〜ぷろろーぐX・シショー〜




 「テスト・・・だって、一体何の話だ?」

 「問うのは良いが、放棄は無しだ・・・目的を聞いて逃げ出されたらたまらんからな」

 「じゃあ、もう一度だけ・・・研究所の人達はどこですか?」

 クリスの問いに軍服の男が放り捨てるように言った

 「知らない、以上だ・・・他に無いならテストにうつる。
 テストとは無論、ポケモンバトルのことだ、自分が一番頼れる奴を一体ずつ選べ」

 「と言うことは順番にか・・・俺が最初に相手だ、『オーダイル』!」

 シルバーが出すのを見て、俺達もボールに手をかけようとした・・・が奴はため息をつきやがった

 「なにやら勘違いをしているようだ、俺は『3対1』を望む」

 「「!!!!??」」

 「ふざけてんのかテメエッ!! 『ダブルバトル』なら聞いたことあるが『3対1』は無いぞっ!!?」

 ゴールドの鼻息が荒くなった、研究所を爆破したことに相当頭にきているらしい
 だがそんなことには耳も貸さず、平然と言った

 「世間一般など俺達能力者の基準にならん、行け! 『ジーク』よっ!!」


 出てきたのは『スピアー』だった、それを見てゴールドが大笑いした

 「何だテメエのポケモン・・・貧弱そうだぁ、俺は『バクたろう』でいくぜ」

 「私は・・・タイプ相性無しで『メガぴょん』でいきます、この子の育った家を壊すなんて許せません!」

 「いいだろう、この研究所で貰い受けたポケモンで敵討ちとは・・・だが相手にならんな」










 ・・・・・・かろうじて見えたのは一瞬だった・・・二番目にやられたクリスのメガぴょんが・・・倒れる瞬間だった
 奴の『ダブルニードル』で・・・一撃だった・・・俺らはどうしてやられたのかすらわからなかった





 「・・・・・・言ったハズだ、相手にならんと。
 図鑑所有者No005 シルバー、適正アリ
 図鑑所有者No006 ゴールド、合格
 図鑑所有者No007 クリスタル、不合格と見なす」

 「テメェ・・・一体何者だっ!!?」

 奴は不敵に笑って・・・言った


 「・・・ジーク、『The army of an ashes cross』の四大幹部が一人」

 「・・・・・・聞いたことがない組織だが、目的は何だ!! 俺達をテストしてどうする!!?」

 「質問タイムは既に終わっている、最初に言ったはずだ。
 ・・・これ以上のことが知りたければオーキド博士に聞くがいい」


 そう言って・・・奴は『けむりだま』を取りだし、それを幾つも放った
 ・・・・・・煙が晴れてみれば、当然のごとく奴はもう居なかった・・・










 「・・・それで全部?」

 「ええ、言い漏らしは無いと思います」

 しばらく考えこんでからグリーンが言った

 「これで見えてきたな、今日の俺達の共通点が・・・。
 ひとつめは『魔法』のようなバトル、正確には『テスト』を受けさせられたこと
 ふたつめは全員負けたのにもかかわらず、なんらかの通達・・・『合格』『不合格』『適正アリ』と言われたこと。
 みっつめは『The army of an ashes cross』の四大幹部が襲ってきたこと。
 よっつめはその四大幹部が全員・・・灰色の服を着ていたこと。
 そして最後は『これ以上のことが知りたければオーキド博士に聞きなさい』・・・だ」

 「そうだな・・・そして俺達は『マサラタウン』にやって来た。
 もちろん・・・奴らが言うように・・・オーキド博士に会うために」

 「だけど・・・」





 辺りには何もなかった・・・今俺達が居るのはかつて『オーキド研究所』があったがれきの山
 それぞれの戦いの後、集まった俺達は呆然としたよ・・・またマサラが壊滅したんだ、信じられない・・・


 「そして・・・極めつけはこれッスね」

 ゴールドがラジオを再びつけた、今度は何の雑音が入らなかった





 『・・・臨時ニュースをお伝えします、謎の力を持つ灰色の服を着た軍勢が・・・ジョウト地方を襲い・・・全ての街々が壊滅しました。 その後ジョウト地方は奴らの支配下に置かれたもよう、死傷者の数は不明、奴らは『The army of an ashes cross』と名乗り、現在ロケット団との関連を調査しています・・・繰り返します・・・』





 「・・・俺達がカントーに向かった後に・・・奴らは・・・」

 「ジョウト地方から俺達を追い出すためだけとも思えないが・・・とにかく奴らはウツギとオーキド博士をさらったようだ。
 もちろん・・・マサラタウンの人間もだ」

 ラジオが繰り返し・・・臨時ニュースを伝える、沈黙が続いた





 沈黙を破ったのはレッドだった

 「・・・これからどうする?」

 「決まっていんじゃないッスかぁっ!! 奴らをぶっつぶす!!」

 「博士達も心配だわ・・・とにかく行動しなきゃ」

 「だが・・・俺達は奴らに勝てると思うか?
 ニュースを聞く限り・・・魔法のようなバトルが出来るのは四大幹部だけじゃないらしい」

 「じゃあっ!! どうしたらいいんッスかぁ!!?」


 ゴールドが悲鳴に近い声を上げた・・・その時だった





 『そう! 今君達に必要なのは奴らに対抗できるだけの「力」と「情報」。
 そして・・・・・・それらを教える師匠的存在!!』


 それはゆっくりと上空から降りてきた、皆が固まっている

 『僕の名は「ガイド」、君達を導く者だ』





 俺達には言いたいことが沢山あった、何故今現れたのか、「力」「情報」とは何か?

 言いたいことは沢山ある・・・だけど・・・・・・それよりもまず、言いたいこと

 皆が同じ事を同時に・・・叫んで言った










 「「「「「「「ポケモンが喋ったぁーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!???????」」」」」」」





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