『ハイドロポンプ』!!」
背中の大砲から水流がほとばしる、そして・・・・・・避けることもせずに相手に直撃した
・・・・・・『こうかはばつぐん』のハズなのに、一向にきぜつしない・・・ブルーがたじろいだ
「バシャーモ、そのまま直進して」
「「!!!!??」」
命令通りに水流をものともせずに・・・バシャーモが近づいてくる、それどころか走ってきている
一瞬あ然としていたためか、イエローの指示が遅れた
ブルーの呼びかけでスグに我に返ったイエローがどどすけに指示を出した
「どどすけ、『ドリルくちばし』!!」
「カメちゃん、もっと勢い出して!!」
どどすけがバシャーモへの間合いを詰めていくが、指示が遅れた所為だろう
・・・それより先に水流を受けているはずのバシャーモとカメックスとの間合いが0になった
「バシャーモ、『ブレイズキック』」
カメックスが遥か後方へ・・・十数m吹っ飛んだ、近づいて見れば『やけど』状態までなっている
その間・・・わずか数秒の時にどどすけとバシャーモの間合いが同じく0になった
・・・・・・ドリルくちばしが決まるか否かの瞬間に、どどすけは『スカイアッパー』によって上空へと殴り飛ばされた
「ブルーは不合格で、イエローは合格ね。
さてと・・・ディックの様子でも見に行くか・・・まぁたサボってるんじゃないでしょうね」
「ちょっと、まだカメちゃんは戦えるわよ! 勝負はまだついていないわ!!」
「・・・・・・すごく強いんですね、それより合格ってなんなんですか?」
フライゴンに乗った女性はにこりと微笑んで言った
「・・・言葉の通りよ、私の名前はリサ・・・『The army of an ashes cross』の四大幹部が一人よ。
そして・・・これ以上のことが知りたかったらオーキド博士に聞きなさい」
「・・・実際の所ね、空を飛んでたし・・・声が良く聞き取れなかったのよ。
聞こえたのはリサって名前とオーキド博士ぐらいだったの」
「まさに魔法だな、炎が水の攻撃を受けて平然としているなんて・・・」
「タイプ相性を完っ全に無視してやがんな・・・・・・だけどこっちはもっとやばかったッス」
ゴールドの言葉にシルバーとクリスがうなずいた、シルバーがぼそぼそと言った
「俺達の話は少し長くなるかもしれないから・・・黙って聞いていて欲しい」
クリスは誰よりも表情が暗く・・・泣きそうな顔で言った
「私はもう・・・・・・あの人とは戦いたくないです」
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