「負けたか…」
がっくりと肩を落とすゴールドは、横たわるカザンをボールに戻す
「24戦中14勝10敗…そろそろ追いつけなくなるぞ?ゴールド…」
「うっせ!そのうち追いついてやる!」

その後ギャラリーの拍手とともにシンが退場する
そのとき時計が見えたが…
「もう終わってるかな…迎えにいってやるか…」
シンは青い体をしたハッサムをボールに戻し、その場を去っていった

第三十六話 光る手の力 ミキVSシデ


「ここ…だよな…」
シンは今、TBTスクールの校門にいる
そこには無残に破壊された門と、少々の血痕
「あいつか…」
呆れの声も混ぜながら、シンは中に入っていった

おぉぉぉぉ!
生徒の歓声が聞こえる
「何やってんだろな…って…えぇ!?」
バトル場まで到達したシンが驚きの声を上げる
今は…16:00ほど…
もう下校の時間のはずだが…
そこには授業を終えた生徒がずらりずらり
一回生から六回生までがソレを見ていた
「…シデ坊か…相手は…ミキ?」
必死に高いところに登ってその場を見守る
時間経過のタイマーは、32分を指していた

「まだまだぁ!水鉄砲!」
「避けるんだ!ゴウ!」
そのバトル場では、ミズゴロウと、ゴーリキーが戦っていた
体格的にゴーリキーが有利
だが、相手もその小柄さを生かして、必死に避ける

シデの腕は、白く輝いていた
それに照らされてゴウの体も輝く
繰り返されるゴウのパワー攻撃で、バトル場に次々とクレーターが作られていく
一方ナミは、水鉄砲を連射して、小さなクレーターに水溜りを作っていく
ミキの顔は、何か企んでいる様にも見える
そして、そのたくらみが成功した

ズシャ…

水が引き、ぬかるみと化したクレーターにゴウが足を取られる
その瞬間
「次は当てる気で!水鉄砲!」
ゴウの体に強力な水流が当てられる
プロのレベルで見られるものよりは弱いが
その成長振りを見せられる
「いよっし!」
ミキがガッツポーズを作る
その瞬間シンがつぶやく
「油断禁物…どっちもね…」
その直後、ゴウがものすごい勢いで飛び上がり着地した後、ダッシュで接近してきて
「爆裂パンチ!!」
ゴウが振りかぶる
そして―。また滑った
ふらついた瞬間に、ナミの強烈な体当たりを喰らう
その巨体は、ついに倒れこんだ

第三十七話に続く…
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