〜ぷろろーぐW・バクハツ〜
どこから話しましょうかねぇ・・・一応最初からいきましょう
始まりは今日の朝・・・昼前です
「ふぁ〜あ、よく寝た」
ゴールドが自分で髪をすいた、机の上のポケギアが新着メールのお知らせとピカピカ光ってた
のそのそと緩慢な動きで手に取ると、珍しい・・・相手はウツギ博士だった
『ゴールド君へ
至急話したいことがあるので、僕の研究室に昼前には来て下さい。
ウツギより』
「・・・・・・あ〜ぁん? 昼前ぇ〜・・・って今何時?」
ゴールドがくるりと時計の方を見た・・・・・・11時25分
此処から研究所まで・・・30分・・・昼前=12時前?
「・・・・・・やべぇ〜、まじぃ・・・支度だっ! 遅刻するっ!!」
超特急で服を着替え、焼いてもいないパンをかじって家を慌てて飛びだした
いつもなら・・・8時を過ぎた時点で、母さんに起こしてもらうのだが・・・
今日はあいにく朝から出掛けていたのだった・・・エイたろうも寝入っていたらしい
もの凄いスピードをスケボー出して、郊外の研究所に向かった
人にぶつかりそうになりながらも、今まで一度もぶつからなかったのは奇跡に近かった
「やっぱ、俺ってスゲーのかも」
と・・・浮かれたその瞬間、やっぱりぶつかった
そのぶつかった相手は女の子で、どこかで見た後ろ姿・・・俺は慌てて寄って見た
「痛いわね〜、気をつけなさいよ・・・・・・ってゴールド!!」
「やっぱお前かぁ〜、後ろ姿でわかるぞ、その髪型」
「・・・ってことはわざと、ってことかしら」
「・・・・・・違います、許して下さい」
わざとらしく土下座をしてみる、クリスはため息をついた
「で? ・・・ゴールドも呼ばれたわけ?」
「んじゃあ、クリスも・・・ってこたぁシルバーもか?」
「呼んだか?」
声につられて上を見てみると・・・ヤミカラスにつかまったシルバーがいた
ボールに戻してスタっと地面に降りた、相変わらず・・・無愛想な顔だこと
「久し振りだな。 ゴールド、クリス」
「お互いにね、あなたもウツギ博士に?」
「ああ・・・でも何でウツギが俺のアドレス知っているんだ?」
「それならブルーさんでしょ、やっぱり・・・」
「・・・俺を無視すんなよ、先行くぞ」
ゴールドがふてくされて行ってしまう、二人が慌てて追いかけていった
現在時刻11時45分
「・・・おかしいと思わない?」
研究所に着いた途端にクリスが言ったのがキッカケだった
「何がだよ・・・」
「だって『昼前』よ? そんなの人によってまちまちじゃない・・・普段なら時間を指定してくれるわよ。
『3人』に話があるなら・・・そうでしょ?」
「そういえばそうだな。 ・・・一理ある、だが結果的に3人は同時に集まった」
「そんなん、どうでもいいじゃねぇかよ・・・メールの内容ぐらいでいちいちさ。
・・・呼び鈴押すぞ、変な勘ぐりはよそうぜ」
ゴールドが呼び鈴を押したが・・・返事は返ってこなかった
その代わりに・・・研究所が爆発したんだ、ドアごと俺達は吹っ飛んだ
今考えてみりゃよ・・・呼び鈴が爆弾の起動スイッチだったんだな・・・
「な、な、なんだこりゃぁ・・・博士・・・・・・おい、博士は中に居るんじゃねぇのかっ!!?」
「急いで中に入るぞ、『キングドラ』! 『みずのはどう』だ!!」
シルバーの技で研究所に入った俺達はウツギ博士らを捜した
俺はニョたろうで『みずでっぽう』で消火を担当した
シルバーはリングマでがれきをどかしたり・・・力仕事を担当した
クリスはネイぴょんで要救助者の意識を探った
どのくらい作業を続けていたんだかわかんねぇ・・・消しても消しても爆発は止まんなかった
シルバーの話じゃ『水』に反応して爆発する火薬もあるらしいから、むしろ逆効果だったかもしれなかった
シルバーも必死になって探してみたが・・・居るはずの人達はいなかった
それでも意地でも探し出すって感じだった・・・いつもとは全然雰囲気が違ったよ
そうやって探している間・・・俺達は奇妙な感覚にとらわれていた
なんて言うかこう・・・俺達をずっと見ていたんだ、誰かが・・・ずっと・・・
「ねぇいったん外に出ましょう、ネイぴょんで探したけど・・・誰も此処には居ないのよ」
クリスの言葉を無視してでも・・・意地でも探そうとしていた俺らに、クリスがちょっとキレたらしい
・・・んで・・・・・・気付いたら外にいた、どうやら殴られたらしい・・・女って怖ぇよな
「・・・・・・アタタタ・・・乱暴だぜ、クリス」
「聞かないのが悪いのよ、とにかく呼ばれたのに誰もいなかった・・・それだけは確かね」
「と・・・言うことはこの騒ぎ、2つの可能性がある。 ひとつはウツギ自身が仕組んだものか。
・・・そしてもうひとつの可能性は・・・」
「その通り、メールを出したのはウツギでは無い、別の誰か、と言うことだ」
・・・俺達が感じていた視線のような何か、それはコイツの眼だったんだ
俺達が一斉に声の向きへ振り向くと・・・奴はそこにいた
灰色の軍服みたいな服を着ていて、その上に白マントを羽織っていた
髪はオールバックっていうのかな、それと白髪で、腰にはサーベル刀があった
・・・・・・そして忘れられねぇ、あの・・・冷たい眼だ
「テメェが・・・研究所に爆弾仕掛けたのか!!?」
「ああ、そうだ。 ・・・これよりテストを行う、放棄することは許されない」
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