シルバーが立ち去り、シルバーの姿が見えなくなった
緊迫した雰囲気から脱出したため、へなへなとミキは腰を落とす
それから少したった後、こしに力が入るようになった頃に

「勝ったァ〜〜〜〜！！！」

高々と両手を上げ、ナミと共に喜ぶミキ姿があった


コツ・・・コツ・・・
狭い廊下に良く響く足音、そこを今4人の男が歩いている
少し歩いてから扉が見えた
「Ｋ、私です。あけなさい」
「・・・・・・」
扉は無言で開いた
扉を開けたのは以前師匠と対峙した女
部屋は薄暗く、数本のろうそくで気味悪く照らされていた
「どうぞ、こちらへ・・・」
Ｋが椅子を差し出す
ここは仮にも敵地、なにやら仕掛けがあっては困るので念入りに調べた後、手袋をし、なにやら液体を手袋に付け、椅子を触った
その液体はたいていの毒を中和する働きがある
それほど気を張っていた
椅子に腰をかけた後部屋の奥の扉が開いた
「おめぇは…」
シンが声を漏らす
「久しぶりだなぁ・・・シン」
体格がしっかりしていて、背の高いその男はシンと反対側の椅子に座った
「コウ…いや、『Ｃ』…」
「覚えていてくれて光栄」
Ｃと呼ばれたその男は周りの人をほとんど下がらせた
「何のようだ？Ｃ。仮にも敵だが？」
「敵だからこそ…だ」
「？」
敵だから必要な話し合い？そんな物が・・・
「あっ…」
「気づいたみたいだな」
Ｃが紙を出しながら言う
「停戦協定だ…これは必要だろ？四天衆の一角が敵にいる以上は、俺ら上位幹部とお前らの人数は同じ。しかもお前が何百戦と挑み続けて、一度も勝てなかった『猛火』がこっちにいるんだぜ？お前らに勝ち目は無い…だから…」「黙れ！！」
シンが拳で机をたたきながら言う
「俺は負けない。誰が立ちふさがろうとも」
Ｃをにらみながら言う
「そうか・・・」
残念そうな、本当に残念そうな声を出し
「じゃあな、俺は急ぎなんで…」
シンが振り向き、帰ろうとする。その直後
「こっちに来ないか？」
「・・・・・・」
「Ａ様はお前の才能を高く買っているＢ様は少々嫌だそうだがな…来ないか？シン」
「・・・・・・」
確かに負けない。ということについては、こちらは有益だろう。だが―
「断る」
「そうか…」
最後の勧誘も失敗し、下を見るＣ
「じゃあ…」
顔を上げながら言う
「ここから出すわけにはいかないなぁ…かかれ！！」
Ｃの声で、シンは一気に敵に囲まれる
「・・・・・・・・」
黙り込むシン。そして突如Ｃの方を見た
その目は殺気立っていた。そして―

彼の手はこの部屋のどのろうそくよりも輝いていた
藍色の閃光を放ちながら。

第十六話へ続く…
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