「ところでさ…」
ミキが歩きながら聞く
「あんた誰なの?」
『それは…』

第十八話 伝言

「ねぇねぇ!気になる!教えて!」
『えぇ…えっと…』
「おせーておせーて!」
『声』の方も戸惑っている
そして
『わ…私の正体は後として…シンさんから、伝言を預かっております。お聞きください』
「えっ?シンさんから?何?」
シンという言葉に反応し、聞くのをやめる
『えっと…まず一つ目は…ナミが負傷したら、これを使え…と」
「これって?どこ?」
もちろん相手は声だけ
物を渡せるわけもない
『じゃあ…後ろを向いてください』
「え?」
ミキが振り返ると、そこには妙な機械が
「これは?」
『まんたんの薬です。どうぞお使いください』
「まんたんの薬ィ!?」
まんたんの薬といえば、薬の中でも最高峰のクラスの薬である
「あ・・・ありがと」
『いいえ…』
ミキはその道具を取ると、ナミに使った
『二つ目が…』
「ん?」
『俺はちょっと厄介なことに巻き込まれた。だから少しお前の場を離れる。連絡用にポケギアを渡しておく。俺の番号が入っているが、俺がかけるまで絶対にかけるな。と…どうぞ』
同じ方法でミキにポケギアが渡される
『使い方…わかります?』
「あ・・・うん、わかる…(多分…」
『じゃあ説明書も置いておきますね』
…読まれた…

トゥルルルルルル…

「あ・・・はいミキです」
ミキのポケギアに電話が入った
(あぁ…俺だ)
「シンさん!大丈夫ですか?」
(あぁ…)

(イシスから道具はもらったみたいだな)
「イシス?」
(何だ?まだ会ってないのか?)
『すみませんシンさん。ミキさん。私がイシスです』
気づいた時にはもうすでに後ろにいた
一瞬人かとも思ったが、違った
『改めて自己紹介いたします。私は人間の中でサーナイトと呼ばれていて、シンさんにイシスという名前をもらいました』
「あ…どうも…」
ミキはペコリと頭を下ろす
(さっきの続きだけどいい?)
「あっ、はいどうぞ」
シンとの会話に戻る
(さっきも言ったように、こっちでいざこざがあって…当分そっちにはいけない。だから、お前は、ホズミシティのジムリーダーを倒してから、トキシティに来い。俺はそこで待っていてやる。それまで、そのイシスが俺の代理でいろいろ教えてくれる。そいつはどっかの『機械仕掛けの鼠』よりは頭がいいから)
「だれ…ですか?」
(さぁな…あと、仲間も増やしたほうがいいぞ。多いに越したことはないぞ)
「あ…わかりましたシンさん」
(あとは…これから長い付き合いになる。さんはつけなくていいぞ)
「あ・・・わかりました。…シン?」
(どうした?会ったときの威勢は…がんばれよ!また会おう)
「うん…さよなら…シン!」
(ツー…ツー…)

第十九話に続く…
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