「ハァ…ハァ…つ…」
第二十一話 到着!
「着いたぁ〜!!」
歩くこと3時間、歩いた距離は十キロ強、現在時刻は8時ほど
イシスは周りを見渡し、ホズミシティだと確認すると
『お疲れ様でした!』
・・・・・・・・・・・・
『さて…』
イシスが声を上げる
『どこに泊まります?』
「…」
ミキは明らかに現実から逃げるような目をしている
目はどんどん向こうのほうへ
「それより…おなか減ったよ…」
『そうですか…では、着いてきてください』
イシスの誘導で、ミキは移動する
・・・・・・・・・・
「〜〜〜〜〜んまい!」
『そうでしょう?』
今いるのは有名な餃子屋『餃子の玉将』だ
お金はバトル場で結構せしめたから十分にある
今、その店で、バクバクと食べ物を平らげていっているのがミキである
「それで… ポト…
これから ポタ…
どうするんですか? ゴクン」
下品…
イシスはそう思った
『あの〜…もう少し行儀よく…』
「むり〜」
『ハァ…シンさんの苦労がわかる気が…』
・・・・・・・・・・・・
『それで、これからですけど…今日は遅いですし、とりあえずポケモンセンターで宿を取ります。その次の日に体験入学してみましょう。そして次の日にはジム戦へ…もちろんポケモンを捕まえてからです』
「うん、わかった!…ちょっとトイレいってくるね〜」
『ハァ…』
『・・・・・・・・・・』
イシスの感覚が何かを感じた
おそらく…誰かがいる
『・・・・・・・・・・』
おそらく五名ほど
そして全員がポケモン所持
陰に隠れて見張っている
『出て来たらどうです?』
テレパシーで伝える。すると
「グラエナ!」
「ポチエナ!」
「ダーテング!」
「ヘルガー!」
目の前にいる一人以外の人が、ボールを投げる
周りの人から悲鳴が上がる
それを見て目の前の一人が銃を上に構え
パッ・・・・・・・
サイレンサー独特の小さい音が出る
周りはいっせいに静かになる
今自分は、四匹のポケモンに囲まれている
しかも―
『悪タイプ…』
一般のポケモンなら絶望的な状況だろう
エスパータイプのポケモンと悪タイプのポケモン、どちらが勝つといわれれば、どう見たって悪タイプだ
「こりゃあ上等なポケモンだ、いただくとするか」
目の前の一人がいやらしい笑みを浮かべる
だが、これでも閃光の一人のポケモンである
伊達に死線は潜り抜けていない
イシスが『打撃攻撃』の構えを取ろうとした瞬間―
「ヘルガーに水鉄砲!ナミ!」
ミキが帰ってきた
「あんたたち…誰は知らないけど…何してんのよ!」
ミキが叫ぶ
そのミキの手は
すこし赤がかりに光っていた
第二十二話へ続く…
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