「え?なんで!?」

素人VSリュウ
「なんで出ないの?さっきまで出てたのに…」
ミキが絶望の表情を浮かべる
「それに…PP(パワーポイント)って何?」
「PPってのは、技の撃てる限界値。お前腕立て何千回もできないでしょ?」
「じゃあ…ナミの水鉄砲は…」
「もう回復させるまで使えないよ」
「そんなぁ…」
がくんとひざを突く
そんなときでも、ナミの体力は減っていく
「でも…行くんだ!ナミがんばれ!体当たり!!」
「カキ!守る!!」
ナミの渾身の体当たりは、鈍い金属音をたてはじき返された
「まだだナミ!守るは確か…連続で使うと成功率が下がるんだ!体当たり!」
確かに、守るは連続で使うと精度が下がる。が―
「カキ!みきり!」
体全体を吹っ飛ばすような勢いで飛んできたナミの体当たりはそのまま空をかき、湿った地面へと不時着する
「この守るとみきりを使い分ければ、このまま技を出せずに終わる!」
再び勝ち誇るように言う。
ナミは、起き上がるのにかなりの時間を要した
「・・・このままじゃ・・・」


そのころ―

トイレからテクテクと出てきたシンは伸びをしながらバトル場へと向かう
が、目の前に黒いフードをかぶった人が三人、道を塞いだ
シンは三人の顔が見えないことを確認し
「どちら様?」
何変わらぬ表情で問う。その返答は
「J」
「M」
「N」
「!!!」
三人が名乗った名はアルファベット。つまり―
「ゴット団の者です。手荒いことはしません。着いてきてもらえますか?閃光のシンさん」
Jと名乗った男が言う
そして、後ろのほうに手を差し出す。その先には―
「車ですか…」
シンはいろいろ悩んだ挙句
「いいですよ。本当にしないのであれば」
「もちろん。行き先から出るまでは保証します」
シンは、ミキがいると思われる方向を見て
「早めに頼むぞ」
「はい」
そしてシンと三人のゴット団はその場を去っていった。
そこには、一つのモンスターボールが転がっていた
そして不意にボールが開くと中からヒトの形をしたポケモンが姿を現した


そして場所は戻り、バトル場

「ナミ!体当たり!」
「カキ!みきり」
「まだだぁ!体当たり!がんばれ!」
「守る!」
さっきからこの繰り返し
おそらく、ナミのやけどは、カキのPPが尽きるまでダメージを与え続けるだろう
「どうしよう…どうすれば!」
「・・・・・・」
リュウはミキを見つめる
ナミも息を切らしながらミキを見つめる
『・・・・・・火を・・・って・・・い』
「?」
ミキの耳に、いや頭にと言ったほうが正しいか、何かの言葉が流れる
『電・・・・火を・・・・ってくさ…い』
「もう一回…」
ミキはつぶやく
ミキの期待通り、その声が大きくなってミキに届く
『電光石火を使ってください!』
「電光…石火?」

「それを…どうしればいいの?」
小声でも届いていることに気づき、小さめの声で話す
『もちろん相手にぶつけるのです。あのロコンは、最初の水鉄砲でダメージがとても大きく、実際空元気のようです。電光石火の一発でまず倒れます』
「ほんとに?」
『もちろん』
「でも…守るとかされたら…」
ミキにしてはいい答えだ、今、それを与えられなくて困っている
『あのシンが、どうやって1秒以下の瞬殺記録を作ったか知ってますか?守るを使えるポケモンなら、幾らでもいたはずです』
「えっ?」
『とにかく、あのミズゴロウをお呼びなさい。そしてこのことを伝えなさい』
「・・・・・・・・・・・おいでナミ」
「おうおう、どうしたよ?」
リュウがはやす。が
「一時の作戦会議よ、邪魔しないで」
「はぁ?」

この会議の時間が、リュウを負けに導くとは、誰も思ってはいないだろう

第十四話に続く・・・
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