第三十二話 噂の―
シンはポケットの中をあさる
中にはやはりネガが
その『知られてはいけない』ことが写されているネガを引っ張り出すと
太陽の光に当ててそのネガを見る
「どーやって作ったんかな…合成じゃなかったし…」
シンが、ある意味感心の意味も込めながら言う
「?」
覗き込んでいるうちに、シンが異変に気付く
「文字…かな…?えっと…」
そのネガにはマジックで、いびつだが文字が書かれていた
『とりあえず先ほどの部屋でもう一度話をしましょう』
・・・・・・
明らかに話を予測した内容の話
まだ話があるようだ…
「・・・暇だし…行くか…」
シンは一路部屋を目指す
「うんそこ!体当たり!」
「よけろ!バタフリー!」
少年少女の元気な声が響くここは、TBTスクールのバトル場
「今よ!ナミ!水鉄砲!」
「あぁぁぁ・・・」
ピィィィィィ…
笛が響く
「勝者ミキちゃん。四連勝中ね。後一回よがんばって!」
副担任の先生から応援の声が上がる
「ありがとうございます!」
ミキが丁重にお礼を言う
すると、先ほどまでミキと戦っていた少年が近づいてきて
「ミキ…だっけ?お前強いなぁ!なんかコツでもあったら教えてよ!」
「えぇ…っと…」
ミキが少し悩み
「わかんないや…あるとしたら、常日頃からプロのバトルを見ることかな…」
「うん!ありがと!」
少年は礼を言い、回復所へと向かった
ミキは先ほどから無敗
特に秀でた人は、講師に来たほかの地のジムリーダーでさえ相手にならないほどの強さを持つ六回生
ソレを苦戦しながらも、次々を倒していった
ここはBTBスクールの回復所
バトルバトルの間にポケモンを回復させるところ
それ以外にも、人によっては憩いの場所だったり、情報交換の名所でもある
そこにミキがやってきた
「ふぅ…ボールをここにおいて…っと」
オーレ直輸入の回復マシンにおくと、回復が始まった
そこでミキはこんな会話を耳にした
「―あいつ強いよなぁ」
「あぁ、あれで四回生だからな…すげぇよ」
「あいつの最後の相手は…誰だ?」
「えっと…同じく全勝のミキだろ?あいつでもさすがにかなわないよ」
「だって、光る手まで持ってるもんなぁ…」
・・・・・・・
「光る…手?」
第三十三話へ続く
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