第三十三話 知りたいこと

「光る…手?」
ミキの疑問がそのまま言葉として出る
それが少年たちの耳に入ったらしく
「ん?知りたい?」
一人の少年が振り向き言う
「うん…知りたい」
ミキが頷きながら言う
「光る手ってのは、才能が特に秀でた人に出る力で、手が光って、その光を浴びたポケモンは、一時的に能力が上がるの」
「そうそう。この中にも一人いるんだけどね」
親指をクイッと後ろに曲げて言った
そして、その少年たちの集まりから、一人の背の低い少年が表れた
その人物は、ミキの知る人物だった
「こんにちは。ミキさん。覚えてます?」
「あっ…たしか、昨日の夜の!」
「そう…シデです」
シデが笑顔いっぱいで言う
「シデは四回生なのに六回生のところで授業受けてるし!」
「光る手を持ってるし!」
「おぉ〜〜!」
ミキが感動の声を上げる
そしてシデが
「十分後はボクとです。お手柔らかに」
「そちらこそ」

・・・・・・・・

第三十三点五話 知りたくないこと

ガチャ…
「ふわぁ〜あ…寝たりないかなぁ…」
大あくびをしながら、シンは部屋に入る
「さて…と」
口元に当てられた手を腰に持ってきて一つのボールを投げる
『読んでくれたんですね?』
「あぁ」
中からはイシスが
「話って何だ?わかりやすく。なおかつ簡潔に。俺が寝ないうちに言ってくれ」
シンは再びあくびをし、ベットに転がる
『一個目は…ここミキさんの部屋ですよ。ミキさんもここで寝ましたし』
イシスは腰を曲げ、シンの顔を覗き込んで言った
「…俺はそういうのは気にしないタイプだって知ってるだろ?」
シンは布団に包まって(くるまって)言う
その暖かな熱気がシンの眠りを誘う
『あと…シンさん、ものすごい思いっきりミキさん抱いてましたよ』
「・・・・・・本当?」
『ホントです』
「…なんで俺がミキを抱いてるの?」
『・・・・・言えません』
「何で?」
『言えません』
「・・・・・裏で何か引いているのはしs…」
『違…うってことにしてください』
「・・・・・師匠ね…」
『あと…』
「言うな」
『何故ですか?』
「現実逃避」
『実はシンさん・・・』
「アーアーアー」(耳をふさぐ)
『ミキさんに・・・』
「アーアーアー」
『キスしましたよ?』
「アーアー…ア?」
・・・・・・・・・
「は?」
『嘘です』
・・・・・・・・・
ボカッ
『ッ〜〜〜〜〜』
「戻れ」
『あっ待って!』
「何?」
『スクールにミキさんいますよ』
「へぇ…」
『いっそホントに抱きついて…痛ッ!!!』
「戻れ」


第三十四話へ続く…
戻る