「ま、そのうち教えてやるよ」
率直な返事
「ちぇー」
ふてくされるように言って、足元の毛布を手繰り寄せる
「おやすみ…次入り込んできたら…」
「俺に言うな」



第四十三話 ドロボー

「ふわぁ〜あ…」
ミキが大きくあくびをする
窓からさす光がまぶしい
今は八時
午後からはジム戦がある
それまできゅーけ…

ドゴォォォォン…

爆…音…?
ミキは窓から顔を出し外を見ると


「セト!攻撃が甘い!ラー!カウンターをあわせろ!」
シンだ…
練習か…私もしよっかなぁ…

ガチャ…

ウィィィィィン…
ミキは外に出た
やっぱり明るいこの町
シンがいるはずの場所へ向かおうとしたら

どんっ…
「わ…」

猫のようなポケモンがミキにぶつかって通り過ぎていった
「魚を…咥えてたよね(咥えてた)…」
「お嬢ちゃん!!そのニャース捕まえて!」
鉢巻をした男が飛び出してきた
「へ?…じゃあ…ドロボー!?」

ミキはニャースの方を見る
もうかなり離されているが、困っている人はほかっておけない
そんな性格のミキは
「待っててください!」
ニャースに向かって駆け出した
第四十三話へ続く…
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