第十九話　才能

「で？これからどうしようか？イシス」
『そうですねぇ…まだ夕方まで時間ありますし、２．３試合　バトルして、特訓してみてはどうですか？』
「うん！そうする！」

・・・・・・・・・・・

「・・・・・いまだ！ナミ！水鉄砲！！」
バトル場全体に声が響き渡る
「あ〜あ…負けちゃった」

「そうそこ！電光石火！」
「おねぇちゃん強いですぅ」
「すごいですぅ」

「回り込んで！そう！体当たり！」
「ぼっ…僕のポケモンたちがぁ・・・！」

『すごいですねぇ…』
イシスは感心を隠し切れない
初めは、ちょっとバトルして出発するはずが、白星続きで無敗
さらには、ほとんど無傷で勝利を収めている
そして、何よりすごいのが
『それに…早い…』
初めは少し時間をとっていたが、後のほうになると、相手の周りを飛び回って、隙があれば攻撃。しかも、一撃
イシスはニコッと笑って
『さすがシンさんが見込んだだけはあるみたい。筋もいいし…さて、そろそろ…ミキさ〜ん！そろそろ出ないと野宿ですよ！』
「はぁ〜い。じゃあね〜」
勝負待ちの人たちに手を振ってミキはその場を後にした

とある草原にて

「どう？どう？一回も負けなかったよ！」
ミキが自信気に話す
『そうですね。休憩もしっかり取ってるし、ポケモンのことをしっかり考えてるわね』
「うん！」
『だけど…このままじゃあ、ホズミシティのジムに挑むこともできないわよ』
「え？」
『ホズミシティのジムは２VS２なの。最近取り入れたやり方よ』
「じゃあ…」
『そう、もう一匹ポケモンが必要ね』
知らされる現実に唖然とする
ミキは、実際ポケモンをゲットしたことはない
野生のポケモンとの戦闘はリングマ以来一回もない
リングマ…そういえば…

・・・・・・・・・・

「レベルツー！！」

・・・・・・・・・・

「あのさイシス」
『何ですか？』
ふと思ったことを聞いてみる
「レベルツーって何？」
『そうですね…じゃあ…大きな声で、レベルツーって叫んでくれます？』
「えっ？え…っと…ハァ…スゥ・・・・・・レベルツー！」
その声の直後に地面から緑色の光が出て、イシスを草木が覆った
そして―

バチィィィィィィン…

激しい爆音とともに、草木がはじけ飛ぶ
その中から出てきたイシスは、かなり息切れを起こしていた
色も形も変わらない、ただのサーナイトだった

『ハァ…ハァ…やっぱり…この子には…』
「？」


『才能がある』

第二十話へ続く…
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