第二十六話 闘争―その後
パチパチ…
ここはノービ平原のある洞窟
このノービ平原は、豊かな草原に加え、一部では横殴りの雨のせいで、洞窟ができたり、度重なる落雷で、真っ黒な世界もある
今シンはその洞窟で、焚き火をし暖を取っている
「ある程度は逃げたかな…」
一人つぶやく
一時間前・・・
「ベイリーフか…」
右腕に続き、左腕まで負傷したシンは息も絶え絶えに言う
そこへ―
「何でテメェポケモンをださねぇ…」
「C!」
コツコツを歩み寄ってきたCが言う
「・・・こっちもいろいろ理由があるんだ…」
「こっちもなぁ…アジトの場所知られたからにゃあ逃がすわけにはいかないんだ」
「そうかい…」
話を終えた後上空に目を向ける
少し考えた後、先ほどとは反対方向の足からまた箱を取り出す
そして―ピンを抜いた
「ベイリーフ!はっぱカッターで跳ね返せ!」
Cが声を上げる
「うらぁ!」
シンが投げる―
―が、それは真後ろへ…見当違いの方向へ・・・
全員がいっせいに耳を閉じ、目をを瞑った(つむった)
しかし、シンは目を瞑らなかった
ピシャァァァァァ・・・
閃光手榴弾から、強烈な光が放たれる
もちろん音は、まったく効果がない
出たとしれば、ベイリーフに強烈な音が襲う
そして光は閉じたまぶたを貫き、衝撃を与えた
シンは、光が背中に当たったので、なんら影響は無かった
そして、またポケットに手を入れ
シパパパパパパパパパパ・・・・
煙が噴射され、長時間視界を防いだ
シンは光がやんだのを確認すると、背を向け、走り去った・・・
パシャ…パシャ…
洞窟の入り口をあえて水浸しにしたかいがあった…
その水音は、おそらく一人…分かれて行動したのだろうか…
残ったわずかな煙玉を握り締め、ゆっくりと歩き出した
コツ…コツ…
足音まで聞こえるようになる位近づいたとき
シパァァァ…
一個だけ放り投げる
足音は着実に近づいてくる
シンは、顔面に当てるくらいの高さで振りかぶって、一気に飛び出した
「!!!?」
その相手に驚き、投げるのをやめる
「し…師匠?」
「のろしは…上げない方がいいですよ」
そう、今目の前にいるのは師匠
のろしという言葉にはっとし、上を見る
洞窟の上のほうを、焚き火の煙がたどっていた
「あ…。でも、何で師匠が?」
「SOS信号を送ったのはあなたでしょう?」
「?」
シンは首をかしげるそんなもの送った覚えが…
しかも、その信号が師匠に届くのは二機だけ…
ひとつは自分自身
二つ目は…
「ミキか…だけど何で…」
「とりあえず逃げますよ。こののろしも見られてそうですし、何より寒い…」
「はい」
シンと師匠は外に駆け出し、待機していたボーマンダに乗った
「ゴラド、とりあえず、ホズミシティに行ってください」
その巨大なドラゴンポケモンは、翼をはためかせ、上空へ舞い上がった
第二十七話へ続く…
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